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投稿日:2019年02月20日 09:25    文字数:3,944

熱甘小説【或図9サンプル】

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或る図書館にて9発行予定の新刊小説短編集サンプルです。もうちょっと話詰め込みたかったなあと反省しきりです。
まぁいいか!ほとんど二人だけの世界です。

●仕様
『熱甘小説』短編小説集 A6(文庫サイズ)/ 本文40P / 頒布価格 500円

本文は「はじめてのこと」、「お医者さんごっこ」、「幸せだと思うこと」(twitterで上げていたものの再録)、「部屋を暗くして楽しみましょう」の4つのお話で出来ています。「部屋を~」は二人が食べるローションプレイする話です。エロ久々で最初をねちっこく書きすぎた気もしないではないですが、ねちねち書けて良かったんじゃないかなと思います。
サンプルは「お医者さんごっこ」「部屋を暗くして楽しみましょう」の二本の冒頭と、3頁目は「部屋を~」R-18部分になります。

通販始めました https://morisiki1022.booth.pm/items/1248242
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お医者さんごっこ

一度着てみたかったんです、と子規は言った。この前武者小路や尾崎、坪内に加えて、吉井がそれを着ているのを見てから、自分もやはり着たいと思ったのだと言う。司書からの言づてを伝えにやってきて、その言づてのために医務室を空けなければならなくなった森の代わりに店番を申し出た子規は今、白衣を着ていた。頼まれていたのは二言三言確認をして済むことだったので、十分程度で医務室に戻ると、店番の彼はちょうど白衣に袖を通していたところだった。もしかしなくとも彼が着ているのは出る前に脱いだ、自分の白衣ではないかと思うと中々胸にこみ上げるものがあり、呆けていると取り繕うようにそう説明をされた。
「やっぱり、似合いませんかね」
森が戸口の前で黙り込んだまま自分の方を凝視しているのは、自分の格好を不自然に思っているからだと受け取ったらしい。森の白衣を拝借した理由を自ら白状した彼は、苦笑いを浮かべながら自分の格好を確かめていた。
白衣の下は普段着ている野球着ではなく、上は黒の長袖に臙脂の半袖を重ね着して、下はベージュの、カーゴパンツという長ズボンを穿いたラフな格好を子規はしていた。秋頃に見た服装に似ている。足先はしっかりと靴下を履いて、室内履きの靴をつっかけていたがどうにも首まわりは肌が見えているからか、こちらには少し寒そうに見えた。白衣を羽織ってようやくそれが和らいだように思われたし、また明るく、健やかな容姿と性格をもつ彼が白衣を羽織ると、気さくな町のかかりつけの医者のような雰囲気が醸し出されていて、よく似合っていた。
「いや、よく似合っている」
「そう、ですか?」
「ああ」
安心して診てもらえるような町医者のようだ、子供にも好かれそうだ、と言い足すと子規は嬉しそうに目を輝かせて、はにかんだ笑みを浮かべた。ポケットに手を突っ込もうとして、それが普段のジャケットの位置よりも下にあるので、どこか落ち着かない様子で手を入れて、目端を緩めてこちらを見る。何か思いついた様子の、楽しげな顔が、にっと浮かんだ。
「それじゃあ、森さんのこと診てあげましょうか」
「…うん?」

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部屋を暗くして楽しみましょう

俺だって、れっきとした男なんだから、そういうことに興味がないわけじゃないと自分に言い聞かせながら、子規はテーブルに置かれた小さな半透明の掌ほどの大きさのボトルを眺めていた。それは数時間前に街に出て、子規が買ってきたばかりのものだった。
子規が性玩具を扱う――所謂アダルトショップなる店を知ったのは、同じ文士仲間で、子規のべーすぼーるにも付き合ってくれる安吾に教えられたからだ。アンタは知らないだろうが、世の中にはそういう店もちゃあんとあるんだぜ。そう言ってニヤニヤと人の悪い、揶揄たっぷりの笑みを浮かべて、帝国図書館の最寄りの駅裏にある店に安吾は子規を連れて行った。あからさまに卑猥な形をしたものから、よくよく注意書きを見なければ分からないような性交のための道具や玩具がそこでは当然の顔をして並んでいた。そして安吾は店であれだこれだと品を見て回り、子規から赤面や困惑を引き出すと、それなりの満足を得たらしかった。こういうのもあるってんなら、アンタのツレと使って楽しむのも悪くねえだろ、とずいぶんと下世話なことを最後に楽しげに投げかけると、絶句する子規を残してひらひらと手を振って出て行った。
勿論、子規はその日ものを買うことはなかったけれど、こうして後日、その店に行ってとある品を買ってきた。それが目の前にあるものだった。
なんとなく後頭部を搔いて、掌に収まるほどの小さなボトルを手に取る。前に来て陳列棚にあるのを見つけたときから、気になっていた品だった。購入までに手に取っては戻して店内を歩き回り、また手に取って戻すのを繰り返して、購入を決心するのに小一時間ほど費やしたそれは、相手の肌にかけて楽しむためにつくられていて、口にしても大丈夫な食品になっている。
これなら――、自分も恋人に気持ちよくなってもらえるのではないだろうか。そんな期待を抱きながら、子規はずるずると机に突っ伏して、息を吐いた。でも。己はそれを、面と向かって彼に言えるだろうかと。
夜の交わりではいつも自分が気持ちよくされてばかりいる。だからたまには自分だって、主導権を握って彼のことを気持ちよくさせたいと子規は思う。それで目の前のものを買ってきたのは良かったのだが、けれど恋人に――、森に、これを森との行為に使いたいと思って買ってきたと言えるのか、なんだか不安になってきた。ぬくもりの籠もった優しい眼差しを向けられる中で、素面で言おうものなら、結局恥ずかしさで音も発せられないような気がする。
うう、と呻きながら顔を上げて、子規はしばらく考えに耽っていた。それからしばらくして顔を上げると、何かを思い定めた様子できりりと顔を引き締める。これはもう、酒の力を借りてしまおう。

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部屋を暗くして楽しみましょう R-18部分

「う…」
はぁ、と吐息混じりに森が呻く。それさえ様になるから、子規は肚の内側がきゅうと音を立てて縮まるのを感じてしまう。下着に手を掛けたのに応じて森が上体を起こした。腰を浮かせたのでそのままずり下げれば、剛直がぶるりと揺れて顔を出す。
体を起こして、ようやく容器を手に取った。蓋をひねる。きゅぽ、と間抜けな音を立てて開く。
掌の上で容器を傾ける。とろりと粘度のある透明の液体が糸になって垂れて、小さな水溜まりができた。掌で伸ばした時ふわりと香ったのは、苺の甘酸っぱい匂いだった。
「っ……」
「気持ちいい、ですか」
「っ、あぁ…っ、のぼる…」
「よかった。森さんの、…美味そうだ」
屹立したそれを、緩く握り混む。滑った手で上下に擦ると粘着質な音とともにそれはみるみるうちに硬く熱く、質量を増した。
悩ましげに瞼を閉じ、快楽から艶やかに息を漏らす森の姿に子規の胸は甘く締め付けられる。
下腹でてらてらと艶めかしく濡れそぼったものに顔を近づける。森のものであれば脈打つ凶悪な形のものさえ愛しいと思い――、先を口に含んだ。
先端に舌を這わせる。膜を張ったそれはさらりとした舌触りで、砂糖を足して煮詰めたように甘かった。吸い付けば先走りの苦味と混じって不思議な味になる。口に入れ込んでしまえば唇と舌先でくびれた形も、脈打つ熱さも分かって、感じてしまう。夢中で唇で食むようにして確かめて、上顎に擦り付けると、息苦しさを覚えながらも快楽がぞくぞくと走った。腹の奥が熱くうねる。知らず知らずのうち内股を擦り付け、突き出した腰を揺らしていた。
「ン、ぐ、んん、ん、っ」
「っ、く…のぼ、る……っ!ふ…」
頭に添えられた森の手、指先も燃えるように熱く感じた。息を詰めた、上擦った声にもこちらの性感も高められていく。咽そうになるのを堪えて、根元まで口内に収めて、また上下に擦れば森のものは膨れ上がって口の中に一杯になった。
口を離す。育ちきり、なんの支えもなく天を向き別の生き物のように脈打つものを前にして覚えるのは、これから与えられるだろう快楽への期待だった。溶けかかっていた頭の中は完全に溶けて、煮詰められている。
眉間に皺を寄せ、悩ましげな表情を浮かべる森の呼吸は荒く、顔もうっすらと紅潮していた。子規は快楽を堪える森の艶やかさにうっとりと細めた目をとろとろと和らげる。
今も透明な先走りを零す先端の噴出口に再び顔を寄せる。そしてちゅう、と態とらしく大きな音を立てて吸い付いて、促すように皮が重なり盛り上がった筋を舌でなぞり上げた。
「――ッ!」
森の怒張がびくん、と大きく震えた。瞬間、迸りが走る。喉奥へと注がれた子規の体も電流が流れたかのように波打つ。
子規の肚は埋まるものを、喉に注がれたものを、同じように欲してうねっていた。
一度欲を吐き出したばかりでは森も満足していないようだった。仄かに甘い匂いの残るそこに舌をもう一度這わせ、残滓を舐めとっているうちにまたむくむくと形を持っていく。
「のぼる…」
「んっ…は、い」
さわさわと頭を撫でられて、顔を上げた。請うように静かに名前を呼ぶ森の目は、声音に反して獰猛な色を宿していた。
何を求められているのか、目顔を見れば分かる。よろよろと体を起こし、足を跨ぐようにして膝立ちになって、肩に手を置き顔を近づければ、唇が押し当てられる。森の欲を飲み込んだばかりの口内で舌が動き回り、舐めとられる。顎裏も辿られてまた体の奥が疼いた。
「ああ、こんなに濡らして…」
「ふぁ、あっ、ンンっ!ぁ、だって、りんたろうさんが、きもちよさそうに、してた、からっ…!」
「そうか」
しゅるりと帯が擦れて解かれる音に、気付けば己の夜着もはだけていた。下着に手を入れ、森が直に触れた子規のものは中で濡れそぼっていた。張り詰めた己自身をぐりぐりと森の手に 押し付けている。気持ちがよかった。絡みつき、すべらかな森の手で柔らかく握り混まれて、擦られるだけで限界を覚えていた。
「――なら、お前も気持ちよくなってくれ」
「ひ、あぁぁあっ!」
下着がずり下げられてついに露出させられる。鈴口を親指の腹で擦られて、子規は呆気なく吐精した。
森の眼差しは肉食獣のようだった。声は昂ぶり楽しげで、普段なら真っ直ぐに引き結ばれているか、緩やかに弧を描くかの唇も、愉しげに笑っていた。
今、自分が森だけしか見ていないように、森も子規だけしか見ていない。自分だけが知る表情を向ける森に、子規は胴震いをして、ふうふうと息を吐いて笑んだ。
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熱甘小説【或図9サンプル】

キーワードタグ 或る図書館にて9  文豪とアルケミスト  もりしき  森子規  森鴎外(文豪とアルケミスト)  正岡子規(文豪とアルケミスト)  R18 
作品の説明 或る図書館にて9発行予定の新刊小説短編集サンプルです。もうちょっと話詰め込みたかったなあと反省しきりです。
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●仕様
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熱甘小説【或図9サンプル】
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お医者さんごっこ

一度着てみたかったんです、と子規は言った。この前武者小路や尾崎、坪内に加えて、吉井がそれを着ているのを見てから、自分もやはり着たいと思ったのだと言う。司書からの言づてを伝えにやってきて、その言づてのために医務室を空けなければならなくなった森の代わりに店番を申し出た子規は今、白衣を着ていた。頼まれていたのは二言三言確認をして済むことだったので、十分程度で医務室に戻ると、店番の彼はちょうど白衣に袖を通していたところだった。もしかしなくとも彼が着ているのは出る前に脱いだ、自分の白衣ではないかと思うと中々胸にこみ上げるものがあり、呆けていると取り繕うようにそう説明をされた。
「やっぱり、似合いませんかね」
森が戸口の前で黙り込んだまま自分の方を凝視しているのは、自分の格好を不自然に思っているからだと受け取ったらしい。森の白衣を拝借した理由を自ら白状した彼は、苦笑いを浮かべながら自分の格好を確かめていた。
白衣の下は普段着ている野球着ではなく、上は黒の長袖に臙脂の半袖を重ね着して、下はベージュの、カーゴパンツという長ズボンを穿いたラフな格好を子規はしていた。秋頃に見た服装に似ている。足先はしっかりと靴下を履いて、室内履きの靴をつっかけていたがどうにも首まわりは肌が見えているからか、こちらには少し寒そうに見えた。白衣を羽織ってようやくそれが和らいだように思われたし、また明るく、健やかな容姿と性格をもつ彼が白衣を羽織ると、気さくな町のかかりつけの医者のような雰囲気が醸し出されていて、よく似合っていた。
「いや、よく似合っている」
「そう、ですか?」
「ああ」
安心して診てもらえるような町医者のようだ、子供にも好かれそうだ、と言い足すと子規は嬉しそうに目を輝かせて、はにかんだ笑みを浮かべた。ポケットに手を突っ込もうとして、それが普段のジャケットの位置よりも下にあるので、どこか落ち着かない様子で手を入れて、目端を緩めてこちらを見る。何か思いついた様子の、楽しげな顔が、にっと浮かんだ。
「それじゃあ、森さんのこと診てあげましょうか」
「…うん?」

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部屋を暗くして楽しみましょう

俺だって、れっきとした男なんだから、そういうことに興味がないわけじゃないと自分に言い聞かせながら、子規はテーブルに置かれた小さな半透明の掌ほどの大きさのボトルを眺めていた。それは数時間前に街に出て、子規が買ってきたばかりのものだった。
子規が性玩具を扱う――所謂アダルトショップなる店を知ったのは、同じ文士仲間で、子規のべーすぼーるにも付き合ってくれる安吾に教えられたからだ。アンタは知らないだろうが、世の中にはそういう店もちゃあんとあるんだぜ。そう言ってニヤニヤと人の悪い、揶揄たっぷりの笑みを浮かべて、帝国図書館の最寄りの駅裏にある店に安吾は子規を連れて行った。あからさまに卑猥な形をしたものから、よくよく注意書きを見なければ分からないような性交のための道具や玩具がそこでは当然の顔をして並んでいた。そして安吾は店であれだこれだと品を見て回り、子規から赤面や困惑を引き出すと、それなりの満足を得たらしかった。こういうのもあるってんなら、アンタのツレと使って楽しむのも悪くねえだろ、とずいぶんと下世話なことを最後に楽しげに投げかけると、絶句する子規を残してひらひらと手を振って出て行った。
勿論、子規はその日ものを買うことはなかったけれど、こうして後日、その店に行ってとある品を買ってきた。それが目の前にあるものだった。
なんとなく後頭部を搔いて、掌に収まるほどの小さなボトルを手に取る。前に来て陳列棚にあるのを見つけたときから、気になっていた品だった。購入までに手に取っては戻して店内を歩き回り、また手に取って戻すのを繰り返して、購入を決心するのに小一時間ほど費やしたそれは、相手の肌にかけて楽しむためにつくられていて、口にしても大丈夫な食品になっている。
これなら――、自分も恋人に気持ちよくなってもらえるのではないだろうか。そんな期待を抱きながら、子規はずるずると机に突っ伏して、息を吐いた。でも。己はそれを、面と向かって彼に言えるだろうかと。
夜の交わりではいつも自分が気持ちよくされてばかりいる。だからたまには自分だって、主導権を握って彼のことを気持ちよくさせたいと子規は思う。それで目の前のものを買ってきたのは良かったのだが、けれど恋人に――、森に、これを森との行為に使いたいと思って買ってきたと言えるのか、なんだか不安になってきた。ぬくもりの籠もった優しい眼差しを向けられる中で、素面で言おうものなら、結局恥ずかしさで音も発せられないような気がする。
うう、と呻きながら顔を上げて、子規はしばらく考えに耽っていた。それからしばらくして顔を上げると、何かを思い定めた様子できりりと顔を引き締める。これはもう、酒の力を借りてしまおう。

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部屋を暗くして楽しみましょう R-18部分

「う…」
はぁ、と吐息混じりに森が呻く。それさえ様になるから、子規は肚の内側がきゅうと音を立てて縮まるのを感じてしまう。下着に手を掛けたのに応じて森が上体を起こした。腰を浮かせたのでそのままずり下げれば、剛直がぶるりと揺れて顔を出す。
体を起こして、ようやく容器を手に取った。蓋をひねる。きゅぽ、と間抜けな音を立てて開く。
掌の上で容器を傾ける。とろりと粘度のある透明の液体が糸になって垂れて、小さな水溜まりができた。掌で伸ばした時ふわりと香ったのは、苺の甘酸っぱい匂いだった。
「っ……」
「気持ちいい、ですか」
「っ、あぁ…っ、のぼる…」
「よかった。森さんの、…美味そうだ」
屹立したそれを、緩く握り混む。滑った手で上下に擦ると粘着質な音とともにそれはみるみるうちに硬く熱く、質量を増した。
悩ましげに瞼を閉じ、快楽から艶やかに息を漏らす森の姿に子規の胸は甘く締め付けられる。
下腹でてらてらと艶めかしく濡れそぼったものに顔を近づける。森のものであれば脈打つ凶悪な形のものさえ愛しいと思い――、先を口に含んだ。
先端に舌を這わせる。膜を張ったそれはさらりとした舌触りで、砂糖を足して煮詰めたように甘かった。吸い付けば先走りの苦味と混じって不思議な味になる。口に入れ込んでしまえば唇と舌先でくびれた形も、脈打つ熱さも分かって、感じてしまう。夢中で唇で食むようにして確かめて、上顎に擦り付けると、息苦しさを覚えながらも快楽がぞくぞくと走った。腹の奥が熱くうねる。知らず知らずのうち内股を擦り付け、突き出した腰を揺らしていた。
「ン、ぐ、んん、ん、っ」
「っ、く…のぼ、る……っ!ふ…」
頭に添えられた森の手、指先も燃えるように熱く感じた。息を詰めた、上擦った声にもこちらの性感も高められていく。咽そうになるのを堪えて、根元まで口内に収めて、また上下に擦れば森のものは膨れ上がって口の中に一杯になった。
口を離す。育ちきり、なんの支えもなく天を向き別の生き物のように脈打つものを前にして覚えるのは、これから与えられるだろう快楽への期待だった。溶けかかっていた頭の中は完全に溶けて、煮詰められている。
眉間に皺を寄せ、悩ましげな表情を浮かべる森の呼吸は荒く、顔もうっすらと紅潮していた。子規は快楽を堪える森の艶やかさにうっとりと細めた目をとろとろと和らげる。
今も透明な先走りを零す先端の噴出口に再び顔を寄せる。そしてちゅう、と態とらしく大きな音を立てて吸い付いて、促すように皮が重なり盛り上がった筋を舌でなぞり上げた。
「――ッ!」
森の怒張がびくん、と大きく震えた。瞬間、迸りが走る。喉奥へと注がれた子規の体も電流が流れたかのように波打つ。
子規の肚は埋まるものを、喉に注がれたものを、同じように欲してうねっていた。
一度欲を吐き出したばかりでは森も満足していないようだった。仄かに甘い匂いの残るそこに舌をもう一度這わせ、残滓を舐めとっているうちにまたむくむくと形を持っていく。
「のぼる…」
「んっ…は、い」
さわさわと頭を撫でられて、顔を上げた。請うように静かに名前を呼ぶ森の目は、声音に反して獰猛な色を宿していた。
何を求められているのか、目顔を見れば分かる。よろよろと体を起こし、足を跨ぐようにして膝立ちになって、肩に手を置き顔を近づければ、唇が押し当てられる。森の欲を飲み込んだばかりの口内で舌が動き回り、舐めとられる。顎裏も辿られてまた体の奥が疼いた。
「ああ、こんなに濡らして…」
「ふぁ、あっ、ンンっ!ぁ、だって、りんたろうさんが、きもちよさそうに、してた、からっ…!」
「そうか」
しゅるりと帯が擦れて解かれる音に、気付けば己の夜着もはだけていた。下着に手を入れ、森が直に触れた子規のものは中で濡れそぼっていた。張り詰めた己自身をぐりぐりと森の手に 押し付けている。気持ちがよかった。絡みつき、すべらかな森の手で柔らかく握り混まれて、擦られるだけで限界を覚えていた。
「――なら、お前も気持ちよくなってくれ」
「ひ、あぁぁあっ!」
下着がずり下げられてついに露出させられる。鈴口を親指の腹で擦られて、子規は呆気なく吐精した。
森の眼差しは肉食獣のようだった。声は昂ぶり楽しげで、普段なら真っ直ぐに引き結ばれているか、緩やかに弧を描くかの唇も、愉しげに笑っていた。
今、自分が森だけしか見ていないように、森も子規だけしか見ていない。自分だけが知る表情を向ける森に、子規は胴震いをして、ふうふうと息を吐いて笑んだ。
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