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最終更新日:2022年09月21日 23:48

だらだらと語る

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  SiNGU
  • 2018年04月29日 03:04

    護りたいもの・最終話の最初の部分にて
    『大樹で独りで泣いていた時期があったのが夢に現れた』部分の、実際に現実で起きていた出来事です。
    14話の説明文の方で『書き直した』と明記しましたが、実は書き直す前のお蔵入りした一部で、それを最終話にて改めて一部引用して出したという経緯があります。
    その為、殆どが最終話のコピペなうえ、途中で終わっていますが、それでも構わない方のみどうぞ。
    赤子側も母親を護ろうとしていた、という気持ちだったのかな、と思いつつ。
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     護りたいもの・大樹で現実のイレブンが経験したもの
     ――――――――――――

     イレブンはお腹を抱えて大樹の中を歩いていた。
     しばらく歩くと拓けた場所へ出る、その奥には勇者の剣が奉納されているこの大樹の中核部と呼んでいい神域、大樹の魂と呼ばれる聖なる光が大樹自身の蔓に守られて存在している。
     ふと足元を見ると、黒い小さな塊が目に入った、掌よりやや小さなそれ、お腹に気を遣いながらしゃがんで拾い上げる。
    (これ、欠片だ)
     ここでホメロスと戦った際に持ち込んでいた魔王の剣、最終的には砕けてしまったその欠片の一部だった。
    (……もう遠い昔の出来事みたいだ)
     時を渡った直後に起こった、自分だけが知る最初で最後の死闘、これさえ乗り越えられれば、全てが助かって世界が平和になると信じていた。その時は時を渡った事を仲間達に明かすつもりだった、けれども太古の昔に封印され復活した邪神が現れ、そして自身が懐妊したことによりそれは永遠に告げられなくなって。
     両手で包み込むように腹部を撫でる、何があっても護ると決めた命、これから先、たった一人で。
    「……怖いよ」
     そう思った瞬間、ぽつりとそれは無意識に零れた。
    「私、どうなっちゃうんだろう……」
     昔から落ち込んだり、恐怖に苛まれ一人になった時、こうして本来のイレブンが顔を覗かせる事があった。

     怖い、本当は怖くて怖くてたまらない。
     自分はちゃんとこの命を、護る事が出来るのか。
     これから、たった一人で、ずっと。

     腹部が膨らむのを実感していく内に早く会いたいという慈愛が溢れて産まれてくる日はまだかと楽しみに指折り数えるようになっていた。しかし反対に、産まれたら自分は母として新しい命を責任もって育てていかないといけないという重圧と責任が不安として日々積もっていった。
     それらは以前から天秤のように均等な比率でイレブンの心に存在していて、この命を護るという気持ちだけで上手く相殺して自身を保っていられた。
     この子の為にも自分がしっかりしないといけないのに、けれども今は強がれば強がるほど逆効果になっていって、こうしてふとした瞬間に天秤は傾いた。
    「たすけて……」
     何から? それはイレブンにも答えられない、ただこの押し潰されそうな不安を誰かに知って貰いたかった、誰かが受け止めてくれて理解してもらえるだけで良かった。
    (あ……)
     しかしその誰かは、イレブン自身が全て拒絶してしまったではないかと思い出す、家族も親友も仲間も、……最愛の人も全て自分が捨ててしまったのだという事を。
     自覚した瞬間、涙が溢れた。
     それは自業自得、もうイレブンには誰も居ない。

     誰も、居ない。

     苦しい、首を絞められたように息が出来ない、だから泣き叫ぶ事すらも許されなかった。

     ――トクン

    「えっ?」
     その時、しっかりしろと言いたげに、胎内からトン、と小突かれるような感覚が走り、思わずお腹を押さえる。
    (これって……まさか)
     最初は自覚なかった妊娠も、ここまでくれば胎動は少し前から感じていた、しかしはっきりとこうして動いている感覚は初めてで、驚きで涙は一気に引っ込んでこれまで抱えてた不安は気付いたらどこかへ消え失せていて。
    (……ごめん、僕は僕が出来る事をしないとね)
     胎内にいる命は必死に生きようとしていることに気付かされる、自分はここでうじうじと落ち込んでどうするんだと気を取り直した、不安は完全に失せた訳ではなかったが独り善がりなだけだと否定するように首を横に振って。
    (……もし、カミュがいたなら、どんな反応してくれたんだろう)
     無理に気を逸らそうとしたせいか、ふと、そんな事を考えてしまった。
     胎動を初めて感じた時、世話をしてくれているセーニャに話したら自分の事のように喜んでくれたが、どこかで寂しさを感じていた。
     最初は一人で産もうと思っていたのだから命の成長を喜んで共感してくれる人がいるだけで恵まれているのだと我儘や贅沢を言ってはいけないのは分かっている、しかしどこかで思ってしまうのだ、『父親であるカミュならどんな反応をしてくれたのだろう』と。
    (想像できないなぁ……)
     優しいのは知っているが、育ちもあってか現実主義寄りで冷静な部分もありつつも熱い所もある、大人な部分もあるがたまに子供っぽい所も顔を見せる、そんなカミュが子煩悩な所がなんとなく想像がつかなかった。けれども、物理的には器用な癖に、不器用に戸惑いつつも子供を可愛がる光景は何となく想像できて、思わず零れるようにクスリと笑って。
    (……でも、全部夢のような話だよね)
     しかしいくら思ってもそんな日は訪れない、イレブンはこの命を一人で護りきるしか道はないのだから。不安が完全に失せずにどこかで残っているのはそんな思いがあるからだろう、けれども確かに感じる胎動に、イレブンは優しく包むように腹部を抱き締めた。

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  • 2018年04月25日 02:00  
    ずくも様より頂いた、『護りたいもの』の表紙絵(ピクブラの仕様だと大きいイラストが見られないので)
  • 2018年04月25日 01:39
    終わった今だからこそこそっと公開、『護りたいもの~イヴの断片』のIFルート
    連載途中で思いついた没シナリオです、ちゃんとした話にする予定は今のところありません


    本当に設定だけを箇所書きにしているのでオチがありませんが、興味ある方のみどうぞ

    ※内容は本編でもしも聖竜がイレブンと会って『大樹に来なさい』と誘わなかったら、というIF設定

    この記事は省略されています。続きを読むにはここをクリックしてください。



    護りたいもの~IFルート


    1、そこはナプガーナ密林、10歳前後の子供が迷い込む。子供は魔物に追われており、逃げていたが追い詰められ、襲われるが間一髪の所で二人の旅人に助けられる。

    2、二人はカミュとセーニャ、イレブンは十年以上前に失踪しており、手がかりが一切掴めないのもあって、他の仲間が止めるのも聞かずに二人だけでイレブンを探して旅をしている、その為仲間以上の関係ではない。

    3、子供は物心ついた時から母親と二人きりで人里離れた場所で暮らしており、倒れた母親の為に薬を買いにデルカダールを目指していた。

    4、事情を知ったカミュとセーニャが放っておけないと子供に協力することに、セーニャが母親を診て薬を作る話に。

    5、しかし夕方だったのもあって、子供が住む場所に向かうのは明日以降とまずはデルカダールへ向かうことに。

    6、セーニャがその途中、世間話として子供に母親の名を訊く、しかし子供は「お母さんはお母さん、名前は知らない」ということ、そしてずっと二人きりで場所を変えながら生きてきた事を話して、不思議に思う。

    7、そうこうしている内にデルカダールに到着、中央の広場には約十年の間に勇者の功績を讃えてイレブンの銅像が建てられており、子供がそれを見た瞬間、呟く 「お母さん……?」


    ※補足:IFルートは本編で聖竜が大樹に導かなかった場合のイレブンが辿った運命、実は聖竜はこの未来を視ており、その運命を辿らない為にイレブンの元へ現れて大樹へ導いた。それ故に、イレブンがラムダでセーニャに見つかるのも知っており、ある意味、セーニャに見つかったのは予定調和だった。


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