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投稿日:2022年10月09日 23:41    文字数:3,952

この身に余る幸福だろうか。

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クラウドと仁がただえっちしてるだけ。
・攻めのアナル舐め
これらの要素が含まれますので、苦手な方は注意願います。
1 / 1



今のところの自宅になる、馬鹿みたいに大きい邸宅の大きな門をくぐり引き戸を開けた。
大層な仕事ではなかったが、埃にまみれた身体を一刻も早く洗い流したい。武器とヘルメットを土間に置き、奥へと歩を進める。
仁はもう帰ってきているだろうか。連日連夜色んなところを飛び回って、ようやっと落ち着けそうだと言ってはいたのだが。
がらりと奥の部屋の戸を開けようと手を掛ける。
「!」
ぬるりと伸びてきた手が腕を掴む。引っ張り込もうとする力に従って、部屋に足を踏み入れた。
「遅い、クラウド」
「悪い、少しだけ手間取った」
手の主、無論仁なのだが、部屋の明かりもつけずに俺を待っていたらしい。
こちらを見る目は据わっているが、どうもそれだけでは片付けられない色が混ざっている。
「なあ、はやく」
命令の形を取っているのに、どこか媚びるような言葉。
……だいぶキているらしい。
かくいうオレも長らくご無沙汰だったから、早いところ雪崩込みたいのは山々なのだが。
「仁、シャワーだけ浴びさせてくれ」
血腥い身体でセックスをする趣味はない。今のところは。
ぎゅっと握られていた腕がようやく開放されたので、部屋を出て風呂に向かう。
駆け出しそうになる足をなんとか抑えて。


◇◇◇


多少おざなりではあるが髪を拭って、下だけは服を着て扉を開けた。
流石に豆電球だけは点けられていたが、当の本人はシーツにくるまってそっぽを向いていた。
蓑虫状態になっている身体を撫でると、むくりと起き上がってこちらを向いた。
「ただいま、仁」
「……おかえり、クラウド」
薄っぺらい服を着ただけで待っていた仁の頬を撫でる。
掌に頬を押し付ける様は懐いた猫のようで、思わず顔が綻ぶ。
「今日は、どうされたいの?」
一晩中抱き締められているだけで満足?
無論、そんな訳がないと分かった上で聞いている。そういう気分ならもっと穏やかな顔と気配で誘ってくる。
今まではどうやって重圧とストレスを紛らわせていたのか不思議でならない。
俺と会う前に壊れないでいてくれて良かった。
「、ひどく、されたい」
両腕が首に回る。ぐいと引き寄せる力に従えば、躊躇いの失せたキスが寄越される。少しだけかさついている唇だけでも、激務が察せられる。
ひどくしてくれ、なんて言われても手酷く扱うつもりなんてさらさらない。
ただ、泣き喚いても聞き入れない可能性はあるけども。
名残惜しげな顔ににっこりと笑みを返して、下肢に手を伸ばす。
さっさと下着も取り払って、未だ萎えている陰茎を尻目に、後孔へと手を伸ばす。
機会があればこっちだけを弄くり倒すのも悪くないだろう。
どんな声で啼いてくれるだろうか。なんて、詮無きことを考えながらシーツに飛び込んだ。


◇◇◇


オレが来る前に支度は済ませてあったらしい、指程度なら難なく飲み込む後孔を広げるように指を遊ばせる。
ちらりと顔をみると、目元を隠す腕。俺が施しているのを見るのが恥ずかしいのか、最初の頃から癖づいてしまっているのだけれども。
それでも、顔、見たいな。
片手で抱えていた脚を押し込み、ギリギリのところまで開かせる。
「仁、足持って」
おそるおそるといった具合に腕の合間から目元が覗く。とんとん、と指で太腿を叩くと、ゆっくりと伸びてきた手が膝の裏に回る。
「そう、いい子。そのまま支えててね」
ぐちぐちと水音のする秘部から、一旦指を引き抜く。
いつもとは違うやり方を訝しむような顔をしつつも、ちゃんと聞いてくれるんだよな。
口を開いて、舌を伸ばす。
咥えようとする瞬間に、一瞬ぎゅっと目を閉じる癖。騙すようでちょっと良心が咎めるが。
散々指で解したせいかくぱくぱと収縮している縁を、ゆっくりと舐め上げる。
「!、ひ、ぇっ。おま、なん、」
閉じていた目が見開かれる。
唾液を絡ませた舌先を尖らせ、先端だけを押し込む。熱いくらいのナカをちろりとなぞって、すぐに引き戻す。
引き剥がそうと両手は頭に置かれているが、まともに力の入っていない腕が申し訳程度に髪を掴むくらいしか抵抗らしい抵抗はない。
それ以上に、支えをなくした両足が行き場のない羞恥の発散をしかねないほうが心配なのだが。
舌を動かしながら、どうでもいいようなことをつらつらと考える。
「っ、それ、やめろ…!」
ぎゅむ。
温かな体温が、そこそこの力強さで頭に押し付けられる。
いっそ加減なしに蹴られるかくらいのことは考えていたから、予想外といえばそうなのだけれど。動きを止めてしまったのは不可抗力だろう。
どうにか動きを狭めようとするあまり、両足で顔を挟みこむ形になっているのには、気付いているのだろうか。
しっかりと鍛え上げられた筋肉に押さえ込まれているようなものだから、暖かいし圧迫感があるのも自明である。
というか、痛い。髪を引っ張られるのもそうだが、こころなしか頭がミシミシ言っているような気もする。力加減のネジがだいぶ緩くなっているからか、挟み潰されそうな勢いである。
まあ、力加減なんてしなくても俺は構わないし、頭が潰れた程度で死ぬことができるのかも怪しいところではある。
セックスの最中に死んだなんてジョークにもならない。
生憎と両手はフリーだ。一旦顔を上げて、力のこもっている足を掴む。尚も閉じようとしてくるのを、腹にくっつくくらいまで押し上げる。
特に仕込んだわけじゃないのだが、律儀に膝を曲げて見えやすいようにしてくれるところとか、やっぱりマゾの気があるんじゃないか。
「ほら、足」
自分で支えてって言ったでしょ。
ほんの少しだけ語気を強めて言えば、素直に従ってくれるのも、俺の頭を退けようとするのに必死で、真っ赤になった顔を隠せていないのも、すごく可愛いと思う。
「は、ぁっ…。ん、ふっ……」
快楽に直結するほどではないにしても、鼻にかかった声が少しずつ増えて、時折身体は軽く跳ねる。
「!、ひ、んっ」
ふうっと息を吹きかけると、一際大きく下半身が震える。
反応が良かったのは、後孔よりも少しだけ上のあたり。いっとう奥まったところを指でなぞると、耐えきれないとばかりに喘ぎ声が上がる。
「あ、ああっ。ん゛ん〜〜〜!」
舌を動かすことはやめずに、指だけは撫でるようにそのあわいを擦り続ければ、ばたりと足が跳ねる。
「イキそう?」
興味本位ではじめたことだが、達しそうになるほど快感を拾えるとは思っていなかった。
こくこくと返ってくる頷きに、指で押す力をほんの少しだけ強める。
「ふ、あ゛ぁっ…!も、だめ、らってぇ……」
いつの間にか勃っていた陰茎は、だらだらと先走りを溢していて。
登り詰める、その寸前で指を離す。
「あ、え……?なん、で…?」
既のところで達することができないまま、煮凝る欲を抑えつけるためか、ぜえぜえと荒い息を整えようとしているところ悪いのだが、限界だ。
「挿れるぞ」
返事を待つ余裕は俺にだってありはしない。
散々に弄くり回してきたからかほとんど抵抗もなく飲み込まれていく感覚に、思わず深々と息を吐く。
「っ、はーーっ、クッソ、たまんないな」
小刻みに揺すりながら、腰を掴みなおす。この自制の効かなさだと痕は確実に残ってしまうなあなんて、頭の中に冷静な部分が残っているのが妙に笑えてしまう。
「、な、に…かんがえてる…!」
笑い声を聞き咎めたのか、恨めしげな声が飛んでくる。
「なあんにも。仁のことしか考えてないよ」
こんなに強くて美しい男が、オレなんかに身体を許してすべてを委ねてくれているのだから、真摯に向き合わないなんて不埒以外の何者でもないだろう。
「なら、集中、しろ…!目の前の俺のことだけ、見てろ!」
「、」
その台詞はもしかしてもしかすると無意識だったりするのだろうか。普段の仁は恥ずかしがってあんまり直接的な愛情表現をくれない。それがこの言いようである。
お互いにだいぶ頭は茹だってるだろうが、これはむしろ素面に戻ったとき恥ずかしがっている様が楽しみでもあるような。
またつらつらとどうでもいいことを考えてしまったが、今日は驚きで静止してばかりだ。
こんなに熱烈な口説き文句を言わせたのだ。相応に応えねば。
「はは、言われなくたって。……反らせるわけないだろ」


◇◇◇


「ん、んぅっ…、ひ、んっ!」
ずるりと抜ける寸前まで引き抜いて、奥の行き止まりまで貫く。
肉どうしのぶつかる音と、泡立つ水音が耳からも犯してくるようで、理性がこそげ落ちていくのが分かる。
「あっ、あ゛、あぁ、んっ」
打ち付けるたびに締まるナカに、絶頂がすぐそこまで迫ってくる。
不意に、両手が伸びてくる。首に回ったそれが身体ごと引き寄せたがるのに従って、上半身をぺったりとくっつける。爆速の心音が聞こえる。
「くらうど、きす、きすして…ん、」
望まれるがままに、唇を重ねる。開いた隙間から舌を絡めて、混ざり合った唾液を啜る。
貪るように口付けを交わしながら、腰を大きくグラインドさせる。
「ん、ん゛ん゛っ、ん゛ぅ〜!!、」
先に絶頂したのは仁のほうで、びくんびくんと跳ねる下肢を押さえつける。一際キツく締まるナカに、抗うことなく吐き出す。
「く、あぁ…、んっ」
ずるりと引き抜けば、緩んだ後孔から溢れてくる欲望の証に、わかりやすく血が集まる。
こちらを向く物欲しげな視線に、にこりと笑みを返す。
「いいよ、今日はトぶまで抱き潰してあげる」
「のぞむ、ところだ」
焚き付けるような言葉に反して、互いに伸ばした手は固く繋がれてほどけない。
溶け合うようにまぐわって、ほんとうに泥みたくひとつになれたら、それはどんなに。


 
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今のところの自宅になる、馬鹿みたいに大きい邸宅の大きな門をくぐり引き戸を開けた。
大層な仕事ではなかったが、埃にまみれた身体を一刻も早く洗い流したい。武器とヘルメットを土間に置き、奥へと歩を進める。
仁はもう帰ってきているだろうか。連日連夜色んなところを飛び回って、ようやっと落ち着けそうだと言ってはいたのだが。
がらりと奥の部屋の戸を開けようと手を掛ける。
「!」
ぬるりと伸びてきた手が腕を掴む。引っ張り込もうとする力に従って、部屋に足を踏み入れた。
「遅い、クラウド」
「悪い、少しだけ手間取った」
手の主、無論仁なのだが、部屋の明かりもつけずに俺を待っていたらしい。
こちらを見る目は据わっているが、どうもそれだけでは片付けられない色が混ざっている。
「なあ、はやく」
命令の形を取っているのに、どこか媚びるような言葉。
……だいぶキているらしい。
かくいうオレも長らくご無沙汰だったから、早いところ雪崩込みたいのは山々なのだが。
「仁、シャワーだけ浴びさせてくれ」
血腥い身体でセックスをする趣味はない。今のところは。
ぎゅっと握られていた腕がようやく開放されたので、部屋を出て風呂に向かう。
駆け出しそうになる足をなんとか抑えて。


◇◇◇


多少おざなりではあるが髪を拭って、下だけは服を着て扉を開けた。
流石に豆電球だけは点けられていたが、当の本人はシーツにくるまってそっぽを向いていた。
蓑虫状態になっている身体を撫でると、むくりと起き上がってこちらを向いた。
「ただいま、仁」
「……おかえり、クラウド」
薄っぺらい服を着ただけで待っていた仁の頬を撫でる。
掌に頬を押し付ける様は懐いた猫のようで、思わず顔が綻ぶ。
「今日は、どうされたいの?」
一晩中抱き締められているだけで満足?
無論、そんな訳がないと分かった上で聞いている。そういう気分ならもっと穏やかな顔と気配で誘ってくる。
今まではどうやって重圧とストレスを紛らわせていたのか不思議でならない。
俺と会う前に壊れないでいてくれて良かった。
「、ひどく、されたい」
両腕が首に回る。ぐいと引き寄せる力に従えば、躊躇いの失せたキスが寄越される。少しだけかさついている唇だけでも、激務が察せられる。
ひどくしてくれ、なんて言われても手酷く扱うつもりなんてさらさらない。
ただ、泣き喚いても聞き入れない可能性はあるけども。
名残惜しげな顔ににっこりと笑みを返して、下肢に手を伸ばす。
さっさと下着も取り払って、未だ萎えている陰茎を尻目に、後孔へと手を伸ばす。
機会があればこっちだけを弄くり倒すのも悪くないだろう。
どんな声で啼いてくれるだろうか。なんて、詮無きことを考えながらシーツに飛び込んだ。


◇◇◇


オレが来る前に支度は済ませてあったらしい、指程度なら難なく飲み込む後孔を広げるように指を遊ばせる。
ちらりと顔をみると、目元を隠す腕。俺が施しているのを見るのが恥ずかしいのか、最初の頃から癖づいてしまっているのだけれども。
それでも、顔、見たいな。
片手で抱えていた脚を押し込み、ギリギリのところまで開かせる。
「仁、足持って」
おそるおそるといった具合に腕の合間から目元が覗く。とんとん、と指で太腿を叩くと、ゆっくりと伸びてきた手が膝の裏に回る。
「そう、いい子。そのまま支えててね」
ぐちぐちと水音のする秘部から、一旦指を引き抜く。
いつもとは違うやり方を訝しむような顔をしつつも、ちゃんと聞いてくれるんだよな。
口を開いて、舌を伸ばす。
咥えようとする瞬間に、一瞬ぎゅっと目を閉じる癖。騙すようでちょっと良心が咎めるが。
散々指で解したせいかくぱくぱと収縮している縁を、ゆっくりと舐め上げる。
「!、ひ、ぇっ。おま、なん、」
閉じていた目が見開かれる。
唾液を絡ませた舌先を尖らせ、先端だけを押し込む。熱いくらいのナカをちろりとなぞって、すぐに引き戻す。
引き剥がそうと両手は頭に置かれているが、まともに力の入っていない腕が申し訳程度に髪を掴むくらいしか抵抗らしい抵抗はない。
それ以上に、支えをなくした両足が行き場のない羞恥の発散をしかねないほうが心配なのだが。
舌を動かしながら、どうでもいいようなことをつらつらと考える。
「っ、それ、やめろ…!」
ぎゅむ。
温かな体温が、そこそこの力強さで頭に押し付けられる。
いっそ加減なしに蹴られるかくらいのことは考えていたから、予想外といえばそうなのだけれど。動きを止めてしまったのは不可抗力だろう。
どうにか動きを狭めようとするあまり、両足で顔を挟みこむ形になっているのには、気付いているのだろうか。
しっかりと鍛え上げられた筋肉に押さえ込まれているようなものだから、暖かいし圧迫感があるのも自明である。
というか、痛い。髪を引っ張られるのもそうだが、こころなしか頭がミシミシ言っているような気もする。力加減のネジがだいぶ緩くなっているからか、挟み潰されそうな勢いである。
まあ、力加減なんてしなくても俺は構わないし、頭が潰れた程度で死ぬことができるのかも怪しいところではある。
セックスの最中に死んだなんてジョークにもならない。
生憎と両手はフリーだ。一旦顔を上げて、力のこもっている足を掴む。尚も閉じようとしてくるのを、腹にくっつくくらいまで押し上げる。
特に仕込んだわけじゃないのだが、律儀に膝を曲げて見えやすいようにしてくれるところとか、やっぱりマゾの気があるんじゃないか。
「ほら、足」
自分で支えてって言ったでしょ。
ほんの少しだけ語気を強めて言えば、素直に従ってくれるのも、俺の頭を退けようとするのに必死で、真っ赤になった顔を隠せていないのも、すごく可愛いと思う。
「は、ぁっ…。ん、ふっ……」
快楽に直結するほどではないにしても、鼻にかかった声が少しずつ増えて、時折身体は軽く跳ねる。
「!、ひ、んっ」
ふうっと息を吹きかけると、一際大きく下半身が震える。
反応が良かったのは、後孔よりも少しだけ上のあたり。いっとう奥まったところを指でなぞると、耐えきれないとばかりに喘ぎ声が上がる。
「あ、ああっ。ん゛ん〜〜〜!」
舌を動かすことはやめずに、指だけは撫でるようにそのあわいを擦り続ければ、ばたりと足が跳ねる。
「イキそう?」
興味本位ではじめたことだが、達しそうになるほど快感を拾えるとは思っていなかった。
こくこくと返ってくる頷きに、指で押す力をほんの少しだけ強める。
「ふ、あ゛ぁっ…!も、だめ、らってぇ……」
いつの間にか勃っていた陰茎は、だらだらと先走りを溢していて。
登り詰める、その寸前で指を離す。
「あ、え……?なん、で…?」
既のところで達することができないまま、煮凝る欲を抑えつけるためか、ぜえぜえと荒い息を整えようとしているところ悪いのだが、限界だ。
「挿れるぞ」
返事を待つ余裕は俺にだってありはしない。
散々に弄くり回してきたからかほとんど抵抗もなく飲み込まれていく感覚に、思わず深々と息を吐く。
「っ、はーーっ、クッソ、たまんないな」
小刻みに揺すりながら、腰を掴みなおす。この自制の効かなさだと痕は確実に残ってしまうなあなんて、頭の中に冷静な部分が残っているのが妙に笑えてしまう。
「、な、に…かんがえてる…!」
笑い声を聞き咎めたのか、恨めしげな声が飛んでくる。
「なあんにも。仁のことしか考えてないよ」
こんなに強くて美しい男が、オレなんかに身体を許してすべてを委ねてくれているのだから、真摯に向き合わないなんて不埒以外の何者でもないだろう。
「なら、集中、しろ…!目の前の俺のことだけ、見てろ!」
「、」
その台詞はもしかしてもしかすると無意識だったりするのだろうか。普段の仁は恥ずかしがってあんまり直接的な愛情表現をくれない。それがこの言いようである。
お互いにだいぶ頭は茹だってるだろうが、これはむしろ素面に戻ったとき恥ずかしがっている様が楽しみでもあるような。
またつらつらとどうでもいいことを考えてしまったが、今日は驚きで静止してばかりだ。
こんなに熱烈な口説き文句を言わせたのだ。相応に応えねば。
「はは、言われなくたって。……反らせるわけないだろ」


◇◇◇


「ん、んぅっ…、ひ、んっ!」
ずるりと抜ける寸前まで引き抜いて、奥の行き止まりまで貫く。
肉どうしのぶつかる音と、泡立つ水音が耳からも犯してくるようで、理性がこそげ落ちていくのが分かる。
「あっ、あ゛、あぁ、んっ」
打ち付けるたびに締まるナカに、絶頂がすぐそこまで迫ってくる。
不意に、両手が伸びてくる。首に回ったそれが身体ごと引き寄せたがるのに従って、上半身をぺったりとくっつける。爆速の心音が聞こえる。
「くらうど、きす、きすして…ん、」
望まれるがままに、唇を重ねる。開いた隙間から舌を絡めて、混ざり合った唾液を啜る。
貪るように口付けを交わしながら、腰を大きくグラインドさせる。
「ん、ん゛ん゛っ、ん゛ぅ〜!!、」
先に絶頂したのは仁のほうで、びくんびくんと跳ねる下肢を押さえつける。一際キツく締まるナカに、抗うことなく吐き出す。
「く、あぁ…、んっ」
ずるりと引き抜けば、緩んだ後孔から溢れてくる欲望の証に、わかりやすく血が集まる。
こちらを向く物欲しげな視線に、にこりと笑みを返す。
「いいよ、今日はトぶまで抱き潰してあげる」
「のぞむ、ところだ」
焚き付けるような言葉に反して、互いに伸ばした手は固く繋がれてほどけない。
溶け合うようにまぐわって、ほんとうに泥みたくひとつになれたら、それはどんなに。


 
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