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投稿日:2016年08月28日 01:40    文字数:15,590

君の熱こそ私の原動力

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こんにちは。防衛部2期、楽しませて視聴させて頂いております。防衛部1期から草熱が好きすぎて、当時のリアタイでも胸が苦しくなる勢いで草熱の関係性はグッと引き込まれますね…っ!!さらに2期の草津様と熱史くんの絡みは大変素晴らしかったです。草熱が再び上昇しました!!草熱を妄想して泣く日々です。

1 / 1



はぁ、はぁ…と荒い息遣いが部屋に響き渡る。私の息と彼の息が混ざってると思えば、酷く興奮して身体中の熱が悲鳴を上げるように、顔や手が一気に熱くなる。この状況で熱くならないとしたら、それは可笑しな話だ。私が何十年も大事に想い続けていたと同時に、彼が別の男と一緒に居たときは憎しみと嫉妬を覚えて怒りに任せて彼を傷付けた。だが、そんな憎しみと嫉妬を抱え複雑に絡んでいた話は、もう終わったのだ。今、私の目の前で愛おしい幼馴染がトロンとした目で私を見ている。そう、彼が私の大事な幼馴染…鬼怒川熱史だ。

「…っ…熱っちゃん………!」

眼鏡のフレーム越しの綺麗な瞳と、酸素を求めるように薄く開いた唇に我慢出来ず、熱っちゃんの両手に自身の両手を重ねて強く握る。熱っちゃんを壁に追い込むように後退りさせ、逃がさないように私の体を密着させて押し付ける。早く欲しくて熱っちゃんの顔にだんだん近付こうとすれば、

「き、錦ちゃん!!」

急に声を上げた熱っちゃんにハッとなり、ピタリと踏み止まる。何かと思えば、熱っちゃんは顔を逸らして目を固く瞑っている。熱っちゃんの横顔は綺麗に整えられてて、私は見惚れてしまう。まじまじと見れば、瞼が震えてるのが分かる。

「…っあ……すまない。怖がらせてしまっただろうか」
「あ、いや…そうじゃなくて!あの……錦ちゃん、照れ屋なほうだと思ってたから……ギャップに驚いちゃったかな……?」

ゆっくりこちらを見るようにそう言いながら、熱っちゃんは顔を向けてきた。頬が赤く染められてて、面白くて笑いが込み上げそうになった。

(熱っちゃん、顔真っ赤……可愛いな)

「ふっ、積極的……か。それは、相手が熱っちゃんだから……私でも、こうなるよ」

今度はさっきよりも顔をさらに近付けて、あともう少しで唇が触れ合える距離になる。熱っちゃんの反応を見るのも、こちらとしてはスリルを感じる。

「錦…ちゃ……っ………」
「熱っちゃん……今すぐにでも、君が欲しい」

これ以上、熱っちゃんの言葉を聞かないように唇を重ねて塞いだ。もうさっきから欲してる。いや、何十年も鬼怒川熱史という存在を欲してる。彼に対して憎しみや嫉妬感を抱いてきたが、嫌いにならなかった。嫌いになれなかった。だってあの頃から、夢中にさせてくれる君の事を嫌いになれるはずがないじゃないか。ただ、君は人の心を翻弄する悪魔のようで、私の胸は苦しいよ。弄ぶのなら、私だけにするんだ。
























「ふぅ…………………」

(熱っちゃんと一緒に登校したかった)

そんな願望を望めば、溜息を漏らさずにはいられない。生徒会室の窓からの景色を眺める。どうやら時間が合わず熱っちゃんに会えなかった。彼がいつも家を何時に出るのかも知らない。彼との会話、彼の輝く笑顔を朝一番に見られたらどんなに幸せで1日が乗り切れるのか。毎日熱っちゃんに会いたいのは、今まで彼との距離の溝が深くなってしまった分、仲直りした分こうして返ってきてるのだ。

(この前会ったのはいつだ?)

仲直りしたのは数日前。仲直りしたというのに、今まで離れてた分を取り戻すように話したい事がたくさんあるのに会えないのは何故だろうか。彼をだんだん想うほど焦れったい気持ちが勝り、端のほうの扉をチラリと流し目で見る。その扉を開ければ、熱っちゃんが活動してる防衛部の部室がある。体を動かしその扉に近付こうとした瞬間、影が現れる。

「錦史郎、さっき先生に会ったんだけどねぇ…これ、錦史郎に渡すように言われて……って、どうかしたの?」

後ろから声をかけられ反射的に振り返る。有馬が横に並ぶ様に移動しこちらを見てきた。

「…っああ、ちょっとな…」
「ちょっと?もしかして鬼怒川の事?」
「………………………」

有馬の問いに声を発さず答えはしなかったが、図星でコクリと頷いた。今の私の行動は、有馬にはお見通しのようだ。

「その扉の前に立ってるという事は、これから鬼怒川に会いに行くところだった?」
「なっ、聴こえてしまうだろう…っ!」

「熱っちゃんに…!!」と今喋る声の音量を小さめにして話す。熱っちゃんに聴こえてしまったらと、想像すれば顔が熱くなるのを感じた。

「ごめんごめん、つい」

有馬も合わせるように声量を下げるように話すが、明らかに笑いを堪えるその有馬の姿に「笑い事ではない!」と内心そう思いながら有馬にギロリと睨み付けた。

「でも、彼らは今居ないんじゃない?こんなにすぐ隣なら、普通は声とか聴こえてくるんだと思うんだけどね」
「…言われてみれば、そうだな」

意識してみれば、確かに彼らの声が聴こえてこない。箱根有基という元気な1年生の声が一番目立つというのに、それが今、とても静かだ。

「きっと、どこか歩き回ったりしてたりね。鬼怒川を探しに行く?」

そう言われ、彼らが歩き回るのも納得がいく。外でもフラついているのだろうか。それより、先ほど有馬が話した内容を思い出し、ゆっくり名残惜しそうに防衛部の扉から離れる。

「…いや、新たに頼まれ事が出来てしまったのならそちらを優先するしかない。有馬、書類を」

いつも通り取り掛かろうと椅子に座る。そして早く熱っちゃんに会いに行く為に全ての生徒会の業務を終わらせよう。だが、有馬がそこから一歩も動こうとせず大人しくこちらを見ているだけ佇んでいた。

「…?有馬、書類をこちらに」
「うーん…やっぱり…錦史郎、書類は僕と阿古哉がやるから、鬼怒川を捕まえたらどうだい?」

有馬の予想外ないきなりの提案に驚いてガタッと思わず椅子から立ち上がってしまった。

「なっ、何を言っている有馬…っ!!!捕まえるとは……!!!」

(熱っちゃんを!?)

熱っちゃんを捕まえるという響きに対し如何わしい事を想像してしまった自分は何という愚かなのか。そして有馬が変な言葉を口にするものだから驚いたのだ。

「この頃、鬼怒川と会ってないんでしょ?じゃあ尚更、捕まえないと…幼馴染の彼を」

意味深を表すかのように微笑む有馬。

「…一体何を企んでいる?」
「いや、何も企んでないよ。ただ、そんな風に暗い顔してばかりじゃ…僕や後で戻ってくる阿古哉も、錦史郎の暗い顔を見れば…他の事に集中出来ないよ」

そう言われ周りを見渡せば、阿古哉の姿が先程から見かけていない。一体どこをほっつき歩いているというのだ。だが、そんなに業務は忙しい程ではなく、まだ落ち着いてるほうだ。

「ところで、その『捕まえる』という言い方はやめてくれないか」

(調子が狂う!)

落ち着かせようと、テーブルの上に置かれてるティーカップに手を伸ばす。有馬が淹れたであろうお茶が注がれていた。ハーブの匂いが鼻先に漂う。

「だって、錦史郎がしたい事なんじゃないの」

飲んでいるお茶を吹き出しそうになって頭が真っ白になった。いつも通りの有馬なのに、妙な言い回しをするのは何故だろう。

「…っ…いきなり何を言う!」
「錦史郎は鬼怒川の事になると、物欲しそうな顔をするから」
「…む、そ、そんなに顔に出てるのか?私は…上手く隠してると思っているが」
「残念ながら、隠せてないよ。錦史郎は本当に分かりやすいよねぇ」

やはり、熱っちゃんに会えてない日々が続いてるせいか顔にまで表れるとは。上手く隠しているつもりが、有馬に指摘されてはこれ以上何も言えない。確かに私の頭も心も全て、熱っちゃんで埋め尽くされている。

(どこへ行けば君に会えるのだ?熱っちゃん)

同じ校内に居ても、なかなか熱っちゃんに会えない日々が続けばお互い違う世界に住んでいるんじゃないかと勘違いをしてしまう。胸が締め付けられる毎日にいつ解放されるのか。それならば、一層のこと…有馬の提案に乗ってみようか。「試す価値はありそうだ」と内心思えば口元を笑んだ。

「ならば有馬…捕まえるとは、何を…具体的にどうすればいいというのだ」
「ああ、やる気出ましたか?」

有馬の目がパァッと輝く。有馬は手に持っている書類を置いて、こちらを再度見る。

「もちろん、そのままの意味だよ」
「…っ…そのまま?」

(熱っちゃんを…っ…捕まえる……!)

妄想すれば体の奥から熱がだんだん込み上げてきた。ハッとなって、また我を忘れる所だった。大事だと思ってる彼をそんな風な目で見て、そう思うなんて。ここは生徒会室…家では無いのだから。誤魔化すように咳払いをする。

「…しかし、上手くいくだろうか」
「どうしちゃったの…錦史郎らしくない。数ヶ月前のオーアイトを思い出して」
「…オーアイトか。今となっては、消し去りたい恥ずかしい話だ」
「でも、あの頃の錦史郎の行動力はギラギラしてて凄かったよ」

有馬なりの気遣いだろうか。そう言われても、昔の自分の良さを探そうにも何も言葉が出てこない。行動力がギラギラしてて凄いというのは、恐らく我を忘れたときだ。だから褒められても何も言えたものではない。自分はそう思わないと思っているからだ。

「さて、お話はここまでにして……1日はあっという間に終わるよ。行ってらっしゃい、錦史郎」

有馬にゆっくり肩を押される。そうして有馬は、テーブルに向かうよう移動し、上に置いてある書類を手に持って内容に目を通しながら椅子に座る。

「っ…有馬、すまない」

『俺から勧めたんだし。鬼怒川、見つかるといいね』という有馬の声が後ろから響く。廊下側にあるドアに向かうように早歩きする。ドアノブを掴もうとすれば、ドアが微かに動いた。

「っあ、草津会長…どうしてそんな所に立ってるんですか?」
「やっと戻ってきたのか、阿古哉。理由は聞きたいが……それじゃあ」

手で合図をして阿古哉に避けてもらい、生徒会室から出る。

「あれ、どこか行かれるんですか?」
「ああ、ちょっと野暮用だ」
「会長1人で平気ですか?それなら僕と有馬さんも…」
「心配無用だ。別に大した事無い」
「ならいいですけど」
「気遣い感謝する、阿古哉。ではまた後日」

そう告げてパタリとドアを閉める。廊下に誰も歩いてない事を確認して、頭をコツンとドアに預けるように凭れる。心臓がドキドキして、ゆっくり深呼吸して息を吐く。生徒会室から有馬と阿古哉の会話が聴こえてきた。

「ねぇ有馬さん。草津会長が1人でお出かけするのは珍しいと思いません?」
「そう?錦史郎だって、1人で出かけたい気分があるだろうし珍しくないんじゃない」
「うーん、この頃ずっと3人で行動してたからかな」
「そうかもね。それに、錦史郎を自由にさせないと」
「…?何を言ってるんですか。草津会長も僕達も自由じゃないですか、元々」
「そういう意味じゃないんだけどね」
「……僕が居ない間、何を話してたんですか?」
「あはは、秘密」
「えーっ教えてくださいよ!」

(廊下まで聴こえてるのだが…)

聴くつもりは無かったが、2人してそんな風に騒がれると、こちらとしては聴いていて恥ずかしくなる。今まで静かだった征服部の日常が、いつからこんなに賑やかになってたのか。そっと目を閉じるように頭に情景を描く。

(お前達が居てくれて本当に良かった。ありがとう)

さて、熱っちゃんはどこにいるのだろうか。生徒会室のドアを後にして、先の長い廊下へ歩み進めた。






















(そろそろ…見つかってもいい時間だろう)

あちこち探し回っても、熱っちゃんは見つからなかった。食堂も、図書館も、もちろん防衛部室にも訪れノックしてみたものの、声や音…それらの反応が返ってこなかった。 校庭に佇むのは私1人。見渡しても熱っちゃんはいない。そろそろ夕日が沈んで月が浮かぶ。ああ、またこうして熱っちゃんに会えない一日になっていくのか。彼に会えない悲しみと苦しさに胸が押し潰されそうで拳を握り締めた。そしてだんだん視界がぼやける。校庭で、こんな惨めな場面を誰にも見られたくないのに。それでも、ポタリとゆっくり雫が頬を伝う。すると遠くから複数人の声が聴こえてきた。

(あぁ…もう帰る時間帯か)

涙を流してる自分を見られたくなくて、顔を下に向けた。生徒会長という立場でありながら、顔を下に向けてる私を見れば、他の生徒が違和感を感じるのは無理もない。でも泣き顔なんて見られたくもないのだ。このまま、校庭で立ち止まるわけにもいかない。生徒会室へ戻ろうと思った瞬間、こちら側に走ってくる様に足音が石床を叩くようにカツンカツンと、リズム良く鳴る。こういう場合は、教室に忘れ物でもしたから急いで走っているのだろうと分かる。有馬と阿古哉はまだ生徒会室に残っているのだろうか。ふと、下を見れば人影が映り込んでいた。

「っ…はぁ……錦ちゃん…?」
「ーーーー…………っ!」

突然、私の名を特別なあだ名で呼ぶその親しみな暖かい声にドキリとしてしまい、数秒間固まって言葉が出なかった。先程リズム良く鳴ってた足音の正体は彼だったのか。でも何故彼が現れた?けれど今はそんなことを考えなくていい。彼が、熱っちゃんが、すぐそこにいるのならば、振り向かずにはいられなかった。流した涙の跡が少し残っているに違いないが、熱っちゃんの前では構わなかった。

「…っ!!錦ちゃん、泣いてた?」
「あ、いやっこれは……っ!!」

涙の跡が消えてると信じたかったが、まだくっきり残ってるらしい。熱っちゃんの手が私の頬に添えられる。

(ーーーー………えっ)

まさか添えられるとは思ってもいなくて、驚きで目を見開く。

「目も少し真っ赤だし、鼻声になってる。大丈夫?錦ちゃん」

さらに、ムニムニと弄るように摘まれる。間違いなく私の顔は林檎のように分かりやすく真っ赤になっていると思う。大好きな彼にこうされるなんて、ご褒美以外何物でもない…と言いたい所だが。

「あっ…!熱っちゃん!!今までどこに行ってたんだ!?防衛部室に居なかったが…」
「あっ…その、ちょっと…色々とあってね」
「色々、とは?」

私の目を真っ直ぐに見ていた熱っちゃんは目線を下に泳がせた。余計な事を聞いてしまったと思うが、熱っちゃんが心配だから何かあったのなら聞いて、知って、力になりたいのだ。

「…熱っちゃん」

彼の目を真っ直ぐ問い詰めるように見つめる。こんなに戸惑う熱っちゃんを見るのは初めてかもしれない。

「…さっき、怪人が現れてね。その怪人…少し変わっててさ」

少し首を傾げてニコリと笑う彼。

(…怪人だと?またズンダー様やヒレアシが関わっているのか?)

数日前に良質の番組を制作すると言っていたのに。熱っちゃんの手首に嵌められているブレスレットに視線を映す。

「まだ、変身できるのか?」
「うん、一応ね。きっと怪人は残り者だったのかも」
「……君が無事で良かった」
「ありがとう、錦ちゃん。錦ちゃんは本当に優しいね」
「〜〜〜〜〜……あ…う……っ!!!!」

ああ、もう彼の笑顔や直球に褒めてくれる部分にすごく弱くなるのだ。心臓が波打つように動く。彼の笑顔は華やかで眩しくて夢中にさせてくれる。君の全部が欲しいと言ったら、君は許してくれるのだろうか?

「そ、そういえば、他の奴らは?いつも一緒に居るだろう」
「あぁ、さっきまであそこに居たんだけどね。先に帰っちゃったかも」
「…ふぅん」

キョロキョロと見渡す。確かに奴らは居ない。熱っちゃんの言う通り先に帰ったのだろう。校庭には、私と熱っちゃんの2人しか居ない。その事実に喜びの鐘が鳴る。

(機会が舞い降りてきた…っ!!)

私は決意するように拳に力を入れた。彼の前に立っているが、彼の背後へ回るように移動する。熱っちゃんが今にもゆっくり振り向こうとする。その瞬間を逃さず後ろから抱き締めた。シャンプーの香りがするその綺麗な髪や跳ねてる所がますます愛おしい。

「えっ……き、錦…ちゃん……っ!?」
「…今日、私の家には誰も居ない。だから、熱っちゃん来てくれ」

そう耳元で囁けば、熱っちゃんの頬や耳朶が赤みを帯びていた。想像以上にそれはもう可愛くてクスリ、と密かに笑った。控えめに来てほしい、なんて言えなかった。来てほしいという曖昧な言い方では彼は来ないのかと思ってしまう。だから強引に来てくれ、と言った。彼の都合など聞けばまた今度になってしまう。それは嫌だ。何日も会えてなかったのに、また離れ離れになるなんて決して許されない。そういう意味で言ったから、ちゃんと彼に伝わったであろう。そう確信できるのは、彼は頭がいいのだから。

「…錦ちゃんてば、いつの間にこういう事を…」
「それは、熱っちゃんの想像に任せる」

真っ赤な表情になりながら自身の耳朶を片手で抑える熱っちゃんを見て、貴重な場面だと思う。彼の手首を掴んで、今度こそ逃さないと心に秘める。

「行くぞ」

人が居ない今の内に、彼を連れ去るように走る。「絶好の機会だ」と嬉しさのあまりに口角を上げた。










***










草津家に来たのは何年振りだろう。庭へ足を踏み入れたときは、草木の匂いや幼少期に訪れた懐かしい風景が蘇った。数年も錦ちゃんの家に遊びに来ていなかったのに、匂いやはっきりとした記憶は意外と覚えているものだなんて。それがとても嬉しくて、身震いをしてしまう。確か、あそこの部屋で錦ちゃんとお菓子食べてたんだっけ。錦ちゃんは覚えているのかな。そう懐かしさに浸っていると両手首に力が込められて、意識が現実へと引き戻される。今、俺は錦ちゃんの部屋のベッドで押し倒されてて、自身の両手首を錦ちゃんの両手によって白いシーツに縫い止められて、動かせない状態だ。

「何を…考えていた?」

錦ちゃんの顔がだんだん近付いてきて、俺の唇をペロリと舐め上げた。錦ちゃんの舌の滑りが擽ったくて「んっ」と小さく漏らした。

「それは…錦ちゃんのお家の匂い、懐かしいなあと思って…っんぅ」

チュッチュッ、と錦ちゃんが俺の唇を貪るように唇が重なる。音が鳴る度に耳まで刺激されてるようで、耐えるように歯を食い縛る。すると、錦ちゃんは重ねていた俺の唇から離れて、その艶かしい唇は俺の耳元へ向かおうとする。耳を刺激されたらと思うと、これ以上変になりそうで怖くなった。止めようと、もがくが錦ちゃんがそれを許さずグッと力を込めた。

(…っ…錦ちゃん……!)

ここで思い知らされる。幼少期に大人しめで笑顔で俺に付いてくるようで、可愛いと思ってた子が。そして今は凛としたような美しさと威厳を持つように成長して、俺はそんな錦ちゃんに圧倒されてるんだ。さっき、錦ちゃんが俺の目を真剣に見ながら言った言葉が脳内に過る。

『ーーーー熱っちゃん……今すぐにでも、君が欲しい』

カァッと体の奥が燃え上がるような熱を感じ始めた。そう言うなら、俺は今すぐにでも、錦ちゃんに俺の全部をあげるよ。俺も、錦ちゃんの全部が欲しいな。錦ちゃんが俺の耳に息を吹きかけて、丁寧に周りを舐め始めた。

「あ…っ…んん……嘘……!耳……っ…変に、なる、から……!」
「……熱っちゃんは、ここが弱いのだな」
「や……っ、も、耳元で…っ…喋っちゃ……ぁっ」

耳を刺激されて、こんなにも気持ち良く感じるなんて。錦ちゃんの舌が好き勝手に動かされる。これじゃあ耳が犯されてるみたいで、股間に熱が集中し始める。

「…っあ!?き、錦、ちゃ………っ!!」

錦ちゃんの手がするり、と俺の制服に手を入れる。ツツツーとゆっくり這わせるその手の感触が厭らしくて、ビクリと体が反応する。その手が目指す所は。

「…こちらも、可愛がってあげよう」
「ーーーーあぁっ!」

急に胸のピンクの尖りを2つ同時に摘まれた。錦ちゃんは俺の耳を舐め回しながら、俺の両手首をシーツに縫い止めていたその両手は、胸の尖りを厭らしく弄ってる。そんな状況に頭が熱くなるくらい沸騰して、クラクラしてきた。

「…あ、錦…ちゃっ……!お、かしく…なっちゃう……っ……」

耳と胸の尖りを同時に弄られたらどうなるかなんて、自分が一番分かってるから。けれど、ふと…嫌な事を考えちゃう。今までの可愛らしさを感じさせる錦ちゃんの面影は薄くなっていくのかな、と思うと寂しくなってしまう。

(錦ちゃん、どうしてこんなに上手なの?もしかして、俺よりも誰かを先に抱いた?もし、そうなら………嫌だな)

錦ちゃんのやり方は予想外に上手で気持ちいい。だからこそ、怖いんだ。その繊細な手で誰かを抱いてしまったのかな、と考えてしまう。錦ちゃんからは、戸惑う様子も感じられなくて、むしろ余裕と思える表情と自然な動きだ。そんな錦ちゃんを見るのは初めてかもしれない。錦ちゃんは、モテるだろうし。そんな事を考えたくもないのに、不安が勝って胸がチクリと痛む。

(せっかく錦ちゃんと仲直りして、こうして会えてるのに…っ…何で)

目に涙が溜まっている事に気付く。視界が涙の海の状態になってて、目の前が見にくい状態になってる。泣きたくないのに。それでも止まらなくて、とうとう溢れて耐えきれずポロリと頬を伝う。そして、こんな顔を見せたくないのに錦ちゃんと目が合ってしまった。

「……っ!?泣いているのか、熱っちゃん?えっと、やっぱり嫌だった……!?ああ…その、やりすぎてしまったか……?」

錦ちゃんが眉を寄せて焦り始めて、俺の手を握った。俺を包んでくれるような暖かい手なのに、もし誰かを抱いた事があるなら。これ以上考えちゃ駄目なのに、と悔しさに唇を噛み締めた。

「錦ちゃん、ごめん。こんな時に、可笑しな質問するんだけど………」
「質問?」

「うん」とコクリと首を縦に振った。真実を知るのは怖いけど、錦ちゃんの目を見つめて聞いてみる。

「…錦ちゃんは、俺の他に…誰かを抱いた事あるの?」

『え…っ?』と錦ちゃんが驚いたように目を見開いて、か細い声を漏らした。そんな質問をされたら、誰だって吃驚するよね。しかも行為中なのに。

「大好きな錦ちゃんに触られて、恍惚うっとりするくらい気持ちいいよ。でも、慣れてるなあって思って……不安になっちゃった」

心が押し潰されるような苦しみが嫌で、上から見下ろす錦ちゃんの背中に両手を回して、くっつきたくて引き寄せるように、抱き付いた。錦ちゃんは無反応で、まだ何も言葉を発してくれない。せっかく錦ちゃんが雰囲気を作ってくれたのに、それを俺が錦ちゃんの気分を下げるような事を言ってしまった。錦ちゃんを怒らせてしまったかもしれない。でも、真実を知りたい。数分間、沈黙が続く中で錦ちゃんは沈黙を破った。

「した、のだ……………」
「………した?」
「べ、勉強したのだ……っ!熱っちゃんを気持ち良くさせたくて!!」

錦ちゃんはガバッと勢い良く起き上がって、そう言った。俺を見つめるその顔は眉を寄せて赤らめていた。そして、少し震えてる。

「…っ、熱っちゃんを抱くのに…っ…下手だったら格好悪いだろう。だから、失敗しないようにインターネットの情報を頼りに…調べたのだ。それで…熱っちゃんを気持ち良く出来るのか、ちゃんと満足させる事が出来るのか、と心配だったが」

錦ちゃんは俯いてる。それと同時に肩は、息するように揺らしていた。俺はただそんな錦ちゃんを見つめる事しか出来なかった。

「だが、さっきの蕩けてるような熱っちゃんを見て…確信できた。こんな私でも、熱っちゃんを虜に出来るのだと。そう、自信を持てるようになった…」
「…錦、ちゃん……っ」

錦ちゃんが俺の頭に手を置いて、優しく撫で始めた。数回繰り返して優しく撫でてくれる、その暖かい手が、ちゃんと俺は錦ちゃんのものなんだ、と嬉しくて涙が出てきて、泣いた。

「ーーーーっ…ぅ…っ…ぐ…!!」
「さっきも言ったが…相手が熱っちゃんだから、私はこうなるのだよ」
「じゃっ…じゃあ、錦、ちゃんは」
「ああ、これまで他の奴らなんて抱いた事がない。抱くのは初めてで、そして最初の相手が熱っちゃんだよ」
「……っ!!錦ちゃん!!」
「私にとって、熱っちゃんは大事な幼馴染で…初恋の人だから」

錦ちゃんが照れるようにニコリと笑う。俺は嬉しくて錦ちゃんに抱き付いた。錦ちゃんも俺の背中に両手を回して、抱き締め返してくれる。

「困らせちゃって、ごめんね…錦ちゃん」
「問題ない。あ、熱っちゃんの気持ちを聞けたから…っ…」
「…でも、錦ちゃん1人で勉強しなくてもいいのに……俺も一緒に錦ちゃんと勉強したかったな」
「え!?あ、それは…っ…は、恥ずかしくなるから……駄目だっ」
「わっ!錦ちゃん!?」

錦ちゃんの両手が俺の制服のボタンに触れて、プチ…プチと外し始める。錦ちゃんの目がギラギラしてるのを見て、一歩遅かったかなと唇を結んだ。

(あっ…やばい、かな……?)

「ふっ…もう喋れるなら大丈夫そうだな。熱っちゃん…?」
「き、錦ちゃん!待っあぁっ!!」

錦ちゃんは俺の胸のピンク色の飾りに吸い付いた。チュウ、とわざと音を立てられる。錦ちゃんにその音を無理やり聴かされてるようで、また蕩けてしまう。

「……ぁ、……っ……ん……………あぁ……………っ」

股間に熱が取り戻される。さらに舌先で突くようにじっくり舐め回されて、甘噛みされる。

「んぁ…っ!や……ぁ、錦ちゃ……っ………そ、れ………っ!」
「…ん、見て…熱っちゃん。ここ…立ってる」

そう指摘されて、自分の顔がだんだん熱くなるのを感じた。恥ずかしくて、顔を背ける。それでも弄るのを止めてくれない錦ちゃん。

「ひ、ぁ……っ……ん………………」
「…はぁ、こちらも…苦しいのではないか?」
「…っえ……?」

両肘を使って、立たせて起き上がろうとしたら、錦ちゃんと目が合う。錦ちゃんは目を細めて、悪い笑みを浮かべてズボンの上から股間を撫でた。

「やぁ…っ……だ、んぅ…………!!」
「…っ熱っちゃんの…………!」

今度はズボンに手をかけられ、下着も脱がされた。下がスースーして変な感じ。今まで錦ちゃんに与えられた刺激によって、解放された陰茎は天を目指すように勃ってた。恥ずかしくて隠そうと腕を伸ばせば、錦ちゃんに手首を掴まれた。

「…熱っちゃん、やりたいのか?」

(……やりたい?どういう意味だろう)

固まってると、錦ちゃんは俺の手首を掴んだまま俺自身の股間へ誘導するように動かした。突然、陰茎に刺激が走った。

「ーーーーっんんっ…………!」
「股間に手を伸ばそうとしてたのだろう?ならば、熱っちゃん1人で動かす所を…私は見たいな」
「ち、違うよっ!はっ…恥ずかしいから…っ…隠そうとしただけで……」
「ふぅん…………」

錦ちゃんはニヤリ、と口角を上げながら俺の陰茎に俺自身の手で擦り上げるように、錦ちゃんの手が動き始めた。錦ちゃんの暖かい手が、俺の手の上に覆い被さって同時に動かす事になるなんて。

「あぁっ…!待っ、て……き、ん…ちゃ……っ……ゃ……あ………っ!」
「…ほら、1人でやるんだ」

突然、俺の手の上に覆い被さってた錦ちゃんの暖かい手が離れた。それを名残惜しく感じる。動かす手を止めたいのに、与えられてる快楽が勝って止まらない。ここから自慰行為が始まった。

「…っふ、あぁ……あっ……んん………や、……んぅ……っ……!!」
「凄い…っ…熱っちゃん、すごくエロい顔をしてる……!」
「や、だぁ……っ!見、ない…っ……で……は、ん…………っ!」
「……っく、これはさすがに…っ…私も…!」
「き…錦、ちゃん……も……っ、触って…っ……!!錦ちゃん、じゃ、……なきゃ、い、や…っ…だよ……っ!」
「………っ!!熱っちゃん!」

今度は錦ちゃんが俺の陰茎を触り始めて、動かす。俺の両手は、抜いていた陰茎からシーツへ移動して、続く快楽に耐えるように、ぎゅっと掴んだ。

「ふ、ぁあ…っ…!!や…っ、イく……っ!」
「…っ!熱っちゃんのイく顔…っ…見せてくれ」
「ーーーーーっあああぁ……………!!」

疲弊感を一気に味わう。はぁ…はぁ、と肩を揺らして、錦ちゃんを見つめる。錦ちゃんの視線はというと、錦ちゃん自身の手を見つめていた。何かあったのかな、と蕩けている思考の中で思う。閉じかかっている目で数秒間、その様子を見てたら、錦ちゃんは自身の手の指に舌を出して舐め上げた。錦ちゃんの視線が俺の目と合う。

「熱っちゃんの……っ……美味しい」

俺の…?薄れていく意識の中で、錦ちゃんはまたそれを舐め上げる。よく見れば、俺がイったときに出した白濁液だ。感想を言われるとは思ってもみなくて、戸惑う。けれど、まるで錦ちゃんが子犬みたいに舐めるから、それに夢中で目が離せなくて、つい口を開く。

「……錦ちゃん………可愛い」
「……っ……!あ、ありがとう」

こうやって褒めると、素直に受け取ってくれる錦ちゃんはものすごく可愛い。そんな錦ちゃんを甘やかしたくなるし、頼み事を言われたら、全部言う事を聞いてしまいそう。俺は息を整えるように深呼吸する。イッたばかりで、眠気が来てそのまま眠ろうとするけど、膝に錦ちゃんの両手が置かれたと思ったら、ガバッと股を開かせられた。

「……っ!?き、ききき錦ちゃん!!何するの……っ!!!」

今ので眠気が吹っ飛んだ。まじまじと錦ちゃんに見られてて、恥ずかしくなって顔を両手で覆い隠した。でも、これから錦ちゃんは何をするんだろう…と気にもなるからドキドキしながら手を退けて見張る。気が付いたときには、錦ちゃんは。

「…あぁ…っ!熱っちゃんのここ、淫乱でヒクヒクしてる……っ……!!」

錦ちゃんは頬を真っ赤に染め上げて、はぁはぁと息を漏らしながら、舌舐めずりをした。ちょっと待ってほしい。だって今にも錦ちゃんが顔を近付けてる所は。ピチャリ、と音が鳴った。それと同時に、電気が走ったように体が反応した。

「ーーーーぁああっ…嘘…っ…!?だってそこ……は、錦ちゃんぅ……っ……!!」

錦ちゃんが俺の後蕾に顔を埋めて、舌先で突くように舐める。錦ちゃんは吸い付くようにジュル、と音を立たせた。聴かされると、頭が羞恥でいっぱいになる。

「…ぁっ!やだぁ……っは……音、やめ、てぇ………ひゃぁぁっ………!」
「…ほう?でも、ここの…熱っちゃんの厭らしい穴に、私の舌が引っ張られるのだが」
「は、ぅ……っん!やっ……言わ、ない……っ…で……錦ちゃっ………!」
「…その顔、そそる……っ!」

ああ、駄目だ。錦ちゃんがすごく積極的で、一段とかっこよくて心が奪われる。恥ずかしくて、止めてほしいのに…もっとされたいと望んでしまう自分がいる。こんな時でも錦ちゃんは、美人で絵になるなんて狡いくらい、魅了される。こんな美人な子が、俺を慈しんで、鋭い目つきで俺を射抜くように見つめる幼馴染に、惚れ直してしまう。

「…はぁ…っ…熱っちゃん、そろそろ挿入れるから……」

錦ちゃんは後蕾から口を離した。そして俺の後蕾を錦ちゃんの指で広げられる。

「…っ!まだまだ物欲しそうだな……っ!」

まじまじと後蕾を指で広げて見つめながら楽しそうな笑みを浮かべる錦ちゃんの姿に、ますます俺が押されてて恥ずかしくなって逃げ出したいという気持ちに駆られる。今度は錦ちゃんは膝立ちして、自身の着ている生徒会の白い制服に触れてボタンをプチ、プチと外して素早く脱ぐ。次に腰のベルトに手をかけてカチャリ、と外してズボンを下ろす。その全ての動作が綺麗で見惚れる。俺の視線に気付いた錦ちゃんが、フッと優しく微笑む。

「…何か可笑しい所でも?」
「ううん、錦ちゃんは…何してても目が離せないくらい、美しいよね」
「…っ、熱っちゃんは優しすぎるぞ」

そう言いながら寝転んでる俺の上に乗り始める錦ちゃん。だんだん顔が近付いてくる。キスされるのかな、と思ったすぐに錦ちゃんが口を開く。

「…眼鏡姿もいいが…外してるときの熱っちゃんは、すごく可憐だ」
「…えっ」

そう言われたのは予想外で、吃驚する。

(……可憐という言葉が相応しいのは、錦ちゃんだと思うなー)

「…ふ…っ…もう限界だ」

そう言った錦ちゃんは、いつの間にか下着は脱いであって、陰茎が晒されていた。

(錦ちゃんも…っ…勃ってる)

俺で勃ってくれた、と考えたら錦ちゃんに対する愛おしさがさらに増した。錦ちゃんは自身の陰茎を掴んで、俺の後蕾へと宛てがう。

「………熱っちゃん」
「ーーーーーーーーーっん!!!」

圧迫感を感じる。錦ちゃんの両手が、俺の両手と重なるように握る。

「…熱っちゃん、キスしよう」

コクリ、とゆっくり頷けば錦ちゃんの唇が俺の唇に重なる。重なった所で錦ちゃんがゆっくり腰を前後へ動かす。圧迫感を感じて酸素を求めようと口を開けたら錦ちゃんの舌がニュルリ、と入ってきた。キスされて、錦ちゃんの生温かい舌が俺の口内を犯して、下のほうも錦ちゃんの陰茎で溶かされると思えば体が熱くなる。

「…ふ、……ぁ………んん……っ…………んっ………は、ん…………」
「熱っちゃん…っ…これなら、どうだ?」
「っ…あぁあーーーっ!!!」

急に快感の波が押し寄せてきた。何が起こったのか、と視線を下に見れば錦ちゃんの手が俺の陰茎を掴んでゆるりと動かす。さらに指のお腹であちこちグニグニ、と押される。

「っあ、あっ……ぁ……ぁあっ……ん、き、気持ちい……っい!気持ちいぃ…っ……よぉ!」
「…っは、ならば…っ…もっと、欲しがるがいい……!」

さらに錦ちゃんは挿入が深まる体勢にさせる。次々与えられる快楽によって閉じかかってる目で再び錦ちゃんと目が合う。錦ちゃんは、余裕がない表情で眉を寄せてて顔が真っ赤だ。そんな姿を見てときめきを感じずにはいられない。さっきよりも、錦ちゃんの体と密着するようになった形でパン、パンと突かれる。

「やっあっあぁっあん…奥っ…までっ…来てる…よぉっ…あっ…駄目っ…あぁ…んっ……きっ錦ちゃぁ……んっ…やぁっ…奥、ごりごりしちゃ駄目ぇっ……!!!」
「っああ…熱っちゃん…っ…何て可愛すぎるんだ……!!」
「ああー……っ…はっ、や、気持ちいいのぉお…っ…止ま、らなぁっ……い……!んぅ、こ、怖い……っ…!!」
「っは、止まれるわけ、ない…だろう?快楽に溺れ…っ…淫らに乱れる君を見れば…っ…私は!」

突然、錦ちゃんのピストン運動が早まる。その所為でベッドがギシギシと鳴る。錦ちゃんの陰茎がさらに奥を目指すように、強く刺激してくる。さっき錦ちゃんが俺の後蕾を舐めてくれたから充分に解れてる。

「ふぁぁあっ!!あっあぁ…う…っぐ、ふ、はぁ…あぁーっ……!激しっ奥ぅ……!あっふ、い、やぁっ!」
「…聴こえる?…熱っちゃんの…っ…厭らしい穴から音が……っ!」
「あぁあああっ!?あっ…ん、熱い…っ…奥ぅ………あっ、熱いぃ……っ……錦、ちゃぁ……っ……錦ちゃん………!!!」

錦ちゃんの陰茎で後蕾の奥がジンジン熱くなってきた。さらに俺も意識飛ぶくらい快楽を叩き込まれて、頭が沸騰する勢いで蕩けてて、錦ちゃんの与えられる快感を貪る。

「…はぁ、は……っ…熱っちゃん、中に…っ…出すよ……!」
「んぁああっ……錦ちゃ……っ……錦ちゃん、来てぇ……っ!錦ちゃん…っ…の、欲し、いぃ……っ!!」
「っあ、熱っちゃん……っ…愛してる…っ!!  っ…沢山…注ぎ込んであげる……っ!!」
「はぁっ、お、俺も……っ錦、ちゃ…っ……愛してる……!!あっあぁ…っ…イ、イッイッちゃ……っ……ーーーーーーーっあぁあ………!!!!」
「ーーーーーーっ………く………!」

錦ちゃんが、全部俺の中にゆっくり白濁液を注ぐように、腰を動かす。そして俺の前に倒れて来る。俺と錦ちゃんの肌の体温が心地良くて目を閉じる。錦ちゃんの息が耳元に当たって擽ったい。

「…はぁ、熱っちゃん……その、大丈夫か?無理をさせてしまった……すまない」
「…っ…気にしないで、俺は平気だよ。錦ちゃんこそ…大丈夫?」

俺よりも、今日錦ちゃんがたくさん動きすぎて体について心配になった。錦ちゃんは体育会系じゃなくて文系理系寄りだから。肩を揺らし酸素を求めるように深呼吸する錦ちゃんの頭を優しく撫でる。それが嬉しいのか、錦ちゃんは俺の頬に手を添えて優しく擦る。

「…ああ、私は大丈夫だ…ありがとう、熱っちゃん」
「…何だか今日の錦ちゃん…積極的で、強引でかっこよかったな」
「そ、そうか…っ?熱っちゃんが可愛すぎて、つい……み、乱れる熱っちゃんすごく可愛かった……それが、見られて私は嬉しいよ」
「あはは、錦ちゃん照れてるんだ」
「だっだって……………!!!」

俺を抱く前と抱くときの錦ちゃんのギャップを思い出す。それが面白くて、クスリと笑う。そしてさらに惚れ直してときめいた。これ以上錦ちゃんを求めてしまう我儘な俺が存在してる事に。そう考えてたら、俺の胸に錦ちゃんの手が置かれた。

「熱っちゃん……すごくドキドキしてる」
「ふふ、そういう錦ちゃんもでしょ」

俺も錦ちゃんの胸に手を置いて確認する。その鼓動に期待しちゃうな。それはまるで、俺と同じようにときめいてるのかと。

「…錦ちゃん、その……しばらくこうしててもいい?」
「っ…!も、もちろんだ。あの…熱っちゃんが、良ければだが……泊まっていくか?」
「いいの…?錦ちゃんの家にお泊まりするのは何年振りかなあ」
「熱っちゃんを疲弊させてしまったから……私の部屋でゆっくり休んでほしい」
「ふふ、錦ちゃんのお言葉に甘えて…そうするね」

そうして、錦ちゃんとたくさんお喋りをする。これからも錦ちゃんに心を奪われるばかりの日常を送ると想像したら、胸が弾け飛ぶように心が躍った。錦ちゃんにいつでも攫われたい、捕まえられたいと望んでしまう。愛おしい錦ちゃんの隣にずっといられますように。そう願って、錦ちゃんと抱き締め合いながら俺達は眠りについた。
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君の熱こそ私の原動力

キーワードタグ 美男高校地球防衛部LOVE!  幼馴染  草熱  錦熱  草津錦史郎×鬼怒川熱史  草津錦史郎  鬼怒川熱史  R18 
作品の説明 こんにちは。防衛部2期、楽しませて視聴させて頂いております。防衛部1期から草熱が好きすぎて、当時のリアタイでも胸が苦しくなる勢いで草熱の関係性はグッと引き込まれますね…っ!!さらに2期の草津様と熱史くんの絡みは大変素晴らしかったです。草熱が再び上昇しました!!草熱を妄想して泣く日々です。

君の熱こそ私の原動力
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はぁ、はぁ…と荒い息遣いが部屋に響き渡る。私の息と彼の息が混ざってると思えば、酷く興奮して身体中の熱が悲鳴を上げるように、顔や手が一気に熱くなる。この状況で熱くならないとしたら、それは可笑しな話だ。私が何十年も大事に想い続けていたと同時に、彼が別の男と一緒に居たときは憎しみと嫉妬を覚えて怒りに任せて彼を傷付けた。だが、そんな憎しみと嫉妬を抱え複雑に絡んでいた話は、もう終わったのだ。今、私の目の前で愛おしい幼馴染がトロンとした目で私を見ている。そう、彼が私の大事な幼馴染…鬼怒川熱史だ。

「…っ…熱っちゃん………!」

眼鏡のフレーム越しの綺麗な瞳と、酸素を求めるように薄く開いた唇に我慢出来ず、熱っちゃんの両手に自身の両手を重ねて強く握る。熱っちゃんを壁に追い込むように後退りさせ、逃がさないように私の体を密着させて押し付ける。早く欲しくて熱っちゃんの顔にだんだん近付こうとすれば、

「き、錦ちゃん!!」

急に声を上げた熱っちゃんにハッとなり、ピタリと踏み止まる。何かと思えば、熱っちゃんは顔を逸らして目を固く瞑っている。熱っちゃんの横顔は綺麗に整えられてて、私は見惚れてしまう。まじまじと見れば、瞼が震えてるのが分かる。

「…っあ……すまない。怖がらせてしまっただろうか」
「あ、いや…そうじゃなくて!あの……錦ちゃん、照れ屋なほうだと思ってたから……ギャップに驚いちゃったかな……?」

ゆっくりこちらを見るようにそう言いながら、熱っちゃんは顔を向けてきた。頬が赤く染められてて、面白くて笑いが込み上げそうになった。

(熱っちゃん、顔真っ赤……可愛いな)

「ふっ、積極的……か。それは、相手が熱っちゃんだから……私でも、こうなるよ」

今度はさっきよりも顔をさらに近付けて、あともう少しで唇が触れ合える距離になる。熱っちゃんの反応を見るのも、こちらとしてはスリルを感じる。

「錦…ちゃ……っ………」
「熱っちゃん……今すぐにでも、君が欲しい」

これ以上、熱っちゃんの言葉を聞かないように唇を重ねて塞いだ。もうさっきから欲してる。いや、何十年も鬼怒川熱史という存在を欲してる。彼に対して憎しみや嫉妬感を抱いてきたが、嫌いにならなかった。嫌いになれなかった。だってあの頃から、夢中にさせてくれる君の事を嫌いになれるはずがないじゃないか。ただ、君は人の心を翻弄する悪魔のようで、私の胸は苦しいよ。弄ぶのなら、私だけにするんだ。
























「ふぅ…………………」

(熱っちゃんと一緒に登校したかった)

そんな願望を望めば、溜息を漏らさずにはいられない。生徒会室の窓からの景色を眺める。どうやら時間が合わず熱っちゃんに会えなかった。彼がいつも家を何時に出るのかも知らない。彼との会話、彼の輝く笑顔を朝一番に見られたらどんなに幸せで1日が乗り切れるのか。毎日熱っちゃんに会いたいのは、今まで彼との距離の溝が深くなってしまった分、仲直りした分こうして返ってきてるのだ。

(この前会ったのはいつだ?)

仲直りしたのは数日前。仲直りしたというのに、今まで離れてた分を取り戻すように話したい事がたくさんあるのに会えないのは何故だろうか。彼をだんだん想うほど焦れったい気持ちが勝り、端のほうの扉をチラリと流し目で見る。その扉を開ければ、熱っちゃんが活動してる防衛部の部室がある。体を動かしその扉に近付こうとした瞬間、影が現れる。

「錦史郎、さっき先生に会ったんだけどねぇ…これ、錦史郎に渡すように言われて……って、どうかしたの?」

後ろから声をかけられ反射的に振り返る。有馬が横に並ぶ様に移動しこちらを見てきた。

「…っああ、ちょっとな…」
「ちょっと?もしかして鬼怒川の事?」
「………………………」

有馬の問いに声を発さず答えはしなかったが、図星でコクリと頷いた。今の私の行動は、有馬にはお見通しのようだ。

「その扉の前に立ってるという事は、これから鬼怒川に会いに行くところだった?」
「なっ、聴こえてしまうだろう…っ!」

「熱っちゃんに…!!」と今喋る声の音量を小さめにして話す。熱っちゃんに聴こえてしまったらと、想像すれば顔が熱くなるのを感じた。

「ごめんごめん、つい」

有馬も合わせるように声量を下げるように話すが、明らかに笑いを堪えるその有馬の姿に「笑い事ではない!」と内心そう思いながら有馬にギロリと睨み付けた。

「でも、彼らは今居ないんじゃない?こんなにすぐ隣なら、普通は声とか聴こえてくるんだと思うんだけどね」
「…言われてみれば、そうだな」

意識してみれば、確かに彼らの声が聴こえてこない。箱根有基という元気な1年生の声が一番目立つというのに、それが今、とても静かだ。

「きっと、どこか歩き回ったりしてたりね。鬼怒川を探しに行く?」

そう言われ、彼らが歩き回るのも納得がいく。外でもフラついているのだろうか。それより、先ほど有馬が話した内容を思い出し、ゆっくり名残惜しそうに防衛部の扉から離れる。

「…いや、新たに頼まれ事が出来てしまったのならそちらを優先するしかない。有馬、書類を」

いつも通り取り掛かろうと椅子に座る。そして早く熱っちゃんに会いに行く為に全ての生徒会の業務を終わらせよう。だが、有馬がそこから一歩も動こうとせず大人しくこちらを見ているだけ佇んでいた。

「…?有馬、書類をこちらに」
「うーん…やっぱり…錦史郎、書類は僕と阿古哉がやるから、鬼怒川を捕まえたらどうだい?」

有馬の予想外ないきなりの提案に驚いてガタッと思わず椅子から立ち上がってしまった。

「なっ、何を言っている有馬…っ!!!捕まえるとは……!!!」

(熱っちゃんを!?)

熱っちゃんを捕まえるという響きに対し如何わしい事を想像してしまった自分は何という愚かなのか。そして有馬が変な言葉を口にするものだから驚いたのだ。

「この頃、鬼怒川と会ってないんでしょ?じゃあ尚更、捕まえないと…幼馴染の彼を」

意味深を表すかのように微笑む有馬。

「…一体何を企んでいる?」
「いや、何も企んでないよ。ただ、そんな風に暗い顔してばかりじゃ…僕や後で戻ってくる阿古哉も、錦史郎の暗い顔を見れば…他の事に集中出来ないよ」

そう言われ周りを見渡せば、阿古哉の姿が先程から見かけていない。一体どこをほっつき歩いているというのだ。だが、そんなに業務は忙しい程ではなく、まだ落ち着いてるほうだ。

「ところで、その『捕まえる』という言い方はやめてくれないか」

(調子が狂う!)

落ち着かせようと、テーブルの上に置かれてるティーカップに手を伸ばす。有馬が淹れたであろうお茶が注がれていた。ハーブの匂いが鼻先に漂う。

「だって、錦史郎がしたい事なんじゃないの」

飲んでいるお茶を吹き出しそうになって頭が真っ白になった。いつも通りの有馬なのに、妙な言い回しをするのは何故だろう。

「…っ…いきなり何を言う!」
「錦史郎は鬼怒川の事になると、物欲しそうな顔をするから」
「…む、そ、そんなに顔に出てるのか?私は…上手く隠してると思っているが」
「残念ながら、隠せてないよ。錦史郎は本当に分かりやすいよねぇ」

やはり、熱っちゃんに会えてない日々が続いてるせいか顔にまで表れるとは。上手く隠しているつもりが、有馬に指摘されてはこれ以上何も言えない。確かに私の頭も心も全て、熱っちゃんで埋め尽くされている。

(どこへ行けば君に会えるのだ?熱っちゃん)

同じ校内に居ても、なかなか熱っちゃんに会えない日々が続けばお互い違う世界に住んでいるんじゃないかと勘違いをしてしまう。胸が締め付けられる毎日にいつ解放されるのか。それならば、一層のこと…有馬の提案に乗ってみようか。「試す価値はありそうだ」と内心思えば口元を笑んだ。

「ならば有馬…捕まえるとは、何を…具体的にどうすればいいというのだ」
「ああ、やる気出ましたか?」

有馬の目がパァッと輝く。有馬は手に持っている書類を置いて、こちらを再度見る。

「もちろん、そのままの意味だよ」
「…っ…そのまま?」

(熱っちゃんを…っ…捕まえる……!)

妄想すれば体の奥から熱がだんだん込み上げてきた。ハッとなって、また我を忘れる所だった。大事だと思ってる彼をそんな風な目で見て、そう思うなんて。ここは生徒会室…家では無いのだから。誤魔化すように咳払いをする。

「…しかし、上手くいくだろうか」
「どうしちゃったの…錦史郎らしくない。数ヶ月前のオーアイトを思い出して」
「…オーアイトか。今となっては、消し去りたい恥ずかしい話だ」
「でも、あの頃の錦史郎の行動力はギラギラしてて凄かったよ」

有馬なりの気遣いだろうか。そう言われても、昔の自分の良さを探そうにも何も言葉が出てこない。行動力がギラギラしてて凄いというのは、恐らく我を忘れたときだ。だから褒められても何も言えたものではない。自分はそう思わないと思っているからだ。

「さて、お話はここまでにして……1日はあっという間に終わるよ。行ってらっしゃい、錦史郎」

有馬にゆっくり肩を押される。そうして有馬は、テーブルに向かうよう移動し、上に置いてある書類を手に持って内容に目を通しながら椅子に座る。

「っ…有馬、すまない」

『俺から勧めたんだし。鬼怒川、見つかるといいね』という有馬の声が後ろから響く。廊下側にあるドアに向かうように早歩きする。ドアノブを掴もうとすれば、ドアが微かに動いた。

「っあ、草津会長…どうしてそんな所に立ってるんですか?」
「やっと戻ってきたのか、阿古哉。理由は聞きたいが……それじゃあ」

手で合図をして阿古哉に避けてもらい、生徒会室から出る。

「あれ、どこか行かれるんですか?」
「ああ、ちょっと野暮用だ」
「会長1人で平気ですか?それなら僕と有馬さんも…」
「心配無用だ。別に大した事無い」
「ならいいですけど」
「気遣い感謝する、阿古哉。ではまた後日」

そう告げてパタリとドアを閉める。廊下に誰も歩いてない事を確認して、頭をコツンとドアに預けるように凭れる。心臓がドキドキして、ゆっくり深呼吸して息を吐く。生徒会室から有馬と阿古哉の会話が聴こえてきた。

「ねぇ有馬さん。草津会長が1人でお出かけするのは珍しいと思いません?」
「そう?錦史郎だって、1人で出かけたい気分があるだろうし珍しくないんじゃない」
「うーん、この頃ずっと3人で行動してたからかな」
「そうかもね。それに、錦史郎を自由にさせないと」
「…?何を言ってるんですか。草津会長も僕達も自由じゃないですか、元々」
「そういう意味じゃないんだけどね」
「……僕が居ない間、何を話してたんですか?」
「あはは、秘密」
「えーっ教えてくださいよ!」

(廊下まで聴こえてるのだが…)

聴くつもりは無かったが、2人してそんな風に騒がれると、こちらとしては聴いていて恥ずかしくなる。今まで静かだった征服部の日常が、いつからこんなに賑やかになってたのか。そっと目を閉じるように頭に情景を描く。

(お前達が居てくれて本当に良かった。ありがとう)

さて、熱っちゃんはどこにいるのだろうか。生徒会室のドアを後にして、先の長い廊下へ歩み進めた。






















(そろそろ…見つかってもいい時間だろう)

あちこち探し回っても、熱っちゃんは見つからなかった。食堂も、図書館も、もちろん防衛部室にも訪れノックしてみたものの、声や音…それらの反応が返ってこなかった。 校庭に佇むのは私1人。見渡しても熱っちゃんはいない。そろそろ夕日が沈んで月が浮かぶ。ああ、またこうして熱っちゃんに会えない一日になっていくのか。彼に会えない悲しみと苦しさに胸が押し潰されそうで拳を握り締めた。そしてだんだん視界がぼやける。校庭で、こんな惨めな場面を誰にも見られたくないのに。それでも、ポタリとゆっくり雫が頬を伝う。すると遠くから複数人の声が聴こえてきた。

(あぁ…もう帰る時間帯か)

涙を流してる自分を見られたくなくて、顔を下に向けた。生徒会長という立場でありながら、顔を下に向けてる私を見れば、他の生徒が違和感を感じるのは無理もない。でも泣き顔なんて見られたくもないのだ。このまま、校庭で立ち止まるわけにもいかない。生徒会室へ戻ろうと思った瞬間、こちら側に走ってくる様に足音が石床を叩くようにカツンカツンと、リズム良く鳴る。こういう場合は、教室に忘れ物でもしたから急いで走っているのだろうと分かる。有馬と阿古哉はまだ生徒会室に残っているのだろうか。ふと、下を見れば人影が映り込んでいた。

「っ…はぁ……錦ちゃん…?」
「ーーーー…………っ!」

突然、私の名を特別なあだ名で呼ぶその親しみな暖かい声にドキリとしてしまい、数秒間固まって言葉が出なかった。先程リズム良く鳴ってた足音の正体は彼だったのか。でも何故彼が現れた?けれど今はそんなことを考えなくていい。彼が、熱っちゃんが、すぐそこにいるのならば、振り向かずにはいられなかった。流した涙の跡が少し残っているに違いないが、熱っちゃんの前では構わなかった。

「…っ!!錦ちゃん、泣いてた?」
「あ、いやっこれは……っ!!」

涙の跡が消えてると信じたかったが、まだくっきり残ってるらしい。熱っちゃんの手が私の頬に添えられる。

(ーーーー………えっ)

まさか添えられるとは思ってもいなくて、驚きで目を見開く。

「目も少し真っ赤だし、鼻声になってる。大丈夫?錦ちゃん」

さらに、ムニムニと弄るように摘まれる。間違いなく私の顔は林檎のように分かりやすく真っ赤になっていると思う。大好きな彼にこうされるなんて、ご褒美以外何物でもない…と言いたい所だが。

「あっ…!熱っちゃん!!今までどこに行ってたんだ!?防衛部室に居なかったが…」
「あっ…その、ちょっと…色々とあってね」
「色々、とは?」

私の目を真っ直ぐに見ていた熱っちゃんは目線を下に泳がせた。余計な事を聞いてしまったと思うが、熱っちゃんが心配だから何かあったのなら聞いて、知って、力になりたいのだ。

「…熱っちゃん」

彼の目を真っ直ぐ問い詰めるように見つめる。こんなに戸惑う熱っちゃんを見るのは初めてかもしれない。

「…さっき、怪人が現れてね。その怪人…少し変わっててさ」

少し首を傾げてニコリと笑う彼。

(…怪人だと?またズンダー様やヒレアシが関わっているのか?)

数日前に良質の番組を制作すると言っていたのに。熱っちゃんの手首に嵌められているブレスレットに視線を映す。

「まだ、変身できるのか?」
「うん、一応ね。きっと怪人は残り者だったのかも」
「……君が無事で良かった」
「ありがとう、錦ちゃん。錦ちゃんは本当に優しいね」
「〜〜〜〜〜……あ…う……っ!!!!」

ああ、もう彼の笑顔や直球に褒めてくれる部分にすごく弱くなるのだ。心臓が波打つように動く。彼の笑顔は華やかで眩しくて夢中にさせてくれる。君の全部が欲しいと言ったら、君は許してくれるのだろうか?

「そ、そういえば、他の奴らは?いつも一緒に居るだろう」
「あぁ、さっきまであそこに居たんだけどね。先に帰っちゃったかも」
「…ふぅん」

キョロキョロと見渡す。確かに奴らは居ない。熱っちゃんの言う通り先に帰ったのだろう。校庭には、私と熱っちゃんの2人しか居ない。その事実に喜びの鐘が鳴る。

(機会が舞い降りてきた…っ!!)

私は決意するように拳に力を入れた。彼の前に立っているが、彼の背後へ回るように移動する。熱っちゃんが今にもゆっくり振り向こうとする。その瞬間を逃さず後ろから抱き締めた。シャンプーの香りがするその綺麗な髪や跳ねてる所がますます愛おしい。

「えっ……き、錦…ちゃん……っ!?」
「…今日、私の家には誰も居ない。だから、熱っちゃん来てくれ」

そう耳元で囁けば、熱っちゃんの頬や耳朶が赤みを帯びていた。想像以上にそれはもう可愛くてクスリ、と密かに笑った。控えめに来てほしい、なんて言えなかった。来てほしいという曖昧な言い方では彼は来ないのかと思ってしまう。だから強引に来てくれ、と言った。彼の都合など聞けばまた今度になってしまう。それは嫌だ。何日も会えてなかったのに、また離れ離れになるなんて決して許されない。そういう意味で言ったから、ちゃんと彼に伝わったであろう。そう確信できるのは、彼は頭がいいのだから。

「…錦ちゃんてば、いつの間にこういう事を…」
「それは、熱っちゃんの想像に任せる」

真っ赤な表情になりながら自身の耳朶を片手で抑える熱っちゃんを見て、貴重な場面だと思う。彼の手首を掴んで、今度こそ逃さないと心に秘める。

「行くぞ」

人が居ない今の内に、彼を連れ去るように走る。「絶好の機会だ」と嬉しさのあまりに口角を上げた。










***










草津家に来たのは何年振りだろう。庭へ足を踏み入れたときは、草木の匂いや幼少期に訪れた懐かしい風景が蘇った。数年も錦ちゃんの家に遊びに来ていなかったのに、匂いやはっきりとした記憶は意外と覚えているものだなんて。それがとても嬉しくて、身震いをしてしまう。確か、あそこの部屋で錦ちゃんとお菓子食べてたんだっけ。錦ちゃんは覚えているのかな。そう懐かしさに浸っていると両手首に力が込められて、意識が現実へと引き戻される。今、俺は錦ちゃんの部屋のベッドで押し倒されてて、自身の両手首を錦ちゃんの両手によって白いシーツに縫い止められて、動かせない状態だ。

「何を…考えていた?」

錦ちゃんの顔がだんだん近付いてきて、俺の唇をペロリと舐め上げた。錦ちゃんの舌の滑りが擽ったくて「んっ」と小さく漏らした。

「それは…錦ちゃんのお家の匂い、懐かしいなあと思って…っんぅ」

チュッチュッ、と錦ちゃんが俺の唇を貪るように唇が重なる。音が鳴る度に耳まで刺激されてるようで、耐えるように歯を食い縛る。すると、錦ちゃんは重ねていた俺の唇から離れて、その艶かしい唇は俺の耳元へ向かおうとする。耳を刺激されたらと思うと、これ以上変になりそうで怖くなった。止めようと、もがくが錦ちゃんがそれを許さずグッと力を込めた。

(…っ…錦ちゃん……!)

ここで思い知らされる。幼少期に大人しめで笑顔で俺に付いてくるようで、可愛いと思ってた子が。そして今は凛としたような美しさと威厳を持つように成長して、俺はそんな錦ちゃんに圧倒されてるんだ。さっき、錦ちゃんが俺の目を真剣に見ながら言った言葉が脳内に過る。

『ーーーー熱っちゃん……今すぐにでも、君が欲しい』

カァッと体の奥が燃え上がるような熱を感じ始めた。そう言うなら、俺は今すぐにでも、錦ちゃんに俺の全部をあげるよ。俺も、錦ちゃんの全部が欲しいな。錦ちゃんが俺の耳に息を吹きかけて、丁寧に周りを舐め始めた。

「あ…っ…んん……嘘……!耳……っ…変に、なる、から……!」
「……熱っちゃんは、ここが弱いのだな」
「や……っ、も、耳元で…っ…喋っちゃ……ぁっ」

耳を刺激されて、こんなにも気持ち良く感じるなんて。錦ちゃんの舌が好き勝手に動かされる。これじゃあ耳が犯されてるみたいで、股間に熱が集中し始める。

「…っあ!?き、錦、ちゃ………っ!!」

錦ちゃんの手がするり、と俺の制服に手を入れる。ツツツーとゆっくり這わせるその手の感触が厭らしくて、ビクリと体が反応する。その手が目指す所は。

「…こちらも、可愛がってあげよう」
「ーーーーあぁっ!」

急に胸のピンクの尖りを2つ同時に摘まれた。錦ちゃんは俺の耳を舐め回しながら、俺の両手首をシーツに縫い止めていたその両手は、胸の尖りを厭らしく弄ってる。そんな状況に頭が熱くなるくらい沸騰して、クラクラしてきた。

「…あ、錦…ちゃっ……!お、かしく…なっちゃう……っ……」

耳と胸の尖りを同時に弄られたらどうなるかなんて、自分が一番分かってるから。けれど、ふと…嫌な事を考えちゃう。今までの可愛らしさを感じさせる錦ちゃんの面影は薄くなっていくのかな、と思うと寂しくなってしまう。

(錦ちゃん、どうしてこんなに上手なの?もしかして、俺よりも誰かを先に抱いた?もし、そうなら………嫌だな)

錦ちゃんのやり方は予想外に上手で気持ちいい。だからこそ、怖いんだ。その繊細な手で誰かを抱いてしまったのかな、と考えてしまう。錦ちゃんからは、戸惑う様子も感じられなくて、むしろ余裕と思える表情と自然な動きだ。そんな錦ちゃんを見るのは初めてかもしれない。錦ちゃんは、モテるだろうし。そんな事を考えたくもないのに、不安が勝って胸がチクリと痛む。

(せっかく錦ちゃんと仲直りして、こうして会えてるのに…っ…何で)

目に涙が溜まっている事に気付く。視界が涙の海の状態になってて、目の前が見にくい状態になってる。泣きたくないのに。それでも止まらなくて、とうとう溢れて耐えきれずポロリと頬を伝う。そして、こんな顔を見せたくないのに錦ちゃんと目が合ってしまった。

「……っ!?泣いているのか、熱っちゃん?えっと、やっぱり嫌だった……!?ああ…その、やりすぎてしまったか……?」

錦ちゃんが眉を寄せて焦り始めて、俺の手を握った。俺を包んでくれるような暖かい手なのに、もし誰かを抱いた事があるなら。これ以上考えちゃ駄目なのに、と悔しさに唇を噛み締めた。

「錦ちゃん、ごめん。こんな時に、可笑しな質問するんだけど………」
「質問?」

「うん」とコクリと首を縦に振った。真実を知るのは怖いけど、錦ちゃんの目を見つめて聞いてみる。

「…錦ちゃんは、俺の他に…誰かを抱いた事あるの?」

『え…っ?』と錦ちゃんが驚いたように目を見開いて、か細い声を漏らした。そんな質問をされたら、誰だって吃驚するよね。しかも行為中なのに。

「大好きな錦ちゃんに触られて、恍惚うっとりするくらい気持ちいいよ。でも、慣れてるなあって思って……不安になっちゃった」

心が押し潰されるような苦しみが嫌で、上から見下ろす錦ちゃんの背中に両手を回して、くっつきたくて引き寄せるように、抱き付いた。錦ちゃんは無反応で、まだ何も言葉を発してくれない。せっかく錦ちゃんが雰囲気を作ってくれたのに、それを俺が錦ちゃんの気分を下げるような事を言ってしまった。錦ちゃんを怒らせてしまったかもしれない。でも、真実を知りたい。数分間、沈黙が続く中で錦ちゃんは沈黙を破った。

「した、のだ……………」
「………した?」
「べ、勉強したのだ……っ!熱っちゃんを気持ち良くさせたくて!!」

錦ちゃんはガバッと勢い良く起き上がって、そう言った。俺を見つめるその顔は眉を寄せて赤らめていた。そして、少し震えてる。

「…っ、熱っちゃんを抱くのに…っ…下手だったら格好悪いだろう。だから、失敗しないようにインターネットの情報を頼りに…調べたのだ。それで…熱っちゃんを気持ち良く出来るのか、ちゃんと満足させる事が出来るのか、と心配だったが」

錦ちゃんは俯いてる。それと同時に肩は、息するように揺らしていた。俺はただそんな錦ちゃんを見つめる事しか出来なかった。

「だが、さっきの蕩けてるような熱っちゃんを見て…確信できた。こんな私でも、熱っちゃんを虜に出来るのだと。そう、自信を持てるようになった…」
「…錦、ちゃん……っ」

錦ちゃんが俺の頭に手を置いて、優しく撫で始めた。数回繰り返して優しく撫でてくれる、その暖かい手が、ちゃんと俺は錦ちゃんのものなんだ、と嬉しくて涙が出てきて、泣いた。

「ーーーーっ…ぅ…っ…ぐ…!!」
「さっきも言ったが…相手が熱っちゃんだから、私はこうなるのだよ」
「じゃっ…じゃあ、錦、ちゃんは」
「ああ、これまで他の奴らなんて抱いた事がない。抱くのは初めてで、そして最初の相手が熱っちゃんだよ」
「……っ!!錦ちゃん!!」
「私にとって、熱っちゃんは大事な幼馴染で…初恋の人だから」

錦ちゃんが照れるようにニコリと笑う。俺は嬉しくて錦ちゃんに抱き付いた。錦ちゃんも俺の背中に両手を回して、抱き締め返してくれる。

「困らせちゃって、ごめんね…錦ちゃん」
「問題ない。あ、熱っちゃんの気持ちを聞けたから…っ…」
「…でも、錦ちゃん1人で勉強しなくてもいいのに……俺も一緒に錦ちゃんと勉強したかったな」
「え!?あ、それは…っ…は、恥ずかしくなるから……駄目だっ」
「わっ!錦ちゃん!?」

錦ちゃんの両手が俺の制服のボタンに触れて、プチ…プチと外し始める。錦ちゃんの目がギラギラしてるのを見て、一歩遅かったかなと唇を結んだ。

(あっ…やばい、かな……?)

「ふっ…もう喋れるなら大丈夫そうだな。熱っちゃん…?」
「き、錦ちゃん!待っあぁっ!!」

錦ちゃんは俺の胸のピンク色の飾りに吸い付いた。チュウ、とわざと音を立てられる。錦ちゃんにその音を無理やり聴かされてるようで、また蕩けてしまう。

「……ぁ、……っ……ん……………あぁ……………っ」

股間に熱が取り戻される。さらに舌先で突くようにじっくり舐め回されて、甘噛みされる。

「んぁ…っ!や……ぁ、錦ちゃ……っ………そ、れ………っ!」
「…ん、見て…熱っちゃん。ここ…立ってる」

そう指摘されて、自分の顔がだんだん熱くなるのを感じた。恥ずかしくて、顔を背ける。それでも弄るのを止めてくれない錦ちゃん。

「ひ、ぁ……っ……ん………………」
「…はぁ、こちらも…苦しいのではないか?」
「…っえ……?」

両肘を使って、立たせて起き上がろうとしたら、錦ちゃんと目が合う。錦ちゃんは目を細めて、悪い笑みを浮かべてズボンの上から股間を撫でた。

「やぁ…っ……だ、んぅ…………!!」
「…っ熱っちゃんの…………!」

今度はズボンに手をかけられ、下着も脱がされた。下がスースーして変な感じ。今まで錦ちゃんに与えられた刺激によって、解放された陰茎は天を目指すように勃ってた。恥ずかしくて隠そうと腕を伸ばせば、錦ちゃんに手首を掴まれた。

「…熱っちゃん、やりたいのか?」

(……やりたい?どういう意味だろう)

固まってると、錦ちゃんは俺の手首を掴んだまま俺自身の股間へ誘導するように動かした。突然、陰茎に刺激が走った。

「ーーーーっんんっ…………!」
「股間に手を伸ばそうとしてたのだろう?ならば、熱っちゃん1人で動かす所を…私は見たいな」
「ち、違うよっ!はっ…恥ずかしいから…っ…隠そうとしただけで……」
「ふぅん…………」

錦ちゃんはニヤリ、と口角を上げながら俺の陰茎に俺自身の手で擦り上げるように、錦ちゃんの手が動き始めた。錦ちゃんの暖かい手が、俺の手の上に覆い被さって同時に動かす事になるなんて。

「あぁっ…!待っ、て……き、ん…ちゃ……っ……ゃ……あ………っ!」
「…ほら、1人でやるんだ」

突然、俺の手の上に覆い被さってた錦ちゃんの暖かい手が離れた。それを名残惜しく感じる。動かす手を止めたいのに、与えられてる快楽が勝って止まらない。ここから自慰行為が始まった。

「…っふ、あぁ……あっ……んん………や、……んぅ……っ……!!」
「凄い…っ…熱っちゃん、すごくエロい顔をしてる……!」
「や、だぁ……っ!見、ない…っ……で……は、ん…………っ!」
「……っく、これはさすがに…っ…私も…!」
「き…錦、ちゃん……も……っ、触って…っ……!!錦ちゃん、じゃ、……なきゃ、い、や…っ…だよ……っ!」
「………っ!!熱っちゃん!」

今度は錦ちゃんが俺の陰茎を触り始めて、動かす。俺の両手は、抜いていた陰茎からシーツへ移動して、続く快楽に耐えるように、ぎゅっと掴んだ。

「ふ、ぁあ…っ…!!や…っ、イく……っ!」
「…っ!熱っちゃんのイく顔…っ…見せてくれ」
「ーーーーーっあああぁ……………!!」

疲弊感を一気に味わう。はぁ…はぁ、と肩を揺らして、錦ちゃんを見つめる。錦ちゃんの視線はというと、錦ちゃん自身の手を見つめていた。何かあったのかな、と蕩けている思考の中で思う。閉じかかっている目で数秒間、その様子を見てたら、錦ちゃんは自身の手の指に舌を出して舐め上げた。錦ちゃんの視線が俺の目と合う。

「熱っちゃんの……っ……美味しい」

俺の…?薄れていく意識の中で、錦ちゃんはまたそれを舐め上げる。よく見れば、俺がイったときに出した白濁液だ。感想を言われるとは思ってもみなくて、戸惑う。けれど、まるで錦ちゃんが子犬みたいに舐めるから、それに夢中で目が離せなくて、つい口を開く。

「……錦ちゃん………可愛い」
「……っ……!あ、ありがとう」

こうやって褒めると、素直に受け取ってくれる錦ちゃんはものすごく可愛い。そんな錦ちゃんを甘やかしたくなるし、頼み事を言われたら、全部言う事を聞いてしまいそう。俺は息を整えるように深呼吸する。イッたばかりで、眠気が来てそのまま眠ろうとするけど、膝に錦ちゃんの両手が置かれたと思ったら、ガバッと股を開かせられた。

「……っ!?き、ききき錦ちゃん!!何するの……っ!!!」

今ので眠気が吹っ飛んだ。まじまじと錦ちゃんに見られてて、恥ずかしくなって顔を両手で覆い隠した。でも、これから錦ちゃんは何をするんだろう…と気にもなるからドキドキしながら手を退けて見張る。気が付いたときには、錦ちゃんは。

「…あぁ…っ!熱っちゃんのここ、淫乱でヒクヒクしてる……っ……!!」

錦ちゃんは頬を真っ赤に染め上げて、はぁはぁと息を漏らしながら、舌舐めずりをした。ちょっと待ってほしい。だって今にも錦ちゃんが顔を近付けてる所は。ピチャリ、と音が鳴った。それと同時に、電気が走ったように体が反応した。

「ーーーーぁああっ…嘘…っ…!?だってそこ……は、錦ちゃんぅ……っ……!!」

錦ちゃんが俺の後蕾に顔を埋めて、舌先で突くように舐める。錦ちゃんは吸い付くようにジュル、と音を立たせた。聴かされると、頭が羞恥でいっぱいになる。

「…ぁっ!やだぁ……っは……音、やめ、てぇ………ひゃぁぁっ………!」
「…ほう?でも、ここの…熱っちゃんの厭らしい穴に、私の舌が引っ張られるのだが」
「は、ぅ……っん!やっ……言わ、ない……っ…で……錦ちゃっ………!」
「…その顔、そそる……っ!」

ああ、駄目だ。錦ちゃんがすごく積極的で、一段とかっこよくて心が奪われる。恥ずかしくて、止めてほしいのに…もっとされたいと望んでしまう自分がいる。こんな時でも錦ちゃんは、美人で絵になるなんて狡いくらい、魅了される。こんな美人な子が、俺を慈しんで、鋭い目つきで俺を射抜くように見つめる幼馴染に、惚れ直してしまう。

「…はぁ…っ…熱っちゃん、そろそろ挿入れるから……」

錦ちゃんは後蕾から口を離した。そして俺の後蕾を錦ちゃんの指で広げられる。

「…っ!まだまだ物欲しそうだな……っ!」

まじまじと後蕾を指で広げて見つめながら楽しそうな笑みを浮かべる錦ちゃんの姿に、ますます俺が押されてて恥ずかしくなって逃げ出したいという気持ちに駆られる。今度は錦ちゃんは膝立ちして、自身の着ている生徒会の白い制服に触れてボタンをプチ、プチと外して素早く脱ぐ。次に腰のベルトに手をかけてカチャリ、と外してズボンを下ろす。その全ての動作が綺麗で見惚れる。俺の視線に気付いた錦ちゃんが、フッと優しく微笑む。

「…何か可笑しい所でも?」
「ううん、錦ちゃんは…何してても目が離せないくらい、美しいよね」
「…っ、熱っちゃんは優しすぎるぞ」

そう言いながら寝転んでる俺の上に乗り始める錦ちゃん。だんだん顔が近付いてくる。キスされるのかな、と思ったすぐに錦ちゃんが口を開く。

「…眼鏡姿もいいが…外してるときの熱っちゃんは、すごく可憐だ」
「…えっ」

そう言われたのは予想外で、吃驚する。

(……可憐という言葉が相応しいのは、錦ちゃんだと思うなー)

「…ふ…っ…もう限界だ」

そう言った錦ちゃんは、いつの間にか下着は脱いであって、陰茎が晒されていた。

(錦ちゃんも…っ…勃ってる)

俺で勃ってくれた、と考えたら錦ちゃんに対する愛おしさがさらに増した。錦ちゃんは自身の陰茎を掴んで、俺の後蕾へと宛てがう。

「………熱っちゃん」
「ーーーーーーーーーっん!!!」

圧迫感を感じる。錦ちゃんの両手が、俺の両手と重なるように握る。

「…熱っちゃん、キスしよう」

コクリ、とゆっくり頷けば錦ちゃんの唇が俺の唇に重なる。重なった所で錦ちゃんがゆっくり腰を前後へ動かす。圧迫感を感じて酸素を求めようと口を開けたら錦ちゃんの舌がニュルリ、と入ってきた。キスされて、錦ちゃんの生温かい舌が俺の口内を犯して、下のほうも錦ちゃんの陰茎で溶かされると思えば体が熱くなる。

「…ふ、……ぁ………んん……っ…………んっ………は、ん…………」
「熱っちゃん…っ…これなら、どうだ?」
「っ…あぁあーーーっ!!!」

急に快感の波が押し寄せてきた。何が起こったのか、と視線を下に見れば錦ちゃんの手が俺の陰茎を掴んでゆるりと動かす。さらに指のお腹であちこちグニグニ、と押される。

「っあ、あっ……ぁ……ぁあっ……ん、き、気持ちい……っい!気持ちいぃ…っ……よぉ!」
「…っは、ならば…っ…もっと、欲しがるがいい……!」

さらに錦ちゃんは挿入が深まる体勢にさせる。次々与えられる快楽によって閉じかかってる目で再び錦ちゃんと目が合う。錦ちゃんは、余裕がない表情で眉を寄せてて顔が真っ赤だ。そんな姿を見てときめきを感じずにはいられない。さっきよりも、錦ちゃんの体と密着するようになった形でパン、パンと突かれる。

「やっあっあぁっあん…奥っ…までっ…来てる…よぉっ…あっ…駄目っ…あぁ…んっ……きっ錦ちゃぁ……んっ…やぁっ…奥、ごりごりしちゃ駄目ぇっ……!!!」
「っああ…熱っちゃん…っ…何て可愛すぎるんだ……!!」
「ああー……っ…はっ、や、気持ちいいのぉお…っ…止ま、らなぁっ……い……!んぅ、こ、怖い……っ…!!」
「っは、止まれるわけ、ない…だろう?快楽に溺れ…っ…淫らに乱れる君を見れば…っ…私は!」

突然、錦ちゃんのピストン運動が早まる。その所為でベッドがギシギシと鳴る。錦ちゃんの陰茎がさらに奥を目指すように、強く刺激してくる。さっき錦ちゃんが俺の後蕾を舐めてくれたから充分に解れてる。

「ふぁぁあっ!!あっあぁ…う…っぐ、ふ、はぁ…あぁーっ……!激しっ奥ぅ……!あっふ、い、やぁっ!」
「…聴こえる?…熱っちゃんの…っ…厭らしい穴から音が……っ!」
「あぁあああっ!?あっ…ん、熱い…っ…奥ぅ………あっ、熱いぃ……っ……錦、ちゃぁ……っ……錦ちゃん………!!!」

錦ちゃんの陰茎で後蕾の奥がジンジン熱くなってきた。さらに俺も意識飛ぶくらい快楽を叩き込まれて、頭が沸騰する勢いで蕩けてて、錦ちゃんの与えられる快感を貪る。

「…はぁ、は……っ…熱っちゃん、中に…っ…出すよ……!」
「んぁああっ……錦ちゃ……っ……錦ちゃん、来てぇ……っ!錦ちゃん…っ…の、欲し、いぃ……っ!!」
「っあ、熱っちゃん……っ…愛してる…っ!!  っ…沢山…注ぎ込んであげる……っ!!」
「はぁっ、お、俺も……っ錦、ちゃ…っ……愛してる……!!あっあぁ…っ…イ、イッイッちゃ……っ……ーーーーーーーっあぁあ………!!!!」
「ーーーーーーっ………く………!」

錦ちゃんが、全部俺の中にゆっくり白濁液を注ぐように、腰を動かす。そして俺の前に倒れて来る。俺と錦ちゃんの肌の体温が心地良くて目を閉じる。錦ちゃんの息が耳元に当たって擽ったい。

「…はぁ、熱っちゃん……その、大丈夫か?無理をさせてしまった……すまない」
「…っ…気にしないで、俺は平気だよ。錦ちゃんこそ…大丈夫?」

俺よりも、今日錦ちゃんがたくさん動きすぎて体について心配になった。錦ちゃんは体育会系じゃなくて文系理系寄りだから。肩を揺らし酸素を求めるように深呼吸する錦ちゃんの頭を優しく撫でる。それが嬉しいのか、錦ちゃんは俺の頬に手を添えて優しく擦る。

「…ああ、私は大丈夫だ…ありがとう、熱っちゃん」
「…何だか今日の錦ちゃん…積極的で、強引でかっこよかったな」
「そ、そうか…っ?熱っちゃんが可愛すぎて、つい……み、乱れる熱っちゃんすごく可愛かった……それが、見られて私は嬉しいよ」
「あはは、錦ちゃん照れてるんだ」
「だっだって……………!!!」

俺を抱く前と抱くときの錦ちゃんのギャップを思い出す。それが面白くて、クスリと笑う。そしてさらに惚れ直してときめいた。これ以上錦ちゃんを求めてしまう我儘な俺が存在してる事に。そう考えてたら、俺の胸に錦ちゃんの手が置かれた。

「熱っちゃん……すごくドキドキしてる」
「ふふ、そういう錦ちゃんもでしょ」

俺も錦ちゃんの胸に手を置いて確認する。その鼓動に期待しちゃうな。それはまるで、俺と同じようにときめいてるのかと。

「…錦ちゃん、その……しばらくこうしててもいい?」
「っ…!も、もちろんだ。あの…熱っちゃんが、良ければだが……泊まっていくか?」
「いいの…?錦ちゃんの家にお泊まりするのは何年振りかなあ」
「熱っちゃんを疲弊させてしまったから……私の部屋でゆっくり休んでほしい」
「ふふ、錦ちゃんのお言葉に甘えて…そうするね」

そうして、錦ちゃんとたくさんお喋りをする。これからも錦ちゃんに心を奪われるばかりの日常を送ると想像したら、胸が弾け飛ぶように心が躍った。錦ちゃんにいつでも攫われたい、捕まえられたいと望んでしまう。愛おしい錦ちゃんの隣にずっといられますように。そう願って、錦ちゃんと抱き締め合いながら俺達は眠りについた。
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