聖川高校保健体育副読本
アニメとツイッターネタのみ(紙媒体・2.5の情報はほぼノータッチ)。
CP雑多混在・リバあり。由梨ちゃん大好き。
エロはそんなに書かないけど、不適切なことをやらかしかねないのでRつき。
各人一人称表記は、その時々で変えているので、公式と違うことがままあります(「オレ」「俺」キャラが複数いて判別しがたいので)
サムネはキャラットで作成
本スレ(雑記。萌え語りはこちら) https://pictbland.net/blogs/detail/159
◆◆◆目次◆◆◆
【康太、明かりをつけて。】 祐×康太 俊介
https://pictbland.net/blogs/view_body/706354
【ずるいともだち】1 祐×康太 俊介
https://pictbland.net/blogs/view_body/706357
【ずるいともだち】2 祐×康太
https://pictbland.net/blogs/view_body/706359
【猫は丸いものが好き】 智→俊介 誠一郎
https://pictbland.net/blogs/view_body/711983
【赤ずきん】 祐×菅見 康太
https://pictbland.net/blogs/view_body/713259
【エイプリルフールはめぐる】 諒・康太・祐・俊介・菅見
http://pictbland.net/blogs/view_body/821429
【聖川高校2年保健体育】康太・祐・俊介
https://pictbland.net/blogs/view_body/866688
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2018年10月04日 06:29
【赤ずきん】
祐×菅見 康太
生活指導をする菅見に、やましいことは何もないと主張してストリップする祐
約3800字
今年のGW、Twitterで祐が先生から呼び出されていたのを見て、書いていたもの
康太が、祐と先生それぞれをどう思っているのか決められずに失速、放置
先日もTwitterで、先生のプライベート写真を祐が上げていたので、おつきあいしていたのかと改めて思った
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◆◆◆◆◆
「もっと、ちゃんと見て」
水野は、菅見の膝を挟むように立った。
頬にかかる髪をかき上げ、左耳を前に突き出す。薄く細長い耳朶には、傷跡もない。
放課後の生物準備室に水野を呼んだのは、生活指導のブラックリストの水際にいることを知らせるためだった。受け持ちのクラスではないし、特定の生徒に深入りするのはどうかと、菅見は自分をたしなめた。
聖川の校則はゆるい。警察沙汰にでもならなければ目こぼしはされる。水野は学校指定の制服を着ているし、ほぼ皆勤だ。非行歴もない。ただし、派手な容姿と、複数の女子生徒と親しいことは目を引く。それを理由に、後ろ暗いことをしているに違いないと決めつけて、水野を毛嫌いしている教員もいるのだ。
当然、水野も気付いていた。わかる人がわかっていればいい、というスタンスで、改めるつもりはないらしい。
だってピアスも開けてないんだぜ、と水野が確認を迫ってきたのだ。
「体も見る?」
「……いや」
菅見が顔をそむける。
「見てよ」
水野の片膝が、菅見の太腿に乗る。
ネクタイをほどく水野の指先から、チョコレートとバニラの香料が強く匂った。
「また、教室で何か食べてたのか?」
「おやつおやつ。昼飯がっつり食っても、腹減っちゃう。育ち盛りだし」
「だから、目をつけられるんだ。生活態度を改めるだけでも、人の見る目が違ってくる」
「俺、普通なんだけど? これ以上何しろって?」
休み時間に間食している生徒は珍しくない。水野より服装が乱れている者もいる。
生活指導で厳しくマークしている生徒は、他にもいるのだ。水野だけが特別ではない。
シャツのボタンをはずした水野は、前立てを左右に開いて見せる。
「タトゥーもピアスもないよ」
「……ああ」
肌のきめまで見える距離の近さが気まずい。
菅見は目をはずし、窓に顔をそむける。
「どうして、窓閉めてんの?」
水野は、視線までもしつこく追いかけてくる。
昼休みにブラインドを閉めて、そのままだた。上階の渡り廊下から、生物準備室は丸見えになる。うしろめたいことはないが、のぞきこんで他愛もないことも話し草になるのは気分がよくない。
午後の数十分、初夏の強烈な陽射しがさしこむことにも、菅見は閉口していた。資料の日焼けは防ぎたい。
きわめてまっとうな理由を答えることが、菅見には面倒だった。
「先生、もっと見る?」
「見たくない」
だめを出しても、水野は自分の気分を通すのだ。押し問答の手間は省きたい。
水野とのやりとりは、体力が目減りする。まともに取り合っていたら、疲れるだけだ。
今の状況が好ましくないのは、もちろん、菅見にはわかっている。体罰に見えかねない。女子生徒が相手なら、淫行も疑われる。どう転んでも、菅見は加害者扱いだ。水野が被害者を決め込むなら、普段はこの生徒を疎んじている教員たちも、菅見を突き放す。
そこまで考えて、菅見はふっと笑みをもらした。
「なんかおかしい?」
「いや……肌が白いと思って」
「日焼けしても、すぐさめちゃうしね。なんで?」
「さあ? 代謝がいいのか」
「ビタミン取ってるよ、ビタミンC。妹もお年頃だからさ、にきびとかかわいそうじゃん」
「結構筋肉ついてるな、帰宅部なのに」
「家事してるとき、意識して負荷かけたりしてる」
「家のこと、大変なのか?」
「まあ、誰かがやんないといけないことだし、オレが今のとこ一番暇だし」
「えらいな」
「もっとほめていいよ」
「調子に乗るな」
「もっとほめて」
「いい子だ」
あきれてリクエストに応えただけなのに、水野は心底嬉しそうな顔つきになる。
「だが、チャラい」
「それとこれとは、関係ないじゃん」
「人は見た目で判断するものだ」
「見た目だけで分かった気になってる人なんて、どうでもいいよ。先生とか康太とかがわかってくれてれば」
「ずいぶんと小さい世界で生きている」
「家と学校だけだもん、オレの世界。あと、メロちゃん。メロちゃん、大事」
ボタンをはずしたカーディガンを、シャツごと肩脱ぎにして、水野は背中を向けた。
背骨が太い。肩胛骨も丸く隆起し、背中だけ見ていると、少年期をすでに脱してしまったようだった。
「何もないっしょ?」
「……ああ」
水野はシャツを肩まで引き上げ、ズボンの布ベルトをゆるめる。
「下も見るのか?」
「パンツ脱いでもいいよ」
「遠慮する」
「だってさ、このあたりに入れ墨入ってるかもしれないじゃん」
体をひねりながら、水野は尻を向ける。前から見えばシンプルなグレーのボクサーショーツには、ハローキティのイラストが入っていた。
「それは……吉野が好きな奴じゃないか?」
「そそ。しゅしゅの家で寝落ちして、そのまま登校したときに貰った。もちろん新しい奴ね」
「キャラがどうのっていうより、水野はピンクのイメージが強いから、赤いのは少し違和感あるな」
「それは、オレがピンク派だから。メロちゃんは赤い子もいるよ」
菅見の膝に、水野の片膝が乗る。
「見て、先生」
水野が内股を見せようとして、菅見の膝も開きそうになる。うんざりと視線を落として、目を剥き、菅見は額を押さえた。
水野の太腿に、赤いマイメロディがいた。
「タトゥーシールだよ。可愛いっしょ?」
「……一瞬、本物の刺青かと思った」
この生徒なら体に墨を入れかねない、と一瞬菅見は疑ってしまった。派手な生徒を色眼鏡で見てしまうのは、教員の職業病ともいえた。
「驚いた?」
「ああ」
「脱いだ甲斐あったわ。誰も驚いてくれないから、ちょっとしょげてた」
「見せて回ってるのか?」
「昨日体育で、着替えるときにね」
「結構もつものだな」
「ね? ボディソープつけてスポンジでこすっても、全然落ちねえの」
「たわしや軽石なら一発で落ちるだろう」
「玉の肌もメロちゃんも、そんな野蛮な道具で傷つけたくないです」
「玉の肌だと、自分で言うのか?」
「じゃあ、もち肌?」
水野は自分の内股を撫でる。
「先生、触ってみなよ。女子にもうらやましがられてるんだぜ」
「遠慮する」
「若いぴちぴちした肌にタダでお触りできるんだよ。ご遠慮なさらずに、どうぞ」
手首をつかまれて、菅見は息を呑んだ。
水野の手の大きさも力強さも、成人男性のそれだ。油断をすれば、菅見は押えこまれてしまう。
「水野、離しなさい」
「じゃあ、触って」
「しつこい」
邪険にならない程度の荒っぽさで逃れようとしても、水野のいましめがきつくなるだけだった。
高校生は、バランスの悪い生き物だ。菅見には、オタマジャクシがカエルに変態する過程を思わせる。心も体も不格好で、観察対象としては興味深い。
今の菅見にとって、生徒は収入源となるお客様だ。友達ではない。
水野、と今一度静かに呼びかけ、いましめを解かせようとした。
ドアが、小さな音を立てた。
水野の指がゆるんだ。
案外臆病なのかと、菅見は微笑する。風が通り抜ければドアが揺れるほど、校舎全体が老朽化している。
ドアが滑る音に、菅見の血の気が引いた。
「失礼します」
遅れて挨拶する声は、二年の長谷川だ。
水野の指に、また力が入る。
「やっぱ、祐、いた。何してんの?」
長谷川は、あきれたような口ぶりで問いかける。
「先生にレイプされかけてる」
「嘘つくなよ。先生が困ってる」
笑いを含んだ長谷川の声に、菅見は安堵する。
闖入者が長谷川であったのは、不幸中の幸いだった。長谷川は、水野の日頃の言動を知っている。瞬時に菅見を被害者だと判別したのも、そのせいだ。
「長谷川、水野を連れていってくれ」
振り返っても、戸口に立っている長谷川は見えない。
「話は終わったんですか? ていうか、祐、何で服脱いでるの?」
「生活態度が悪いとかなんとかだから、ピアスもタトゥーもないきれいな体ですって、見てもらった」
「俺は見ないって言ったぞ」
菅見は、一応の抗弁をする。
「でしょうね。祐が勝手に脱いだんだ」
「うん。メロちゃんを見てもらった」
水野は、上機嫌で、ズボンを引き上げ、ベルトを締める。
「メロちゃんって、太腿の? まだついてるの?」
「はっきりくっきり」
「先生がいい迷惑だよ」
生徒二人が気心の知れた会話をしているのを、菅見は頬杖をついて聞き流している。
目の前には、シャツの一番下のボタンをはめる水野の指がある。短く丸く切り揃えた爪は、波に磨かれた桜貝のように光っている。
「……マニキュア?」
菅見の呟きに応じて、水野は両手を広げて見せる。
「マニキュア? してないよ。料理作る手は、きれいにしておいた方がいいでしょ?」
グーパーと手を結んで開き、水野はネクタイをゆるく締めた。カーディガンのボタンは留めずに、水野は菅見から離れた。
菅見の膝が、ひやりと冷たくなった。水野の脚が、今の今まで密着していたことに気付いた。
「それじゃね、先生。バイバイ」
菅見は、椅子ごと体を回して、机に向かった。「気をつけて帰れよ」と、教員らしく、注意を促した。
水野は、肩越しに手を振って、準備室を出て行く。
「先生」
長谷川は、引き戸にかけた手を止めた。
「さようなら」
正面の長谷川に、菅見は息を呑んだ。
感じの良い控えめな少年は、似つかわしくない棘のある微笑を浮かべていた。戸は静かに閉められた。
菅見にとって水野が特別であることを、長谷川は気取っている。
警告されずとも、菅見は彼らの領分を侵すつもりはない。軽々と領域を越えるテロリストにも、抗し続ける自信はあった。
これからも、菅見は、生徒たちの傍観者であり続けるのだ。
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