せりぜ

◾️非公式BL(男×男)中心◾️
◾️公式と無関係◾️
意味を知らない・苦手・理解がない方の閲覧はおやめください。
原作にはない架空の恋愛関係(非公式カップリング)、主にボーイズラブ(男×男)中心で描写します。
せりぜ(@serize7b2)が趣味で制作している非公式二次創作(小説メイン、たまに絵)です。
公式とは一切関係ございません。

◾️禁止◾️
※転載、AI学習含む二次使用は禁止※
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※Do not reupload or use※
※Do not use for AI learning※

Unofficial Fan Art(Boys Love main)
20years old↑ Japanese novelist(rarely illust)
Japanese text only

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投稿日:2026年01月05日 20:18    文字数:1,773

ピアノと秋

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◆あらすじ◆全年齢
ある晴れた秋の夕方。ジェネシスは自宅でピアノを弾きたくなり、とある曲を久々に弾く。
それは少年の頃からの想いが込められた曲。鍵盤を通したメッセージをジェネシスは一人で奏でていたのだが──

※※※当作品は原作にはない恋愛関係(BL)を描写した非公式な二次創作です。苦手な方・ご理解のない方は閲覧をおやめください※※※

◆雰囲気◆
穏やか 素直になれない感情

◆メモ◆
初期設定のピアノ弾きをテーマに、そしてジェネシスは秋のイメージがあるので秋もテーマにしました。
同時に書かせていただいたアンセフィはアンジールの宝物であるカメラをテーマにしたお話。アンジールの春のイメージもテーマにして2つのCPで対比させてみました。

2023年2月発行のセフィ受プチ開催記念本で書かせていただいたお話です。
※主催者様より再録許可済

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◆WEB初出◆
2023年12月2日
1 / 1

 窓から光が差し込む。陽の光に赤みが差しており、この光の色が時を教えてくれる。秋のこの光は哀しくもあり、一番美しい。そんなことを思いながらジェネシスは部屋の中で外から差し込む光を見つめた。
 ここは書斎とは別の部屋。グランドピアノ、スピーカーや再生機器、レコードからCD、楽譜、そして沢山の本が置かれている。本だけに囲まれた書斎とは別に設けた心落ち着かせる趣味の部屋である。
 ジェネシスはこの夕方の光が、特に秋の夕日が好きだった。こうした日には無性にピアノが弾きたくなる。そんな思いでジェネシスはグランドピアノの前に立ち、鍵盤の蓋を開けてみれば吸い込まれるように触れていた。
 鍵盤にそっと人差し指を沈み込ませてみれば透き通った音が静かに部屋に響く。いくつかの鍵盤を触る内にジェネシスはピアノ用の椅子に腰を掛けた。
 書物を愛すジェネシスであるが、ピアノを始めとした音楽も同じように愛している。芸術というものは心を豊かにしてくれる。その美しさに心を奪われながらも同時に心を穏やかにしてくれるものだ。
 そう思うとこれは実家の両親の趣味のおかげかもしれない。LOVELESSとの出会いも実家の書斎だ。ピアノも両親の勧めで少年の頃に始めた。今はあの頃と比べて頻繁には弾くことはなくなったが、こうして時々弾きたいと思うことがある。
 椅子に腰掛けたジェネシスは両手を鍵盤の定位置に置く。静かに息を吸い込むと旋律を奏で始めた。ピアノの譜面台に譜面は置かれていない。だが、その旋律だけは譜面を見ずとも全てわかっている。その譜面は頭に、そして心に昔からある。心のままにその曲を弾くだけだ。
 その曲は想いだった。その曲にはゆっくりとした美しい旋律の中に力強さが隠れ、優しい曲調の裏にはどこか哀しさが隠れる。
 穏やかな音色に切実さが隠され、焦がれる渇望を音に乗せながらあたたかい愛しさが音に見え隠れする。器用になめらかに奏でられる鍵盤は不器用な心を代弁する。その曲をジェネシスは十の指で鍵盤を通し、言葉なきメッセージを形作る。

「良い曲だな」

 曲が終わるといつの間にか背後から声が聞こえ、ジェネシスの心臓は跳ね上がる。振り向かずとも声だけで誰かはわかっていたが、声に反応して振り向くと扉の前に立つセフィロスが口元と目元を柔らかくさせてこちらを見ていた。
 お互いの家を好きな時に自由に行き来することをよしとしているので、この場にセフィロスがいたとしても何ら不自然なことはない。
 だが、ジェネシスはまさかこのタイミングに来るとは思わず、驚かずにはいられなかった。

「俺の気配に気付かないとは、随分と集中していたんだな」
「曲に入り込むとそうなるさ」

 跳ね上がってから途端に鼓動が早くなった心臓に僅かな苦しさを内心覚えながらもその心の内を一切セフィロスに見せず、平然とした表情で微笑んだ。そしてピアノに再度向き合うと、演奏に入り込んでいた心を切り替えるように鍵盤の蓋に手をそっと掛ける。

「もうやめるのか」

 セフィロスの声でジェネシスは蓋から手を離す。セフィロスの惜しむ声に対して十分弾いたと答えれば、残念そうにそうかと呟く声が返ってきた。どうやらこの演奏を気に入ってくれたらしい。

「LOVELESSに対してもそのくらいだと嬉しいんだがな」

 冗談でやれやれと笑えば、背後からセフィロスの涼やかに笑う声が聞こえた。

「初めて聴いたが良い曲だな。誰が作った曲なんだ?」
「さあ……随分と古い曲だからな」

 ジェネシスはセフィロスの賞賛に対してそう答えるともう一度鍵盤の蓋に手を掛ける。その譜面は頭に、そして心に昔からある。
 まだ恋心に芽生える前のことだった。セフィロスにピアノが上手だと褒められた時、彼に新たに聴かせるために作曲した。何事にも彼に認められたいその一心だった。弾けるだけではなく、曲も作れるのだと誇りたくて作った。曲が完成する頃には自身の心に気付き、初めて作った曲は彼のための曲になった。
 だが、気恥ずかしさから披露できずにずっと心の奥にしまい込み、こうして心通わせる仲になっていても長年披露できずにいた曲。
 我ながら拗らせているものだと思いながら鍵盤を見つめ、ジェネシスは今度こそ鍵盤の蓋を閉める。自身のどこか不器用な心を隠すように。窓から差す秋の夕日がどこか眩しく感じた。

END

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ピアノと秋
1 / 1

 窓から光が差し込む。陽の光に赤みが差しており、この光の色が時を教えてくれる。秋のこの光は哀しくもあり、一番美しい。そんなことを思いながらジェネシスは部屋の中で外から差し込む光を見つめた。
 ここは書斎とは別の部屋。グランドピアノ、スピーカーや再生機器、レコードからCD、楽譜、そして沢山の本が置かれている。本だけに囲まれた書斎とは別に設けた心落ち着かせる趣味の部屋である。
 ジェネシスはこの夕方の光が、特に秋の夕日が好きだった。こうした日には無性にピアノが弾きたくなる。そんな思いでジェネシスはグランドピアノの前に立ち、鍵盤の蓋を開けてみれば吸い込まれるように触れていた。
 鍵盤にそっと人差し指を沈み込ませてみれば透き通った音が静かに部屋に響く。いくつかの鍵盤を触る内にジェネシスはピアノ用の椅子に腰を掛けた。
 書物を愛すジェネシスであるが、ピアノを始めとした音楽も同じように愛している。芸術というものは心を豊かにしてくれる。その美しさに心を奪われながらも同時に心を穏やかにしてくれるものだ。
 そう思うとこれは実家の両親の趣味のおかげかもしれない。LOVELESSとの出会いも実家の書斎だ。ピアノも両親の勧めで少年の頃に始めた。今はあの頃と比べて頻繁には弾くことはなくなったが、こうして時々弾きたいと思うことがある。
 椅子に腰掛けたジェネシスは両手を鍵盤の定位置に置く。静かに息を吸い込むと旋律を奏で始めた。ピアノの譜面台に譜面は置かれていない。だが、その旋律だけは譜面を見ずとも全てわかっている。その譜面は頭に、そして心に昔からある。心のままにその曲を弾くだけだ。
 その曲は想いだった。その曲にはゆっくりとした美しい旋律の中に力強さが隠れ、優しい曲調の裏にはどこか哀しさが隠れる。
 穏やかな音色に切実さが隠され、焦がれる渇望を音に乗せながらあたたかい愛しさが音に見え隠れする。器用になめらかに奏でられる鍵盤は不器用な心を代弁する。その曲をジェネシスは十の指で鍵盤を通し、言葉なきメッセージを形作る。

「良い曲だな」

 曲が終わるといつの間にか背後から声が聞こえ、ジェネシスの心臓は跳ね上がる。振り向かずとも声だけで誰かはわかっていたが、声に反応して振り向くと扉の前に立つセフィロスが口元と目元を柔らかくさせてこちらを見ていた。
 お互いの家を好きな時に自由に行き来することをよしとしているので、この場にセフィロスがいたとしても何ら不自然なことはない。
 だが、ジェネシスはまさかこのタイミングに来るとは思わず、驚かずにはいられなかった。

「俺の気配に気付かないとは、随分と集中していたんだな」
「曲に入り込むとそうなるさ」

 跳ね上がってから途端に鼓動が早くなった心臓に僅かな苦しさを内心覚えながらもその心の内を一切セフィロスに見せず、平然とした表情で微笑んだ。そしてピアノに再度向き合うと、演奏に入り込んでいた心を切り替えるように鍵盤の蓋に手をそっと掛ける。

「もうやめるのか」

 セフィロスの声でジェネシスは蓋から手を離す。セフィロスの惜しむ声に対して十分弾いたと答えれば、残念そうにそうかと呟く声が返ってきた。どうやらこの演奏を気に入ってくれたらしい。

「LOVELESSに対してもそのくらいだと嬉しいんだがな」

 冗談でやれやれと笑えば、背後からセフィロスの涼やかに笑う声が聞こえた。

「初めて聴いたが良い曲だな。誰が作った曲なんだ?」
「さあ……随分と古い曲だからな」

 ジェネシスはセフィロスの賞賛に対してそう答えるともう一度鍵盤の蓋に手を掛ける。その譜面は頭に、そして心に昔からある。
 まだ恋心に芽生える前のことだった。セフィロスにピアノが上手だと褒められた時、彼に新たに聴かせるために作曲した。何事にも彼に認められたいその一心だった。弾けるだけではなく、曲も作れるのだと誇りたくて作った。曲が完成する頃には自身の心に気付き、初めて作った曲は彼のための曲になった。
 だが、気恥ずかしさから披露できずにずっと心の奥にしまい込み、こうして心通わせる仲になっていても長年披露できずにいた曲。
 我ながら拗らせているものだと思いながら鍵盤を見つめ、ジェネシスは今度こそ鍵盤の蓋を閉める。自身のどこか不器用な心を隠すように。窓から差す秋の夕日がどこか眩しく感じた。

END

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