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最終更新日:2021年08月01日 23:03

聖川高校保健体育副読本

非会員にも公開
サンリオ男子SS。
アニメとツイッターネタのみ(紙媒体・2.5の情報はほぼノータッチ)。
CP雑多混在・リバあり。由梨ちゃん大好き。
エロはそんなに書かないけど、不適切なことをやらかしかねないのでRつき。
各人一人称表記は、その時々で変えているので、公式と違うことがままあります(「オレ」「俺」キャラが複数いて判別しがたいので)
サムネはキャラットで作成

本スレ(雑記。萌え語りはこちら) https://pictbland.net/blogs/detail/159

◆◆◆目次◆◆◆

【康太、明かりをつけて。】 祐×康太 俊介  
 https://pictbland.net/blogs/view_body/706354

【ずるいともだち】1 祐×康太 俊介
 https://pictbland.net/blogs/view_body/706357

【ずるいともだち】2 祐×康太 
 https://pictbland.net/blogs/view_body/706359

【猫は丸いものが好き】 智→俊介 誠一郎
 https://pictbland.net/blogs/view_body/711983

【赤ずきん】 祐×菅見 康太
 https://pictbland.net/blogs/view_body/713259

【エイプリルフールはめぐる】 諒・康太・祐・俊介・菅見
 http://pictbland.net/blogs/view_body/821429

【聖川高校2年保健体育】康太・祐・俊介
 https://pictbland.net/blogs/view_body/866688
  慈雨
  • 2018年09月27日 04:00  

    【ずるいともだち】2

    祐×康太
    アニメ3話ラストで発熱した康太を、祐がお見舞い。
    『ずるいともだち』『康太、明かりをつけて。』は、放映終盤の18年2~3月頃書いていたもの。
    約4100字


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     ◆◆◆◆◆

     翌日、康太は発熱した。悪寒で座っているのもやっと、朝食はいつもの半分しか食べられなかった。
     学校は休んだ。
     薬を服んで寝ていたら、熱は引いた。土屋たちのメールに返信して、うとうとしているうちに、下校時刻になっていた。
    『プリンとシュークリーム、どっちがいい?』
     LINEに、マイメロのスタンプつきでメッセージが入った。祐だ。
    『今からお見舞い行くよ』
    『吉野も?』
    『しゅしゅ部活ゆうくん一人』
    『うちわかるの?』
    『わかんない』
     近くのコンビニにいるらしい。
     通話に切り替えて、道順を説明する。
     康太の家は、住宅街の込み入ったところにあって、目印になるようなものがない。案内に四苦八苦しているのに、祐は意を汲み取って、着実に家に近付いている。
     祐は、康太と同じ中学出身のクラスメートに訊いたが、家の正確な場所はわからなかった。だいたいこの辺りという、あやふやな情報を信じて来たという。
     康太は門先に出て、自転車の祐を手招きした。
    「祐って、本当に怖いもの知らずだよね」
    「そうかな」
    「知らないところなのに来るなんて、度胸ありすぎ」
    「だって、わかんなかったら聞けばいいじゃん」
    「知らない人に話しかけるだけでも、勇気要るんだよ」
    「今日はチャリだし、天気いいし、まだ明るいし、まっすぐ帰る気分じゃなくてさ。サイクリング気分で、ちょっとくらい迷子になるのも楽しそうじゃん」
     などと、祐は言うのだ。
     台所の母親に声をかけて、二階の自室に祐を通した。先に頼んでいた飲み物を取りに行くと、母親が色めき立っていた。
    「康太の友だちには珍しいタイプじゃない? イマドキっぽくてきれいな子ねえ」
    「そっくりな妹がいるよ。上がってこなくていいからね」
     部屋に上がると、祐は棚の上の古いプリンを見つめていた。
    「この間買ったちっちゃいプリンは?」
    「机の上。学校に持ってくのは、ハードル高い」
     ギフトゲートでは、身近に置ける文房具やキーホルダーを買った。ハンカチだけは、プリンを内側に折って持ち歩いている。ペンやファイルを、少しずつプリンに取り替えていくつもりではある。
     ベッドトレイを床に置いて、祐を座らせた。
    「昨日はごめんな」
     康太は紅茶を淹れる手を止めた。
     トレイを挟んで胡坐をかいた祐が、小首を傾げる。康太の反応を待っているようだ。
     何を謝られているのか混乱しそうで、ひとまず自分から一番遠い話題を振ってみた。
    「由梨ちゃんのこと? あの後、大丈夫だった?」
     昨夜、妹と激しいいさかいをして、祐は家を出ていってしまった。俊介と後を追ったのだが、見つけたときは、祐は妹と並んで歩いていた。
     家族の問題に立ち入ってはいけないと思いながら、昨日の祐は気にせずにいられなかった。いつも機嫌のよい祐が、妹を前にうなだれて、手をあげようとしたのは、康太にはショックだったのだ。
    「今朝は、由梨がご飯食べてった。今まで朝抜きで学校行ってたから、ほっとした」
     トレイの隙間に、買ってきた菓子を積み上げる。
    「祐がせっかく作ってたのに?」
    「お年頃だから。カロリーとか栄養バランスとか、考えてやらなくちゃ」
     祐に釣られて笑ってから、康太は顔を引き締めた。
    「祐、ずっとひとりで頑張ってたんだろ。吉野も、あんなにこじれてるって知らなかったって」
    「愚痴は聞いてもらってたよ。これからは、康太も聞いてね」
    「聞くけどさ。辛いときは、無理して笑ったら、辛くない?」
    「逆。笑ったら、気持ちが楽になるよ」
     虚勢を張り続けた祐の気持ちは、昨日ついに崩壊したのだ。
    「笑えなくなるくらい辛くなる前に、辛いときは辛いって言って。聞くことしかできないんだけど。昨日の祐、おれは見てて辛かった」
    「俺は嬉しかったよ」
     祐はにこにこと顔をほころばせる。
    「康太が、『ともだち』って言ってくれた」
     由梨に、売り言葉に買い言葉で口を滑らせた。友達である確信が薄いのは、今の祐の笑みが本心からか偽りなのか見抜けないからだ。
    「しゅしゅに注意されてたんだよね。康太と仲良くなりたくて、はやってるって。俺一人が仲間ができた気分でいるのかもって、実は心配してた」
     だらしなく口元をゆるめる祐は、作り笑顔ではない。
     康太も気持ちがほどけた。
    「プリン捜してくれたとき嬉しかったから、祐や吉野が困ってたら、おれも何かしたいよ」
    「なんだ、俺たち、相思相愛じゃん」
    「相思相愛の使い方、間違ってない?」
     昨日のキスが脳裡をかすめて、康太は慌てて揚げ足を取った。
    「まあ、おれにできるのは、卵買うくらいなんだけどね」
    「週五で来てくれるんでしょ?」
    「だから、それ、多すぎ」
    「スーパー行くだけなのに、俺は、すごく楽しかった」
     康太は声を失った。
    「お兄ちゃんだから」と自分を納得させていた祐は、我慢できなくなるほど鬱憤をためていた。日々の買い物も負担になっていたはずだった。そこにささやかな楽しみを見出せるなら、毎日付き合ってもいい。
     そう思ってしまうことが、祐に主導権を握らせているようで癪だった。
    「祐はずるいよ」
    「何が?」
    「祐が喜んでくれるなら、おれ、断れない」
    「だから、昨日もチューさせてくれたんだ?」
    「蒸し返すなよ!」
     意識しないように意識していたのに、たちまち顔が赤らんで、熱がぶり返してしまう。日中、まどろみが切れ切れに覚めては、記憶が浮上してうろたえていたのだ。
    「ごめんごめん。甘いもの食べて、機嫌直して」
     エクレアを差し出されて、康太は個包装の封を切った。口元に運んで、自分だけ食べていることがいたたまれない。祐はにこにこしているが、この笑顔が曲者なのだ。
    「祐は食べないの?」
    「食べるよ。自分で食べたくて買ってきたんだもん」
     個包装の継ぎ目を破って大きなシュークリームをつかみ、祐はかぶりつく。康太が二口めをかじるときには、シュークリームをたいらげていた。上唇についたクリームを舐め、喉を鳴らして紅茶を飲み干す祐を、康太は横目で見る。
     おとなしくしていれば上品な美形なのに、祐は豪快に食べる。昼食を一緒に食べるようになって、見た目を裏切るがさつさに驚いた。
     指を舐めながら紅茶を注いでいた祐が、顔を上げた。
    「康太、お茶なくなっちった」
     祐のティーカップの紅茶は、あと一滴でも落ちればあふれてしまいそうだ。
    「もらってくるよ」
    「いいよ。俺が行く」
     言うより早く立ち上がって、祐は階段を下りていく。
     康太は苦笑して、うつむいて、ため息をつく。
     やっぱり祐はかっこいい。思い立ったら即実行なんて、小さなことでも康太には真似できない。全面降伏してしまう。女子に囲まれている祐にも、町田のようなやっかみはない。自分とは違いすぎる祐が、サンリオという共通点だけでつながろうとしているのは、康太には謎である。
     階下から、母親の笑い声が聞こえた。祐の笑い声も、絶え絶え入る。
     康太は体育座りをほどいて、戸口までいざっていく。二人の姿は見えないが、母親が華やいだ声で相づちを打っている。それじゃ、と祐が話を切り上げた。
     康太はハイハイで元の位置に戻り、ベッドに寄りかかって膝を抱える。
     ティーポットと大きいペットボトルを持ってきた祐は、ちらっと棚のプリンを見た。
    「康太の好物って、プリンの耳なんだって?」
    「ええ!? それ、母さんが言った?」
    「言ったろ、手料理ご馳走するって。好きな食べ物リサーチしたのよ。今も食べてんの?」
     それは笑い草になるはずだ。母親の口の軽さと、祐の誘導のうまさは、康太が身をもって知っている。康太は裸にされていたかのようで、いたたまれない。
    「してないよ。やだな、子どものころの話なのに。他にも変な話した?」
    「内緒」
     祐は、康太の隣に腰を下ろす。右腕を、ぴったり康太の左側にくっつけてくる。
    「熱、はからせて」
     言ったときには、祐の手が額に当てられていた。
     祐の少し荒れた指先が、冷たい。気持ちいい。
    「かなり高くて、飯食えなかったって?」
    「もう下がってるよ」
     額の手が頬に下りて撫でる。そこだけが、より熱く火照る。
    「まだ熱残ってるだろ。目が潤んでる」
    「……そう?」
     明るい場所で、目の色がわかるほど間近で見つめられている。
     目線を外して、頬の手から逃れようとすれば、祐に体が寄り添ってしまう。離れたいのにどうにもできないという膠着状態に、康太の体はこわばった。
    「おやつ食べたら帰るね」
     祐の手が離れた。
     名残惜しさを感じている自分に、康太は戸惑う。祐にどうされたいのか、自分でもわからない。しかも、主導権を祐に預けてもよいと考えているらしい。
    「明日は元気になって、一緒に昼飯食えるといいね」
    「うん……二人で?」
     トッポの箱を開けた祐が、顔を上げた。
    「しゅしゅがいた方がいいんだろ?」
    「そうだよ」
     三人の方がきっと楽しい。祐がずるいことをしたら、俊介がとがめてくれる。
    「プリンのカフェ、行こうか?」
     昨日と同じことを、祐は訊く。
    「いつがいい?」
     康太は答えを変えた。
     祐は、満面の笑みで言う。
    「土曜か日曜に行っちゃわね? 来週はテスト前期間に入るから、壮行会みたいな感じで」
    「何だよ、それ」 
    「行かない?」
     祐は、袋の端を破って、トッポを一本押し上げる。
     唇を刺すように差し出されて、康太はくわえて、指を添えながら袋から抜いた。
     祐が、もう一方の端をつまんで、噛む。体を斜にして、上目遣いで見ながら、右手で康太の左の指先をまさぐっている
    目を伏せれば、祐が小気味よく齧る音がより大きく聞こえる。
     癪に障る。康太は、唇に挟んだまま動けないのだ。
     落とすことを怖れて、康太がトッポをつかもうとすると、その手もつかまれた。右手の指も押さえこまれている。祐は力を入れていない。
     祐は、追いこみながら、康太に逃げる隙も作っている。
    「……ずっこいな、祐は」
     軽く触れた祐の唇が、ふふっと笑みを含んだ熱い息を吹く。
     階下では、スリッパがパタパタ忙しく音を立てている。台所に母親がいる。
     康太は短くなった菓子を噛み砕く。チョコレートより、カスタードクリームより甘いものを、今から二人で味わうのだ。


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聖川高校保健体育副読本

キーワードタグ サンリオ男子  リバ  雑食  長谷川康太  水野祐  吉野俊介  西宮諒  源誠一郎  松尾智  菅見直樹  水野由梨  R18 
ピクログの説明 サンリオ男子SS。
アニメとツイッターネタのみ(紙媒体・2.5の情報はほぼノータッチ)。
CP雑多混在・リバあり。由梨ちゃん大好き。
エロはそんなに書かないけど、不適切なことをやらかしかねないのでRつき。
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サムネはキャラットで作成

本スレ(雑記。萌え語りはこちら) https://pictbland.net/blogs/detail/159

◆◆◆目次◆◆◆

【康太、明かりをつけて。】 祐×康太 俊介  
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【ずるいともだち】1 祐×康太 俊介
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【ずるいともだち】2 祐×康太 
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【猫は丸いものが好き】 智→俊介 誠一郎
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【赤ずきん】 祐×菅見 康太
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