投稿日:2024年03月13日 13:34 文字数:5,832
それからとこれから
ステキ数:1
書けた所からかいていこうかなぁと、鶴燭ほのぼのなれそめ話です。続きが書けたらUPする予定です!とりあえず四話まで書きました~一旦終わりなのか続きを書くのかどうしよう。続きはRになりそうだ…2024.4.11
1.たまごサンドの話
2.星ときどきごはん
3.好きなところは
4.そわそわ
1.たまごサンドの話
2.星ときどきごはん
3.好きなところは
4.そわそわ
| 1 / 4 |
1.たまごサンドの話。
からしはこれくらいだろうか、とボールに入ったマヨネーズにスプーンですくったからしを混ぜていく。その中に程よく刻んだゆでたまごを入れて混ぜる。
「よし! これで中身は完成」
次に手に取ったのはコッペパン。真ん中に切れ目を入れて、「そうだ!」と思い出す。
「確かソースが塗られていたよね、中濃ソースでいいかな」
切れ目の内側にソースを塗ったパンの中に先程の具材を詰めれば……
「光忠特製たまごサンドの出来上がりだ!」
審神者に付いて行った先で立ち寄った珈琲店で食べたたまごサンドを再現してみようと思い立ったのが、先日。出陣や内番の入っていない今日しかないと、早速作ってみたのだ。
出来上がったのは二つ。店で食べたのは小さめなコッペパン二つだったが、今日は大きめのを用意した。一つは審神者にもう一つは自分用に。美味しくできただろうか。
(今日の近侍は、鶴さんだったよね)
「主、いいかな?」
審神者の部屋をノックして返事を聞いてから中に入れば、今日の近侍の鶴丸が丁度出てくるところだった。
「おっ!旨そうなもの持っているなぁ、差し入れかい?」
食べやすいように、と二つに切り分けられたたまごサンドを見て鶴丸が声を掛けた。
「うん、この前遠征に行ったとき食べたたまごサンドの味が忘れられなくてね、作ってみたんだ。そうだ! 鶴さん良かったらもう一個作ったのがあるから食べて見ない?」
「それは断れんな~頂こう!」
鶴丸の返事を聞いて燭台切はほっとした。もう一個自分用にと思ってはいたが一緒に食べてほしいと思いながら作ったのだ、鶴丸に。審神者の部屋にいる気がしたが正解だった。
机にたまごサンドと珈琲を置いて「時間が出来たら食べてね」と声を掛ける。今日が期限だという書類とパソコンを交互に見て疲れた顔の審神者は「ありがとぉぉ!!」と叫んでいた。
「鶴さん手伝った方が良かったんじゃ……?」
「一応声は掛けたんだけどな! あれは刀剣男士に手伝ってもらっちゃあまずいらしいぜ。重要な機密事項とやらが含まれているらしい」
「そうなんだ」
これが初期刀の歌仙が近侍だった日には「なぜぎりぎりにやるのか、雅じゃない!」と怒り狂ったろうから、今日の近侍が鶴丸なのは良かったんだろう。
「へぇこれがさっきのたまごサンドかい?」
「そう! 今、珈琲入れるね!」と手際よく二人分の珈琲と切り分けたたまごサンドが鶴丸の前に出される。
香り立つ豆の匂いに鶴丸はそわそわとする。半分に切り分けられたそれを大口を開けて口に含む。口の中いっぱいにたまごと良く絡んだからしマヨネーズが広がり、ほんのり甘いパンに塗られたソースがふわりと薫る。
「うまいっな!」
溢れるほどに盛られた具材がひとつ、ふたつ皿に落ちていく。淹れたての珈琲を一口飲んで向かいの燭台切をやっと見た。
「そう言ってくれると作った甲斐があったよ。この前主と入ったお店で食べたんだけど、再現できてるかな。あとで主にも感想聞かなくちゃ」
にこにこと話す燭台切も同じく口に運んで「美味しいね!」と満足そうだ。
「そのお店今度現代遠征に行く際には寄らないとだな!」
鶴丸は懐から小さなノートを取り出してメモをした。
「鶴さんそれは?」
「あぁこれな、現代遠征に行ったり万屋街に行った連中から聞いたおすすめスポットだ!」
「面白そうだね」
「例えば、伽羅坊おすすめ猫カフェに歌仙はプラネタリウム、肥前はご飯とみそ汁がおかわりし放題のとんかつ屋、包丁と秋田からは美味しいクレープの店、それから……」
数ページにわたり書かれたおすすめスポットに今食べているたまごサンドも加わる。イラスト付きで。
「チェーン店だからいろんなとこにあるよ。楽しそうだね、僕も一緒に行きたいな」
向かいに座る燭台切の皿はもう空っぽだ。最後の一口をごくりと飲み込んでから鶴丸は口を開いた。
「なら……この前加州と大和守が主と泊ったっていう『星が綺麗に見える宿』も、一緒に来てくれるかい?」
片目をぱちりとして薄い唇がゆっくり開く。
「もちろん」
分かってるのだろうか、本当に? そう思い見上げた先には鶴丸の反応を伺うように見つめてくる彼がいる。形のいい耳が赤くなっている。
(あぁ覚悟を決めるのは俺の方か)
「今夜ちゃんと言うから待っててくれるかい、光坊」
今日は同室の伽羅坊に貞坊は遠征でいない。こくり、と頷くのを見届けた。
自覚したのはいつだったか。「演練に行ってくる!」と食べ終わった早々に鶴丸は出て行ってしまった。鶴丸の座っていた席のテーブルには桜の花びらがひとひら落ちている。
(鶴さんはいつから? 僕は)
あれはまだ練度が低かった出陣で敵の槍兵に不意を突かれ中傷を負った。突かれた箇所から広がる痛みに顔をしかめ真剣必殺を繰り出してかろうじて勝ったが、戦闘が終わり敵の気配が霧散したあとも続くジクジクと身体を苛んだ。「大丈夫か!?」声と共に部隊長である鶴丸が手を差し出し肩を貸してくれた。ただそれだけで身体の痛みがスーッと引いていく。
「かっこ悪いところ見せちゃったな……」と落ち込んでいると鶴丸が頭をクシャクシャと撫でてくる。むず痒いような気持ちになって鶴丸を見れば淡い金色の瞳があった。
「勝てたんだからこれは名誉の負傷さ」
傷が塞がったわけではないのに不思議と痛みが消えるどころか胸の内側がじわりと温かくなる。
からしはこれくらいだろうか、とボールに入ったマヨネーズにスプーンですくったからしを混ぜていく。その中に程よく刻んだゆでたまごを入れて混ぜる。
「よし! これで中身は完成」
次に手に取ったのはコッペパン。真ん中に切れ目を入れて、「そうだ!」と思い出す。
「確かソースが塗られていたよね、中濃ソースでいいかな」
切れ目の内側にソースを塗ったパンの中に先程の具材を詰めれば……
「光忠特製たまごサンドの出来上がりだ!」
審神者に付いて行った先で立ち寄った珈琲店で食べたたまごサンドを再現してみようと思い立ったのが、先日。出陣や内番の入っていない今日しかないと、早速作ってみたのだ。
出来上がったのは二つ。店で食べたのは小さめなコッペパン二つだったが、今日は大きめのを用意した。一つは審神者にもう一つは自分用に。美味しくできただろうか。
(今日の近侍は、鶴さんだったよね)
「主、いいかな?」
審神者の部屋をノックして返事を聞いてから中に入れば、今日の近侍の鶴丸が丁度出てくるところだった。
「おっ!旨そうなもの持っているなぁ、差し入れかい?」
食べやすいように、と二つに切り分けられたたまごサンドを見て鶴丸が声を掛けた。
「うん、この前遠征に行ったとき食べたたまごサンドの味が忘れられなくてね、作ってみたんだ。そうだ! 鶴さん良かったらもう一個作ったのがあるから食べて見ない?」
「それは断れんな~頂こう!」
鶴丸の返事を聞いて燭台切はほっとした。もう一個自分用にと思ってはいたが一緒に食べてほしいと思いながら作ったのだ、鶴丸に。審神者の部屋にいる気がしたが正解だった。
机にたまごサンドと珈琲を置いて「時間が出来たら食べてね」と声を掛ける。今日が期限だという書類とパソコンを交互に見て疲れた顔の審神者は「ありがとぉぉ!!」と叫んでいた。
「鶴さん手伝った方が良かったんじゃ……?」
「一応声は掛けたんだけどな! あれは刀剣男士に手伝ってもらっちゃあまずいらしいぜ。重要な機密事項とやらが含まれているらしい」
「そうなんだ」
これが初期刀の歌仙が近侍だった日には「なぜぎりぎりにやるのか、雅じゃない!」と怒り狂ったろうから、今日の近侍が鶴丸なのは良かったんだろう。
「へぇこれがさっきのたまごサンドかい?」
「そう! 今、珈琲入れるね!」と手際よく二人分の珈琲と切り分けたたまごサンドが鶴丸の前に出される。
香り立つ豆の匂いに鶴丸はそわそわとする。半分に切り分けられたそれを大口を開けて口に含む。口の中いっぱいにたまごと良く絡んだからしマヨネーズが広がり、ほんのり甘いパンに塗られたソースがふわりと薫る。
「うまいっな!」
溢れるほどに盛られた具材がひとつ、ふたつ皿に落ちていく。淹れたての珈琲を一口飲んで向かいの燭台切をやっと見た。
「そう言ってくれると作った甲斐があったよ。この前主と入ったお店で食べたんだけど、再現できてるかな。あとで主にも感想聞かなくちゃ」
にこにこと話す燭台切も同じく口に運んで「美味しいね!」と満足そうだ。
「そのお店今度現代遠征に行く際には寄らないとだな!」
鶴丸は懐から小さなノートを取り出してメモをした。
「鶴さんそれは?」
「あぁこれな、現代遠征に行ったり万屋街に行った連中から聞いたおすすめスポットだ!」
「面白そうだね」
「例えば、伽羅坊おすすめ猫カフェに歌仙はプラネタリウム、肥前はご飯とみそ汁がおかわりし放題のとんかつ屋、包丁と秋田からは美味しいクレープの店、それから……」
数ページにわたり書かれたおすすめスポットに今食べているたまごサンドも加わる。イラスト付きで。
「チェーン店だからいろんなとこにあるよ。楽しそうだね、僕も一緒に行きたいな」
向かいに座る燭台切の皿はもう空っぽだ。最後の一口をごくりと飲み込んでから鶴丸は口を開いた。
「なら……この前加州と大和守が主と泊ったっていう『星が綺麗に見える宿』も、一緒に来てくれるかい?」
片目をぱちりとして薄い唇がゆっくり開く。
「もちろん」
分かってるのだろうか、本当に? そう思い見上げた先には鶴丸の反応を伺うように見つめてくる彼がいる。形のいい耳が赤くなっている。
(あぁ覚悟を決めるのは俺の方か)
「今夜ちゃんと言うから待っててくれるかい、光坊」
今日は同室の伽羅坊に貞坊は遠征でいない。こくり、と頷くのを見届けた。
自覚したのはいつだったか。「演練に行ってくる!」と食べ終わった早々に鶴丸は出て行ってしまった。鶴丸の座っていた席のテーブルには桜の花びらがひとひら落ちている。
(鶴さんはいつから? 僕は)
あれはまだ練度が低かった出陣で敵の槍兵に不意を突かれ中傷を負った。突かれた箇所から広がる痛みに顔をしかめ真剣必殺を繰り出してかろうじて勝ったが、戦闘が終わり敵の気配が霧散したあとも続くジクジクと身体を苛んだ。「大丈夫か!?」声と共に部隊長である鶴丸が手を差し出し肩を貸してくれた。ただそれだけで身体の痛みがスーッと引いていく。
「かっこ悪いところ見せちゃったな……」と落ち込んでいると鶴丸が頭をクシャクシャと撫でてくる。むず痒いような気持ちになって鶴丸を見れば淡い金色の瞳があった。
「勝てたんだからこれは名誉の負傷さ」
傷が塞がったわけではないのに不思議と痛みが消えるどころか胸の内側がじわりと温かくなる。
| 1 / 4 |
コメントを送りました
コメント
ログインするとコメントを投稿できます
あなたのひとことが作者の支えになります。
コメントを投稿する事で作者の支えとなり次作品に繋がるかもしれません。
あまり長いコメントを考えずひとこと投稿だけでも大丈夫です。
コメントは作品投稿者とあなたにしか表示されないため、お気軽に投稿頂ければ幸いです。
あまり長いコメントを考えずひとこと投稿だけでも大丈夫です。
コメントは作品投稿者とあなたにしか表示されないため、お気軽に投稿頂ければ幸いです。

