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pictBLand
作品ID2561792
投稿日2026年03月17日 20:28
文字数12,057字

カナリヤ 4

レナさん局出向編2/3です⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝ 折り返し地点 オーターさん原作上だと割と暴力でなんでも解決しそうなタイプだけど、策略のひとつとして暴力使ってるだけでちゃんと正攻法で事件解くじゃろ、という私の希望が反映されております(´-ω-`) 「ちょっとこれは、人間が1日に吐いていい嘘の量じゃねぇな?」って思いながら書いております。嘘ばっかり。なので、「原作に書いてあった覚えないな?」とか「これ地理間違ってない?」って思っても検証しないでください。

◆◇◆◇◆



墓地管理局に出向してきて10日間程は全て戦闘訓練にあてられた。なんせ、死者と戦う、というのはなかなかの特殊技能である。死者相手では躊躇うべきではない攻撃もあるし、避けるべき魔法や行動もある。逆に盗掘者相手なら行うべき手続きがあって、死者と戦うのと同じようには出来ない。共に仕事をするのが局長のレナトスとはいえ、新人のワースが頭に入れてなくて良いという話にはならないのだ。墓地管理局の新人研修であれば1ヶ月くらいみっちり時間を掛けるところを、10日でかっ飛ばしてンのに付いて来てるんだから上等な方、とレナトスは嘯くが、ワースは各墓所の場所や副葬品の魔法道具の扱い等は覚えなくて良いのでかなり楽をさせて貰っている。

「……よっし、こんなもんだろ」

レナトスが杖を胸の中にしまう。その仕草を見て、肩で息をしていたワースはやっと警戒を解いた。宙に浮いた魔導書に、「もう大丈夫だ」と言ってやる。魔導書を中心にしゅるしゅると泥が集まり、小さな人影を作った。ちょこんと着地したリトルデビルがワースへ向かって両手を伸ばす。よっこいしょ、と抱き上げてやれば嬉しそうにくふくふと笑った。

「やっぱお前ら、死者相手の戦闘の方が適性ねェか?まじでウチ来るか?」
「いっ、……いやー、ありがたい話ッスけど、ちょっと、さすがに、上と相談しなきゃいけないんで……」
「……あ、そっか、ソフィナのヤツか……。引き抜きとか禁止されてたんだったわ」

悪い悪い、とレナトスは頭を掻いた。知らない話である。タオルとスポーツドリンクを取り出しながら首を傾げる。ちなみにレナトスは汗ひとつ掻いてないし、リトルデビルは戦闘後に顕現し直してケロッとしているので、疲弊しているのはワースだけだ。

「なんかルールなんスか?」
「いや?……んー、んー、んー……なんつぅか、ちょっと面倒くせェんだよ。ソフィナも面倒だけど、たぶんオーターもぴーぴー言うだろうし」
「砂の神杖?」
「めちゃくちゃ激おこだったじゃねェか、この出向が決まった時とか」
「……そうなんスか?」
「え、オレあいつから全然抗議文とか受け取ったけど」
「そうなんスか!?」

まったく初耳である。瞳を丸くさせるワースを見て、「もしかしてコレ教えちゃダメだったやつ?」と珍しく困った様子を見せた。腕組みをして若干唸ったが、「ま、いっか!」と軽く請け負う。短い付き合いではあるが、まったくレナトスらしい。

「魔法魔力管理局とウチの墓地管理局が遠いから、文句があったみたいだぜ?毎日食堂で弟を見るのだけが楽しみだったのに、ってめちゃくちゃ叱られた。お前らって結構仲の良い兄弟だったんだな」
「……砂の神杖さまと、一緒に食事をしたことはないはずなんですけど……」
「………なにそれ、怖い話だったのかコレ」
「…………ノーコメント、ってありッスか?」
「なしに決まってんだろ、オレのあったまった心を返せ」
「んな無茶な」

言われてみると確かに、禁書の一件を起こす前は食堂を使っていたし、たびたびオーターとすれ違っていたような気がする。あの頃はワースも過剰に警戒していたから見かける頻度が高いとビクビクしていたが、あれ本当に頻度が高い気がする、とかじゃなかったのか?わざわざワースを探していたのか?若干恐ろしいものを感じたワースだったが、レナトスは軽く笑い飛ばす。

「こじらせてんな、オーター。ウケる。ちびワース見たら眼鏡割れそう」
「いや、さすがに砂の神杖さまはそんな……」
「つーかよ、オーターのこと砂の神杖呼びなのなんでだ?兄貴とか、名前呼び捨てとかしてもオレは気にしねェけど」
「………呼んだことないッスね、そんな馴れ馴れしい呼び名とか」
「まじか。お前もこじらせてんなー」

幼少期はさすがに「兄様」とか呼んでいたかもしれないが、残念ながら記憶にない。なんせ、本当に関わりのない兄だったからだ。対外的には「兄」と呼べば済むし、固めの言葉を選んだ方が早熟に見られて得もした。オーターが神覚者になってからは神杖名で呼ぶようになったので不便はなかった。こじらせていると言われると確かにそうだが、これだけ交流のない兄弟なんてそんなものだろうとも思う。

「まぁでもそう言えばオレ、ひとりっ子だから兄弟のこととかわかんねーわ!」

大口を開けて笑いながら、ワースに抱っこされたリトルデビルの頭を撫でる。その仕草は非常に手慣れて見えた。兄弟が居ようが居まいが、兄貴肌ではあるのだろう。なんなら、オーターよりも兄貴然としている。ワースとて、オーターのあの感じが悪いとはとても思ってはいないが、一方でレナトスが絶大なカリスマ性で墓地管理局を率いている、という話はこの10日足らずでよく理解するところでもあった。めちゃくちゃ強いし、はちゃめちゃに頼りになる上司過ぎる。
そういえば、魔導書の為の手続きや出向準備、そして出向してからは連日の戦闘訓練ですっかり抜けていたが、退院してからオーターと連絡を取り合っていない。というか、ワースはオーターの連絡先を知らない。仲良くしたいと言われて了承したからには自分も何かしなければならないとは思っているのだが……なんてったって、相手は神覚者だ。当然ワース以上に忙しいだろう。だいたい、なんと言って連絡を取ったら良いのだろう。「最近どう?」とか「連絡してないと思って、」とかは、一定以上親しい間柄でないと成立しない問い掛けだろう。ワースだって、七魔牙くらいじゃないとそんなメッセージ送れない。……いや後輩相手だと七魔牙でもかなりキツイか。レナトスから聞くオーターの様子は酷く新鮮に感じた。意外と、「連絡先を聞いていなかったから」と言って誰かを経由に話をしてみても、嫌な顔をされないかもしれない。

「今度オーターのこと呼び捨てにしてみろよ。絶対アイツ眼鏡割れるぜ?」
「なんなんスかその眼鏡割れるって」
「いや、アイツ感動したら割れそうじゃねェ?」
「あのひとが感動するとかそうないでしょう」
「そうかァ?……けど、面白いから今度やってみろよ。絶対報告しろよな。むしろその場に呼べよ。動画撮りたい」

ケラケラと笑いながら、小さな子どもにするような手遊びをリトルデビルに披露しているレナトスは本当に手慣れていた。レナトスに釘付けになったリトルデビルは、せっせと指の動きを真似ている。
まるで、本当の親戚の子どものような扱いだ。魔導書の術者であるワースでさえ、すこし錯覚してしまいそうになる。

「ずっと思ってたんスけど、なんでみんなリトルデビルを受け入れてくれてんスかね」
「あァ?」
「……いや、一応これでも禁書なのに、と思ってて……」

腹の底に燻っていた不安だ。最初は禁書管理局の面々だからかと思った。職務上、禁書というものをよく知っている。心の中で何かを思っていても書籍を愛するソフィナがいる以上、表に出す事はないだろう。でも墓地管理局の人間は違う。彼らにとってリトルデビルは理解出来ない異物だろう。だというのに最初のクラッカーによる歓迎から始まって、肩車したり鬼ごっこしたり、子供の身なりに合わせてよく遊んでくれる。しかも、ワースも度々混ぜてもらうのだ。この歳なのに子どものような遊びに興じられて、実のところ、かなり楽しい。少し恥ずかしい感想であることは理解している。もう自立して自活するような歳なのに、経験しなかった他人と目一杯身体を動かす遊びを、リトルデビルのお陰でやらせて貰っているようで。複雑な想いはありながらも、リトルデビルが悪いのではない。ワースの目から見ても、この自分とは似ても似つかない表情をする魔導書は可愛らしい。可愛がってやりたいし、できれば幼少期のワースがあまり感じて来れなかった、燦々と降り注ぐ太陽のようなあたたかい愛情を、腕の中に抱えてしまえるような魔導書いっぱいに与えてやりたい。あの時、オーターと対峙した洞窟で感じた通り、可能な限りこの魔導書を裏切りたくないのだ。ワースに魔導書が向ける無垢な愛着に応えたい。養育者として、なるべく「ただしく」ありたい。自分以外の大人のやわらかい瞳は、少なくとも精神的に未熟な魔導書には必要であろう。今も、レナトスはわっしわっしとリトルデビルの頭を撫でて、胡乱な瞳をこちらへ向けた。

「……んまァ、真面目に答えてやんなら、お前への信頼ってヤツじゃねーの?知らんけど」

ぱちくり、とワースは瞳を瞬かせた。
出向で墓地管理局に来て1ヶ月も経っていない。知らない局員も多いが、リトルデビルと遊んでくれて顔見知りになった相手もいる。ただ当然、大多数は知らない相手で、そもそも信頼関係を構築できた覚えがない。ワースの顔に何かを察したのだろう、すっと顔付きが真剣になった。

「魔導書がその辺ふよふよしてたらやべーけど、コイツずっとお前の姿じゃん。ずっと手ェ繋いでっし。つまり、禁書を制御できてるっつーことだろ。あと、ちびワース結構可愛い」
「…………」

そう……なのだろうか。
ワースが魔導書に子供の姿をさせているのは、発話のために人間の姿をさせたいワースとそれならばワースの姿を取りたい魔導書の妥協点だ。別にワースが魔導書を従えた訳ではない。他人から可愛がられるとしたら、それは魔導書の性格だ。特別にワースが何かをしてやった覚えもない。ワースの力で成せるものなど、殆どないのだ。
何も口にしていないのに、レナトスは眉を顰めた。後頭部を気まずげに掻いて、ぴたりとワースを見据える。その眼光は、「死」を扱う魔法使いなのにギラギラと生命力に溢れていた。

「ンなに簡単に、世界と自分を切り離してんじゃねーぞ、ワース」
「え……」
「世の中っつーのはな、「ま、コイツなら大丈夫だろ」の連続なんだよ。お前が長ったらしい魔導書携帯用の申請書書いて、くそみてーな書類全部揃えて、オレら全員の認可をもぎ取る、とか、ちびのワースがこれまで問題起こした事ない、とか、お前がこれまでちびワースと遊んだ奴らの名前全員覚えてるとか、そういうのの、全部の」

ぱちぱち、とワースは瞬きを繰り返した。
そんなもの、ワースにとっては何の努力でもない。必要な身の振る舞いだ。なんせ、そんなことしたって、きっと両親はワースを褒めない。価値がないから。
口にこそしないが、ワースの顔を見てレナトスは肩をすくめた。

「いいか新卒。オレ様がありがてェ話しすっからよっく覚えとけ。魔導書も含めて全部がお前のチカラなんだよ。オレらはそーゆーもんとして受け止める。だからお前も、もーちょいオレらを信頼しとけ」
「しんらい……」
「そうだなァ……ヤバくなったら、……あー、たぶんソフィナが何とかするから、大船に乗ったつもりでガンガン魔法使え、ってコトだ」

にひ、と笑うレナトスの顔を見て、ワースは目を見張り、ゆっくりと苦笑した。初日に「うちの局長と気が合わなそう」と思ったのを撤回しよう。
ソフィナなら、ぐちぐちと文句こそ言いつつも、「まぁ、言うことに一理ありますね」と穏やかに笑って肯定するだろう。そしてレナトスが言った通り、多少ワースが魔導書を暴走させたとしても、押さえ切る。禁書のエキスパートとしてのソフィナ・ブリビアという神覚者は、そのような人間だ。だからワースは、禁書管理局の席を目指して、実際に勝ち取った。

「……なるほど」
「よっし、じゃ着替えて仮眠とって、今日こそ現場出るぞ」

ちっと早いけど、まぁ良いだろ、とレナトスは軽く請け負った。適当だなぁとは思うがまだ頭に殻が付いたままのようなひよっこのお守りをいつまでも局長にさせておく訳にもいかない。
何度も読んで浚った資料を思い起こしながら、ワースはぎゅっと腕の中のリトルデビルを抱きしめた。

「おひるね!」
「そ、お昼寝だ。……そうだな、この短い針がここ、長い針がここに来たら俺を起こしてくれるか」
「はーい!」
「……は、マジかよオレもちびワース欲しいんだけど」

わなわなとしているレナトスに、リトルデビルは「ぼくはわーすのだからやだー!」と顔の前で腕を交差させ大きな×を作ってみせる。その不服そうな表情に緊張も忘れ、ワースは声を上げて笑った。



***



奇妙なことにというべきなのか、良かったことにというべきなのか、最後の死者の出歩きが報告されて以来、結局2週間近く新たな出歩きの報告はなされていなかった。ただ、放っておく訳にもいかないし、ワースの戦闘訓練も終わったので、夜のパトロールに出てみることになった。場所は、最初の出歩きが確認された霊園である。相変わらず非常に広く、壁や柵で覆われていないから非常に見晴らしが良い。街路樹が等間隔で並んでいるために、さやさやと風に木立が揺れる音が響くが、街灯も多いので不安を感じるほど暗くもなかった。何度もこの霊園は現場検証され不審な痕跡を探索されているが、何も見つかっていない。今更パトロールしたとて、何か見つかるような気もしなかった。

「ちょっと提案があるんスけど」
「あん?」

ワースが広げたのは周辺地図だ。その辺りの市販で売られているようなものではなく、観光用の。レナトスと、ワースに肩車されたリトルデビルがそれを覗き込む。
そう、この墓地周辺は学園都市であるだけでなく、母体が異なる宗教施設が点在している。歴史的な建物もあるから、文豪が眠る霊園を含めて歩いて回る観光客も多い土地なのだ。そして宗教施設が持つ墓地では、今のところ死者の出歩きは確認されていない。もちろん、不祥事を嫌った団体が隠している可能性もある。しかしワースは、塀の有無に注目したい。どう考えても部外者が立ち入りやすい墓地で出歩きは起きている。しかも、遮蔽物がないならば、当然魔法も何に遮られることなく、降り注ぐ。例えばそれが、ある種の死者に魔力を与えることもあるかもしれない。
実は、最初に事件資料を見た時から考えていたのだ。霊園が広すぎて添付されていた周辺地図からは、いくつかの文化施設が抜けていた。その中にある高台の施設が、捜査漏れしているのではないかと。
この手の文化財は平日は市民向けに開放していて、見学の妨げにならないよう中の職員は事務所にいるから、見学者のふりをしてこっそりと何かを仕込んでおくのにちょうど良いのではないかと当たりをつけていた。そうでなくても古い建物には装飾で使われた一部が魔法道具であったり、長年飾られているうちに周囲の魔力を取り込んで道具化していたりする例もある。たとえ何者かの悪意がそこになくとも、原因になる可能性は十分にあった。

「ちょうどこの文化施設って、墓地を見下ろす位置にあるんスよね。出歩きが起きた墓所がこの角度からだと下に当たる。もしここから魔力を送ってたとしたら、届くんじゃないかと思ってたんです」
「……犯人がいるかも、ってことか」
「もしも人為的に出歩きが起きてるなら、って仮説なんスけど……」

高台の文化施設から少し離れたところでも出歩きは確認されている。だから、この仮説は確実ではない。文化施設とて、5時には閉まるとはいえ職員が見回りをするはずだし、そんな簡単に怪しい人物が死者へ魔力を与えるような怪しい道具を持ち込んでいたら気がつくだろう。けれどもワースにはこれらの立地が妙に引っ掛かって感じたし、可能性を潰しておいても損はしないと思った。もちろん、レナトスが合意してくれるのであれば、だが。
そっと窺うワースに、ニッとレナトスは笑った。

「良いじゃねェかワース。行ってみる価値はあるな」
「あざっす!」

リトルデビルを自分の前に乗せ箒に跨る。服には必ず魔導書を納めるフォルダーがついているが、リトルデビルは自発的に歩いてくれるので、実はあまり使ってはいない。妙にるんるんと楽しそうなリトルデビルの後頭部を見ながら、レナトスと並走して霊園の端を目指す。そこから道なりに上がった方が目的地に近い。
星明かりを見上げながら、ワースは少し不思議な心地がしていた。禁書管理局では、定時がはっきりと決まっている。なんせソフィナが時間外労働を嫌うからだ。特別な繁忙期以外は、基本的に定時退勤を求められる。逆に墓地管理局は完全シフト制で、夜番になるとこうして空に星が瞬く時間にだって箒を走らせることがある。すると、妙に実感するのだ。地上にぽつりぽつりと星のように輝く街灯の下にいる普通の生活、とやらを守っているのだな、と。……まぁ、だいぶクサい話だけども。
世のため人のために魔法局に入った訳ではなかった。たぶん、多くの局員がそうだろう。給料とか、社会的地位とか、家族親戚からの圧とか、まあそのようなもので就職先を選んだだろう。けれど中で働いていると、「無邪気な淵源」事件ほどではないにせよ、簡単に崩れ落ちそうな日常を魔法局がどうにか支えているのだと分かる。目に見えて知られるような魔法警備隊や墓地管理局だけではなく、禁書管理局や他の魔法局も含めて、である。立場は違えど、どこも世の中が平和であり続けるのに必要な役割を果たしていた。「無邪気な淵源」に図らずも協力して、世の中に膿んでいたあの頃の自分であれば、絶対に気が付かなかっただろう。

今日は、星が輝く佳い夜だ。
できればこの美しい輝きのまま、暁を迎えさせたい。

本気で、そう思った。自分らしくないのは重々承知であった。何かに、誰かに感化されたのかもしれない。まぁ、気分が良いのでそれでもよいと思う。

「……おい、まてワース」
「…………!」

レナトスの静止に一瞬あって、ワースも異変を感じ取る。
一般人のみが埋葬されている墓地は、静かなはずだ。なんせ、彼らは高名な魔法使いたちと違って然程の魔力量を持たない。少しずつ少しずつ魔力は抜けていき、肉体は土に還る。そのようなサイクルで人間は存在している。本来、魔力が満ちていない墓地は、死者が眠るに相応しいのだ。
だから、びりびりと感じる「なにか」の気配は、墓地に相応しくないものであった。

「大当たりじゃねェかワース」

お手柄だなァと笑うレナトスは、死を司る神覚者らしい顔をしていた。

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北都
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