ひだかみゆき

超次元サッカーの元陸上部大好きマンです。

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投稿日:2016年05月18日 09:18    文字数:1,108

夜空の太陽

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サイトから再掲。アニメ33話を見た後カッとなって書いたwもの。
よく考えたら、この二人、もう出来ちゃってるぞ。あらやだ。
<2009/5/21脱稿>
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「悪かった…。何焦ってるのかな、オレ…。忘れてくれ円堂」
 夜の寒さが忍び込んで風丸自身を冷やす。分かってる、いくら焦ってたって強さには繋がらないって。
 でもそんな時、いつもの円堂の笑顔が風丸の心を癒す。宮坂が陸上部に戻って欲しいって言ってきた時も、もっと以前からもずっと…。
「迷って……たのか。いいよ、オレならいつでも聞いてやるよ。だってオレたち親友だろ?」
 円堂の手が肩を抱いた。ほんの少し涙が出そうになった。
「うん……。うん」
 こくりと頷くと、ニカっと円堂が笑った。
「そうそう。ほら、もうちょっとこっち来いって」
 円堂が抱いた肩を寄せた。ぴったりと二人の体が密着した。そういえば、流石に北海道だけあって、稲妻町とは問題にならないくらい寒い。人肌の温もりが風丸の心を徐々に溶かしてゆく気がした。
 ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ風丸は円堂の肩に頭を凭れた。
──ああ本当に、お前が居てくれて良かったと思うよ、円堂。
 そんな事をぼんやり考えていると、不意に円堂が囁いた。
「なあ、風丸。……キスしよっか?」
「え」
 本当に不意の言葉なので、思わず目を上げた。冷たい夜空に浮かぶ満天の星と一緒に円堂の顔が輝く。それはまるで暗い天さえも赤く染める太陽のようだ。
「な、風丸。ちょっとだけ」
 僅かだけ瞼を閉じた円堂が風丸に顔を寄せてきた。
「……オレたち、親友同士じゃないのか?」
「あ」
 ふと呟いた言葉が円堂の動きを止める。
「ははっ、前言撤回。オレたちは恋人、だろ?」
「ん……」
 まあいいか。そう思って瞼を閉じると、円堂が唇を重ねてきた。キスが上手いとか下手だとかはまだよく分からないけれども、それでも風丸にとっては、それはとても優しい。
 やがて名残惜しそうに唇を離したが、代わりに円堂が風丸の体をキャラバンの屋根に押し付けた。
「バカ。円堂、こんなとこでしたら、皆が起きちゃうだろ!」
「大丈夫だって。壁山のいびきでも起きないんだぜ。っていうか、流石にここじゃしないよ。ちょっとだけ、触りっこするだけ。それとも……風丸は嫌か?」
 円堂が自分を求めてるのは分かっているが、この場所では流石に気恥ずかしい。だが、真剣な円堂の顔を見ると少しだけ気が変わった。
「嫌……じゃない」
「そっか。じゃスキンシップ、しようぜ」
 頬を染めて俯くと、ジャージのジッパーを下げて円堂の手がゆっくりと風丸の薄い胸をまさぐった。円堂の手は彼の心のように温かい。
「寒い……円堂」
「あ~。毛布持ってくりゃよかったな」
 羞恥を隠すように、風丸は両手で円堂の背中に縋り付く。互いの頬を擦り寄せて風丸は目の上に広がる満天の星を見た。
──ああ本当に、お前が側に居て良かった。
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夜空の太陽

キーワードタグ イナズマイレブン  円風  R18 
作品の説明 サイトから再掲。アニメ33話を見た後カッとなって書いたwもの。
よく考えたら、この二人、もう出来ちゃってるぞ。あらやだ。
<2009/5/21脱稿>
夜空の太陽
1 / 1
「悪かった…。何焦ってるのかな、オレ…。忘れてくれ円堂」
 夜の寒さが忍び込んで風丸自身を冷やす。分かってる、いくら焦ってたって強さには繋がらないって。
 でもそんな時、いつもの円堂の笑顔が風丸の心を癒す。宮坂が陸上部に戻って欲しいって言ってきた時も、もっと以前からもずっと…。
「迷って……たのか。いいよ、オレならいつでも聞いてやるよ。だってオレたち親友だろ?」
 円堂の手が肩を抱いた。ほんの少し涙が出そうになった。
「うん……。うん」
 こくりと頷くと、ニカっと円堂が笑った。
「そうそう。ほら、もうちょっとこっち来いって」
 円堂が抱いた肩を寄せた。ぴったりと二人の体が密着した。そういえば、流石に北海道だけあって、稲妻町とは問題にならないくらい寒い。人肌の温もりが風丸の心を徐々に溶かしてゆく気がした。
 ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ風丸は円堂の肩に頭を凭れた。
──ああ本当に、お前が居てくれて良かったと思うよ、円堂。
 そんな事をぼんやり考えていると、不意に円堂が囁いた。
「なあ、風丸。……キスしよっか?」
「え」
 本当に不意の言葉なので、思わず目を上げた。冷たい夜空に浮かぶ満天の星と一緒に円堂の顔が輝く。それはまるで暗い天さえも赤く染める太陽のようだ。
「な、風丸。ちょっとだけ」
 僅かだけ瞼を閉じた円堂が風丸に顔を寄せてきた。
「……オレたち、親友同士じゃないのか?」
「あ」
 ふと呟いた言葉が円堂の動きを止める。
「ははっ、前言撤回。オレたちは恋人、だろ?」
「ん……」
 まあいいか。そう思って瞼を閉じると、円堂が唇を重ねてきた。キスが上手いとか下手だとかはまだよく分からないけれども、それでも風丸にとっては、それはとても優しい。
 やがて名残惜しそうに唇を離したが、代わりに円堂が風丸の体をキャラバンの屋根に押し付けた。
「バカ。円堂、こんなとこでしたら、皆が起きちゃうだろ!」
「大丈夫だって。壁山のいびきでも起きないんだぜ。っていうか、流石にここじゃしないよ。ちょっとだけ、触りっこするだけ。それとも……風丸は嫌か?」
 円堂が自分を求めてるのは分かっているが、この場所では流石に気恥ずかしい。だが、真剣な円堂の顔を見ると少しだけ気が変わった。
「嫌……じゃない」
「そっか。じゃスキンシップ、しようぜ」
 頬を染めて俯くと、ジャージのジッパーを下げて円堂の手がゆっくりと風丸の薄い胸をまさぐった。円堂の手は彼の心のように温かい。
「寒い……円堂」
「あ~。毛布持ってくりゃよかったな」
 羞恥を隠すように、風丸は両手で円堂の背中に縋り付く。互いの頬を擦り寄せて風丸は目の上に広がる満天の星を見た。
──ああ本当に、お前が側に居て良かった。
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