投稿日:2018年05月21日 23:27 文字数:1,559
ウソツキの末路
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琵琶坂×主人公。主人公→鍵介的な描写が若干あり(片思い未満友情以上くらいの感情)。
楽士ルート前提、琵琶坂にLucidだってバレちゃったお話。
もしかしたらODネタバレあるかもしれない。
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もしかしたらODネタバレあるかもしれない。
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逃げたいなら逃げても構わないよ、と男は嘲笑った。
「…………っ…………」
その意図を図りかね、少年は形のいい眉を顰める。なんとか男の言わんとしている意味を汲もうと思考を巡らせるが、粘度の高い熱に浮かされた頭では、それも叶わない。少しでも気を抜けば、自らの中に埋め込まれた熱に理性を持って行かれる。
対する男――琵琶坂永至は、そんな少年の表情と反応に満足しているのか、機嫌よく笑みを浮かべていた。
「逃げられると思ってるんなら、いつでも逃げればいい。そうだろう、『裏切者の部長さん』? そうだ、なんなら大事な部員たちにでも相談してみればどうだ?」
腰を抱き寄せ、ゆるゆると揺らされながら、耳元でそう囁かれた。
明らかな挑発。何か言い返そうと顔を上げて睨み付けるが、そうするとより深いところを突かれ、咎められる。
「あっ……ぐ、あ……っ」
「ふふ、イイところに当たったかな?」
指では届かない敏感な部分を的確に抉られて、耐えきれず声が漏れた。琵琶坂はそれを聞き咎めては、「可愛いねえ」などと相槌を打つ。
入り込まれた奥が熱い。容赦なく中を蹂躙され、繋がった部分を見せつけられ、なぞられて、おかしくなりそうだった。いや、いっそおかしくなってしまえば楽なのだろうが、琵琶坂は定期的に言葉をかけて、少年の意識を繋ぎ止めようとする。
「例えばほら、鍵介くんとか。君に随分懐いてるし。彼なら助けてくれるんじゃないか? なあ」
鍵介。名前を聞かされて、反射的に彼の顔を思い浮かべる。少し斜に構えたところはあるが、実は素直で優しい後輩。
あなたが帰るところを見たくなった、と、照れたように笑ってくれた。自分が泥臭く足掻くところを、これからも見ていてくださいと、最大限の信頼を寄せてくれた。
それなのに――それなのに、自分は。
「まあ、そんなことをしたら、君が『裏切者』だってバレてしまうだろうけど」
はは、と琵琶坂は心底楽しそうに言う。獲物をいたぶっているつもりなのだろう。こいつは、鍵介が少年の弱点だと思っているのだ。知っているのだ。だからこんな風に自分をいたぶる材料にする。
ぎり、と奥歯を噛みしめ、少年は低い声で唸った。
「……っ、必要、ない……っ……鍵介のことなんか、なんとも……思ってない」
思ってない。想ってない。なんとも。やっとのことで絞り出した言葉は、弱々しく宙に溶けていく。
琵琶坂は一瞬、興味深そうに少年を見つめた。
しかしやがて、くつくつと喉の奥で嗤い始める。それは獰猛な肉食動物か、もしくは――そう、それこそ本当に、獲物に絡みついた蛇を思わせた。
「君はちょっとわかりやす過ぎるね。向いてないよ」
「……向いて、ないって…………」
なにが、と、嬌声を殺しながら尋ねる。琵琶坂は目を細め、またその口を耳元に寄せて囁く。
「何がって、決まってるだろう? ……嘘を付くの、さ」
その言葉と一緒に、腰が引かれ、一気に奥を突かれた。
「あ、あ……っ、あ……ッ」
一気に押し寄せた刺激に、びくり、と身体が震える。奥の敏感な部分に容赦なく熱が刺さり、一瞬意識が遠くなったように感じる。とん、とん、と一定のリズムで何度も嬲られ、喉から抑えきれない悲鳴があがる。
腰を掴まれ、自分の内側に熱いものが注がれる感覚を感じながら、少年は息を詰まらせてのけ反った。白い素肌が淡く染まり、ピンと伸びた足先が震えるのを眺めながら、琵琶坂は言う。
「……っはは……まあいい、嘘じゃないというなら、何の問題もないわけだ」
そうだろう? と、少年の耳元で、鮮やかに、毒々しいほど鮮やかに嗤う。
「いつまでも嘘を付いているといい。その下手くそな嘘は、絶対に君を救いやしないから」
「…………っ…………」
その意図を図りかね、少年は形のいい眉を顰める。なんとか男の言わんとしている意味を汲もうと思考を巡らせるが、粘度の高い熱に浮かされた頭では、それも叶わない。少しでも気を抜けば、自らの中に埋め込まれた熱に理性を持って行かれる。
対する男――琵琶坂永至は、そんな少年の表情と反応に満足しているのか、機嫌よく笑みを浮かべていた。
「逃げられると思ってるんなら、いつでも逃げればいい。そうだろう、『裏切者の部長さん』? そうだ、なんなら大事な部員たちにでも相談してみればどうだ?」
腰を抱き寄せ、ゆるゆると揺らされながら、耳元でそう囁かれた。
明らかな挑発。何か言い返そうと顔を上げて睨み付けるが、そうするとより深いところを突かれ、咎められる。
「あっ……ぐ、あ……っ」
「ふふ、イイところに当たったかな?」
指では届かない敏感な部分を的確に抉られて、耐えきれず声が漏れた。琵琶坂はそれを聞き咎めては、「可愛いねえ」などと相槌を打つ。
入り込まれた奥が熱い。容赦なく中を蹂躙され、繋がった部分を見せつけられ、なぞられて、おかしくなりそうだった。いや、いっそおかしくなってしまえば楽なのだろうが、琵琶坂は定期的に言葉をかけて、少年の意識を繋ぎ止めようとする。
「例えばほら、鍵介くんとか。君に随分懐いてるし。彼なら助けてくれるんじゃないか? なあ」
鍵介。名前を聞かされて、反射的に彼の顔を思い浮かべる。少し斜に構えたところはあるが、実は素直で優しい後輩。
あなたが帰るところを見たくなった、と、照れたように笑ってくれた。自分が泥臭く足掻くところを、これからも見ていてくださいと、最大限の信頼を寄せてくれた。
それなのに――それなのに、自分は。
「まあ、そんなことをしたら、君が『裏切者』だってバレてしまうだろうけど」
はは、と琵琶坂は心底楽しそうに言う。獲物をいたぶっているつもりなのだろう。こいつは、鍵介が少年の弱点だと思っているのだ。知っているのだ。だからこんな風に自分をいたぶる材料にする。
ぎり、と奥歯を噛みしめ、少年は低い声で唸った。
「……っ、必要、ない……っ……鍵介のことなんか、なんとも……思ってない」
思ってない。想ってない。なんとも。やっとのことで絞り出した言葉は、弱々しく宙に溶けていく。
琵琶坂は一瞬、興味深そうに少年を見つめた。
しかしやがて、くつくつと喉の奥で嗤い始める。それは獰猛な肉食動物か、もしくは――そう、それこそ本当に、獲物に絡みついた蛇を思わせた。
「君はちょっとわかりやす過ぎるね。向いてないよ」
「……向いて、ないって…………」
なにが、と、嬌声を殺しながら尋ねる。琵琶坂は目を細め、またその口を耳元に寄せて囁く。
「何がって、決まってるだろう? ……嘘を付くの、さ」
その言葉と一緒に、腰が引かれ、一気に奥を突かれた。
「あ、あ……っ、あ……ッ」
一気に押し寄せた刺激に、びくり、と身体が震える。奥の敏感な部分に容赦なく熱が刺さり、一瞬意識が遠くなったように感じる。とん、とん、と一定のリズムで何度も嬲られ、喉から抑えきれない悲鳴があがる。
腰を掴まれ、自分の内側に熱いものが注がれる感覚を感じながら、少年は息を詰まらせてのけ反った。白い素肌が淡く染まり、ピンと伸びた足先が震えるのを眺めながら、琵琶坂は言う。
「……っはは……まあいい、嘘じゃないというなら、何の問題もないわけだ」
そうだろう? と、少年の耳元で、鮮やかに、毒々しいほど鮮やかに嗤う。
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