せりぜ

◾️非公式BL(男×男)中心◾️
◾️公式と無関係◾️
意味を知らない・苦手・理解がない方の閲覧はおやめください。
原作にはない架空の恋愛関係(非公式カップリング)、主にボーイズラブ(男×男)中心で描写します。
せりぜ(@serize7b2)が趣味で制作している非公式二次創作(小説メイン、たまに絵)です。
公式とは一切関係ございません。

◾️禁止◾️
※転載、AI学習含む二次使用は禁止※
※私の作品を使わないでください。許可しません※
※Do not reupload or use※
※Do not use for AI learning※

Unofficial Fan Art(Boys Love main)
20years old↑ Japanese novelist(rarely illust)
Japanese text only

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投稿日:2026年04月01日 17:05    文字数:2,391

幻影を追いかけて

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◆あらすじ◆全年齢/約2.2千字
『セフィロスは桜散る中で一人佇む。真夜中の桜並木、たった一人で──』
『静謐な夜の空気に呟きは霧散する』

ミッドガルで花見をすることとなった二人。
セフィロスはその頃に想いを馳せ、苦悩する──

※※※当作品は原作にはない恋愛関係(BL)を描写した非公式な二次創作です。苦手な方・ご理解のない方は閲覧をおやめください※※※

◆雰囲気◆
微甘 シリアス(暗)

◆メモ◆
参考資料(ウータイ文化に関しては大きく崩れない程度に設定を一部アレンジしています)
・社宅エリアについて……AC前日譚小説 エピソードデンゼル9ページ(Kindle版)
・プレート住民によるウータイ食文化への意識について……7R一作目マテリアルアルティマニア253ページ
・ウータイ戦争について……CCコンプリートガイド277ページ
・年表……CCアルティマニア547ページ

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装丁カフェ
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◆初出◆
2026年3月31日/Xfolio
1 / 1


 幻影を追いかけて、セフィロスは桜散る中で一人佇む。真夜中の桜並木、たった一人で──

◆◆◆
 
「セフィロス、どうだ? 流石に夜中だと人がいないだろ」

 ジェネシスが嬉しそうに話す。辺りは桜が満開だ。満開になったばかりで桜は散ることなく、華やかに優しく咲き誇っていた。セフィロスは初めて人と夜中に花見をする。ジェネシスがどうしてもとせがむので、了承したのだ。
 丁度、報告書関連など統括へ報告する事項が溜まっていたので残業して夜遅くに退社した。ここは二人の社宅がある地区、伍番街幹部用社宅エリアだ。神羅カンパニーの部長クラス以上が住まうエリートしか入居を許されない特別なエリアである。その近くに桜並木がある。二人はそこにいた。
 
「桜の季節で見に行かないなんて勿体無いだろう。セフィロスと見に行きたかったんだ」

 ソルジャークラス1stになれば私人として出歩くことが容易ではなくなる。特に広告塔として用いられている今、ジェネシスも昇格して名声を着実なものとした今、下手な芸能人よりも外を出歩けないのだ。ファンクラブの存在など軍人がアイドルと化している。

「バノーラだと南国であとは年中実るリンゴの木ばかりだからな」

 静謐な夜の空気は春の暖かさに涼やかさ、寒さをもたらす。空は真夜中の濃紺の闇が広がり、桜は舗装された地面から温かみのあるオレンジ色でライトアップされている。星々は見えない。しかし街中で魔晄によって輝くライトアップが星々の代わりとでも言える。真夜中でもライトアップするあたり、流石はミッドガル上層部――つまりプレート地区である。

「そこまで俺と見たかったとはな」

 セフィロスはそう言いつつ、桜が満開に咲く中で微笑みを浮かべる。誰もいないこんな夜更けにジェネシスと桜を見に外へ出かける。まるでトレーニングルームへ忍び込むように。悪戯のような、秘密のデートである。それがこんなに心躍るものだとは。

「確かに綺麗ではあるな。夜の花見も悪くはない」
「だろう、セフィロス」

 空気が冷たい中、心は温かく寒くない。初めて人と花見を目的として桜を見る。普通の人々のように昼間には見ることはできないが、真夜中も中々乙なものだ。暗闇の中でもミッドガルの魔晄で光る温かな光のようにセフィロスの心には光が燈っていた。赤い燃えるようなコートの男、ジェネシスが隣にいることが一番の要因だろう。セフィロスは隣にいるジェネシスを見つめながら微笑みを絶やさずにいた。

「ジェネシス、知っているか? この木は元々ウータイから寄贈されたものなんだ」
「ああ。その話なら少し聞いたことあるな。ウータイとの戦争でここも当初は伐採される予定だったとか」
「そうだ。ウータイのものはプレートでは物珍しさで見られるのと同時に毛嫌いされる面もあるからな。だが、この桜の美しさはプレート住民から支持されて名所になったんだ」

 ウータイとの戦争が始まって数年。戦況は膠着状態であり、少年だった二人も立派な青年へと成長する年月を与えた。同僚は戦友に、戦友は親友に、親友は恋人に。長い年月を共にした。長い年月を共にしていてもまだ『初めて』があるということは、記念になるものだ。ジェネシスにせがまれて来たが、来て良かったとセフィロスは思った。
 ジェネシスは更に口を開く。

「そうか……しかしまあ、このミッドガルでよく桜が咲けるな」
「そこは神羅の技術と金を注ぎ込んで、延命処置してるってわけだ」
「なるほど。金で咲く花か。それはそうと楽しそうだな、セフィロス」
「残業から解放されたしな」
「そこは俺といるからと言ってもらいたいものだな」
「それは悪かった」

 二人は顔を合わせて笑った。そして吸い込まれるように桜満開の並木道でそっと静かに唇を合わせた。

「セフィロス、名残惜しいが遅いし帰るか」
「ああ」

 ジェネシスはセフィロスに手を差し伸べ、セフィロスはその手を取った。社宅自体は各自に部屋を持ち、二人で半同棲している。今日はどちらの家に行こうかと並木道、手を繋いで話し合いながら。春の真夜中、人がいない道だからこそできることをして。

◆◆◆

 あれから更に数年。セフィロスはかつてジェネシスと共に見た桜並木にいた。あの時と同じ真夜中に。ウータイ戦争は終結し、現在は同年[u]-εγλ 0001 四月。ジェネシスが失踪してから半年。
 昨年十二月にバノーラ村でアンジールとの目撃情報、再びのアンジール目撃情報とホランダーの私設研究所の存在を報告されている状態である。神羅は二人の抹殺を役員会で決定し、そろそろ正式に抹殺任務の命令が下る。セフィロスは前もってその話を聞かされていた。

(……俺もそろそろどうするか心を決めなければならないな)

 タンブリン砦で失踪したジェネシスを必死に探したが見つからなかった。それどころか社の裏切り者になったと報告を受けている。再び訪れたタンブリン砦ではジェネシスの姿そっくり、いやそのままの人間、ジェネシス・コピーが現れた。社の技術を盗まれたとのことだが、何か嫌な予感がする技術だ。

「……ジェネシス、どこにいるんだ。どうして何も言ってくれなかったんだ……」

 静謐な夜の空気に呟きは霧散する。セフィロスは桜散る中、かつて隣にいた幻影を追う。ずっと隣にいたはずなのにジェネシスがいないこと、それがこんなに心冷えて苦しいものだとは。家族がいないことで抱いた気持ちに似ている。そして何も告げられずに失踪されたことはガスト博士やグレン達心許せる大人において行かれた気持ちにもに似ている。
 夜でも目立った赤いコート、その姿が今ここに現れてほしいと強く願う。しかし桜並木の向こうから願い人が現れることはなかった。満開に咲き誇っていた桜も今は儚く散るばかり……。散った花弁達はふわりと空気を舞い、ひらりと地面に落ちていった。そして桜散らしの雨が降り始める。

END

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幻影を追いかけて
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 幻影を追いかけて、セフィロスは桜散る中で一人佇む。真夜中の桜並木、たった一人で──

◆◆◆
 
「セフィロス、どうだ? 流石に夜中だと人がいないだろ」

 ジェネシスが嬉しそうに話す。辺りは桜が満開だ。満開になったばかりで桜は散ることなく、華やかに優しく咲き誇っていた。セフィロスは初めて人と夜中に花見をする。ジェネシスがどうしてもとせがむので、了承したのだ。
 丁度、報告書関連など統括へ報告する事項が溜まっていたので残業して夜遅くに退社した。ここは二人の社宅がある地区、伍番街幹部用社宅エリアだ。神羅カンパニーの部長クラス以上が住まうエリートしか入居を許されない特別なエリアである。その近くに桜並木がある。二人はそこにいた。
 
「桜の季節で見に行かないなんて勿体無いだろう。セフィロスと見に行きたかったんだ」

 ソルジャークラス1stになれば私人として出歩くことが容易ではなくなる。特に広告塔として用いられている今、ジェネシスも昇格して名声を着実なものとした今、下手な芸能人よりも外を出歩けないのだ。ファンクラブの存在など軍人がアイドルと化している。

「バノーラだと南国であとは年中実るリンゴの木ばかりだからな」

 静謐な夜の空気は春の暖かさに涼やかさ、寒さをもたらす。空は真夜中の濃紺の闇が広がり、桜は舗装された地面から温かみのあるオレンジ色でライトアップされている。星々は見えない。しかし街中で魔晄によって輝くライトアップが星々の代わりとでも言える。真夜中でもライトアップするあたり、流石はミッドガル上層部――つまりプレート地区である。

「そこまで俺と見たかったとはな」

 セフィロスはそう言いつつ、桜が満開に咲く中で微笑みを浮かべる。誰もいないこんな夜更けにジェネシスと桜を見に外へ出かける。まるでトレーニングルームへ忍び込むように。悪戯のような、秘密のデートである。それがこんなに心躍るものだとは。

「確かに綺麗ではあるな。夜の花見も悪くはない」
「だろう、セフィロス」

 空気が冷たい中、心は温かく寒くない。初めて人と花見を目的として桜を見る。普通の人々のように昼間には見ることはできないが、真夜中も中々乙なものだ。暗闇の中でもミッドガルの魔晄で光る温かな光のようにセフィロスの心には光が燈っていた。赤い燃えるようなコートの男、ジェネシスが隣にいることが一番の要因だろう。セフィロスは隣にいるジェネシスを見つめながら微笑みを絶やさずにいた。

「ジェネシス、知っているか? この木は元々ウータイから寄贈されたものなんだ」
「ああ。その話なら少し聞いたことあるな。ウータイとの戦争でここも当初は伐採される予定だったとか」
「そうだ。ウータイのものはプレートでは物珍しさで見られるのと同時に毛嫌いされる面もあるからな。だが、この桜の美しさはプレート住民から支持されて名所になったんだ」

 ウータイとの戦争が始まって数年。戦況は膠着状態であり、少年だった二人も立派な青年へと成長する年月を与えた。同僚は戦友に、戦友は親友に、親友は恋人に。長い年月を共にした。長い年月を共にしていてもまだ『初めて』があるということは、記念になるものだ。ジェネシスにせがまれて来たが、来て良かったとセフィロスは思った。
 ジェネシスは更に口を開く。

「そうか……しかしまあ、このミッドガルでよく桜が咲けるな」
「そこは神羅の技術と金を注ぎ込んで、延命処置してるってわけだ」
「なるほど。金で咲く花か。それはそうと楽しそうだな、セフィロス」
「残業から解放されたしな」
「そこは俺といるからと言ってもらいたいものだな」
「それは悪かった」

 二人は顔を合わせて笑った。そして吸い込まれるように桜満開の並木道でそっと静かに唇を合わせた。

「セフィロス、名残惜しいが遅いし帰るか」
「ああ」

 ジェネシスはセフィロスに手を差し伸べ、セフィロスはその手を取った。社宅自体は各自に部屋を持ち、二人で半同棲している。今日はどちらの家に行こうかと並木道、手を繋いで話し合いながら。春の真夜中、人がいない道だからこそできることをして。

◆◆◆

 あれから更に数年。セフィロスはかつてジェネシスと共に見た桜並木にいた。あの時と同じ真夜中に。ウータイ戦争は終結し、現在は同年[u]-εγλ 0001 四月。ジェネシスが失踪してから半年。
 昨年十二月にバノーラ村でアンジールとの目撃情報、再びのアンジール目撃情報とホランダーの私設研究所の存在を報告されている状態である。神羅は二人の抹殺を役員会で決定し、そろそろ正式に抹殺任務の命令が下る。セフィロスは前もってその話を聞かされていた。

(……俺もそろそろどうするか心を決めなければならないな)

 タンブリン砦で失踪したジェネシスを必死に探したが見つからなかった。それどころか社の裏切り者になったと報告を受けている。再び訪れたタンブリン砦ではジェネシスの姿そっくり、いやそのままの人間、ジェネシス・コピーが現れた。社の技術を盗まれたとのことだが、何か嫌な予感がする技術だ。

「……ジェネシス、どこにいるんだ。どうして何も言ってくれなかったんだ……」

 静謐な夜の空気に呟きは霧散する。セフィロスは桜散る中、かつて隣にいた幻影を追う。ずっと隣にいたはずなのにジェネシスがいないこと、それがこんなに心冷えて苦しいものだとは。家族がいないことで抱いた気持ちに似ている。そして何も告げられずに失踪されたことはガスト博士やグレン達心許せる大人において行かれた気持ちにもに似ている。
 夜でも目立った赤いコート、その姿が今ここに現れてほしいと強く願う。しかし桜並木の向こうから願い人が現れることはなかった。満開に咲き誇っていた桜も今は儚く散るばかり……。散った花弁達はふわりと空気を舞い、ひらりと地面に落ちていった。そして桜散らしの雨が降り始める。

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