最終更新日:2020年10月01日 00:47

ROUND-ROBIN

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TRICKSTER~江戸川乱歩「少年探偵団」より~
視聴記録・考証ログhttps://pictbland.net/blogs/detail/173から派生
二次創作用
総当たり的にCP組ませてます
リバあり
思いつきエロや、ワンシチュ的な文字数少ないSS
サムネはきゃらふとで作った井上先輩


【SS目次】
新→旧の昇降順


花崎←小林 https://pictbland.net/blogs/view_body/734905
花崎+小林 https://pictbland.net/blogs/view_body/420051
花崎+井上 https://pictbland.net/blogs/view_body/414205
花崎←井上 https://pictbland.net/blogs/view_body/407846
花崎+明智 https://pictbland.net/blogs/view_body/408449
勝田×井上 https://pictbland.net/blogs/view_body/388232
井上×花崎 https://pictbland.net/blogs/view_body/387734
井上×花崎 https://pictbland.net/blogs/view_body/383207
晴彦×花崎 https://pictbland.net/blogs/view_body/382669
井上勝田花崎 https://pictbland.net/blogs/view_body/336124
大友→花崎 https://pictbland.net/blogs/view_body/342808 
勝田×大友 https://pictbland.net/blogs/view_body/341450
井上×花崎 https://pictbland.net/blogs/view_body/336125
勝田×大友 https://pictbland.net/blogs/view_body/346078
  慈雨
  • 2017年10月03日 20:04  

    SS
    アニメ6話と7話の間
    小林が事務所の屋上に強制転居させられて、晴彦登場直前
    花崎が明智に同衾
    井上は花崎が好きだと自覚していない
    7/9に書いた小5花崎にからめようかどうしようか悩み中
    2752字
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     そろそろ九時になる。ガラス張りの事務所に、初夏の日差しがまばゆく降り注いでいた。
     井上は、デスクの電話に手を伸ばした。


     屋上から、小林が下りてきた。
     井上が「おはよう」と挨拶をしても、小林は不機嫌に生返事をするだけだ。ちらっとも見ない。
     小林は冷蔵庫をのぞきこみ、派手な舌打ちをして、階段を上がった。吹き抜けの上階は、明智の私室だ。ノックはしない。「なあ! おい!」と乱暴に呼びかけて、ドアを開ける。
     明智を起こすには、いい頃合いだ。午前中は予定がないとはいえ、一般企業の始業時間である。時間を見計らった依頼人も現れかねない。モーニングコールをかけるところだった。


    「なんで、おまえがそこで寝てるんだよ!?」
     眉をひそめて、井上は顔を上げる。デスク脇から見えるのは階段だけだ。
    「花崎!」
     小林は苛立ちを募らせている。
     花崎が、明智の隣で寝ているのだ。


    「腹減った! 何もねえよ!」
     小林に急かされて、花崎が階段を下りてきた。くせのない髪のサイドが、くしゃくしゃに乱れている。
    「おはよー、井上。コンビニ行ってくる」
    「猫はどうした?」
     花崎は欠伸をしながら、階上を指さす。
    「キャリーで借りてきた猫状態。ホテル見つかった?」


     昨夜、帰宅前に依頼が入った。予約していたペットホテルが使えなくなった。土日の入った長期滞在を引き受けてくれる施設が見つからない。早朝の飛行機で、海外出張に出るという。
     モーニングコールを兼ねて、花崎が猫を引き取りに行たのは、五時前だ。依頼人の煩瑣な要求にかなったホテルに預けるまでが、彼らの仕事だ。井上の出勤前には、野呂はいくつか見つくろってリストを作っていた。


    「寝てたのか」
     井上は、自分の頭をつついて、花崎に寝癖があることを示す。
    「ほとんど寝てねえもん。時間は守ったよ」
     手櫛で髪を撫でる花崎の瞼は、なかなか開かない。
    「……まぶしい……眠い」
    「だったら……」
     事務所の長椅子を使えばいい。花崎でも窮屈だが、いつも仮眠で使っているものだ。


    「花崎! 早くしろ!」
     エレベーターの前で小林は焦れている。
    「朝飯買って来るけど、おつかいある?」
    「ない。早く帰ってこい」
    「わかってるって」
     エレベーターに乗った花崎が、手をひらひらさせて、落ちて、消えた。


     報告ついでに、横になって寝入ってしまったという状況は想像できる。
     はじめて花崎を知ったときも、二人は一緒に寝ていた。
     花崎は、いつまでも子どものつもりでいる。明智も、花崎を子ども扱いしている。成長して、関係も変わったと感じているのは、井上だけであるらしい。


     小林の存在も、井上の焦燥感をあおる。
     花崎の重心がふらふら揺れているのは、今にはじまったことではない。毛色の変わった犬猫と小林は、おそらく花崎のなかでは同列だ。
     数年前、入院中の井上を、花崎はほぼ毎日訪れていた。病院は面白いからとうそぶいていた。
     あのとき、花崎が好奇心より強く抱いていたのは、憐憫ではなかったのか。今の小林のように、よりきわまった状況の相手を選んで、寄り添っていただけではないか。
     疑いは井上を蝕み、やるせない怒りで満たす。年少の花崎に哀れまれるほど、自分が弱っていたと認めたくない。


     デスクに置かれたビールの空き缶を潰した。
     昨夜も明智は晩酌をしている。足元のゴミ箱には、スナック菓子の袋が放りこまれている。夕方吸い殻を捨てた灰皿には、灰が小山を築いている。それらをゴミ袋に放りこむのが、ささやかな憂さ晴らしだった。


    「あれ、もう行ったか。飯頼もうと思ったのに」
     頭上から明智の声が降ってきた。キャットウォークの手すりのきしみに、ライターを遊ばせる音が混じる。
    「おはようございます」
     挨拶に不機嫌がにじみ出たことが、井上自身癪だった。
    「昨日、何本飲んだんですか?」
    「四本か五本?」
     煙草のにおいが、ひときわ強く漂ってきた。


    「飲み過ぎじゃないですか。花崎が寝てたのに、気付かなかったでしょう?」
    「気付いてたよ。あいつの気配はうるさいし、猫可愛いってわめいてたから。ホテル見つかった?」
    「まだです。邪魔なら、追い出せばよかったんです」
    「まだかさばるサイズじゃない」
     花崎は、明智の懐にするりと潜りこむ。小林とは、互いを危険にさらさない、もっとも近い距離を保つ。
     井上との間が、もっとも遠い。目の前にいても、隣に立っていても、たしなめるために花崎の袖を引いても、見えない障壁がある。


    「煙草吸うなら、灰皿使ってください」
    「うん、悪い」
     紫煙をくゆらせて、明智が階段を下りてくる。


     煙草とアルコールのにおいがしみついた男に勝てるものを、井上は何も持っていない。うとましい明智の悪習を差し引いても、花崎が求めている能力は、井上にはない。歩くこともままならない身である。この先の一生を賭けても、明智を凌駕するのは無理だ。
     指標が明智と花崎である自分に、ほとほと愛想が尽きる。視野狭窄にもほどがある。


     右脚が切り離されたとき、井上の世界は一度閉じた。
     新しい脚を与えられて選んだ場所は、明るく拓けていなかった。欺瞞と疑惑に満ちた人の営みを、低いところから見上げるだけだ。勝田の語る将来像に、自分が暗く狭い世界に生きていると思い知らされた。
     探偵が、井上の唯一の光明だった。手元で擦ったマッチのような、頼りない明かりだ。風に消されないように壁になり、その火を煙草につけるのが、明智だった。


     花崎とは不即不離で、悪い関係ではない。ありていに言えば同僚だ。
     それでは言い尽くせないものが、二人の間にはある。友人でも兄弟分でもない。表す言葉を探す手間を厭い、井上は花崎を手足のように使っている。何をしてもしなくても、花崎はそばを離れることはないと、心のどこかで安心していた。


     困窮したものを見つけるのが花崎の得意であるなら、明智にも何か脆さがあるはずだった。
     デスクに寄りかかって、男は煙草を吸っている。立ったままながめているのは、接客用の広いスペースだ。
     実物と見間違うホログラムの金魚を、床と天井に泳がせている。調度品は、好事家をうならせる趣味のよいアンティークだ。探偵が浮世離れした職業であることを、誇示するための道具立てである。欲得まみれの事件に調査料を吹っかけて、維持している虚飾だ。
     この足場を、井上は失いたくなかった。
     秘密が多い男だ。真偽の入り混じったつじつま合わせの過去は、あちこちほころびがある。そこからこぼれた謎を、少年たちは見て見ぬふりをしている。
     藪の中は蛇の巣窟だ。それ以上の情報は、今は、いらない。


    「先生?」
    「うん?」
    「灰が落ちます」
     空にした灰皿を差し出した。
     明智はデスクに腰掛け、腕を伸ばして受け取った。
     紙巻の半分以上が灰になっている。先端から白いものが二つ三つこぼれても、長く伸びた灰は崩れない。灰皿のふちでフィルターがはじかれ、それは砕けて熱を失った。









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キーワードタグ TRICKSTER  少年探偵団  リバーシブル  雑食  R18 
ピクログの説明 TRICKSTER~江戸川乱歩「少年探偵団」より~
視聴記録・考証ログhttps://pictbland.net/blogs/detail/173から派生
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思いつきエロや、ワンシチュ的な文字数少ないSS
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花崎←小林 https://pictbland.net/blogs/view_body/734905
花崎+小林 https://pictbland.net/blogs/view_body/420051
花崎+井上 https://pictbland.net/blogs/view_body/414205
花崎←井上 https://pictbland.net/blogs/view_body/407846
花崎+明智 https://pictbland.net/blogs/view_body/408449
勝田×井上 https://pictbland.net/blogs/view_body/388232
井上×花崎 https://pictbland.net/blogs/view_body/387734
井上×花崎 https://pictbland.net/blogs/view_body/383207
晴彦×花崎 https://pictbland.net/blogs/view_body/382669
井上勝田花崎 https://pictbland.net/blogs/view_body/336124
大友→花崎 https://pictbland.net/blogs/view_body/342808 
勝田×大友 https://pictbland.net/blogs/view_body/341450
井上×花崎 https://pictbland.net/blogs/view_body/336125
勝田×大友 https://pictbland.net/blogs/view_body/346078

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