篠川えすうじ

マンガ・絵と小説で活動中。
原稿の進捗はtwitterで→ 32ssgw

※原則ゲームの123軸で書いております。
※小説サイトには元カレ・元カノの登場やポリアモリーなどが登場したりします。可能な限り注釈に書いていますが、ネタバレになる場合、話の本筋でない場合は言及しておりませんのでご了承ください。

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投稿日:2019年04月17日 22:23    文字数:4,801

【4/21新刊サンプル】アルファ×アルファ【ナルミツ】

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童貞処女のまどろっこしい恋事情(ベッド事情)のお話。

初夜、痴話喧嘩①、ヒート、痴話喧嘩②、エピローグの5部構成です。
※題名通り二人ともアルファです。

全24ページ、表紙のみオンデマンド印刷のコピー本、A5、200円になります。
スペースは庭02になります。
またR18ですので、年齢のご確認にご協力ください。
1 / 1
「初夜」
僕は成歩堂龍一。
弁護士だ。

そして、アルファでもある。
僕の隣で寝ているのは御剣怜侍。
彼もアルファで-----僕の恋人だ。


普通はアルファとオメガがつがいになるのが普通だ。
それか、ベータ同士。
でも落ちるのが恋で、僕は御剣怜侍に恋をした。
それは止められなかった。
だから、僕は御剣に告白をした。
すると御剣は、あの御剣が、僕にすぐさま抱きついてきた。
堪えきれないという風に。
「私も……ずっと君のことが好きだった……でも嫌われるかもと……アルファ同士でおかしいだろうとずっと……」
御剣の苦悩を感じて、僕は御剣の背中をさすったと同時に御剣の僕への深い愛に心震えた。
あの御剣が、ルックスも仕事も完璧なあの御剣が僕のことを思ってくれていたなんて。

御剣がすまないと言って、僕から離れた時に目があって、恐る恐る僕から唇を合わせに行った。
御剣の唇は少しかさかさしていたけれども、柔らかく、どきどきと心臓が痛かった。


そこから、僕らは付き合い始めた。
もとから友達同士だったから、急激な生活の変化はない。
でも、お互いの部屋を行き来することが増えた。
お互いの手料理を食べて、一緒に寝る。
そんな中、僕はどうしても持て余す感情を持つようになった。

御剣と寝たい。
普通に今までのように寝るんじゃなくって、セックスがしたい。

でも、アルファ同士のセックスはどうしたらいいかなんてわからない。
アルファとオメガの男同士なら、肛門が性器に変わるので、アナルセックスをするらしいけども。

一緒に初めてお風呂に入った時、そっと御剣のペニスに手を伸ばした。
御剣のものは僕のとは違い、ピンクで太さがある。全体的にずんぐり大きい。
「な、成歩堂……?」
御剣は手を払って、驚いてみせた。
「ご、ごめん……ただ、興味あってさ。お前はないの?性欲っていうか」
「性欲……?」
ぽかんと呟いた御剣は穢れを知らない天使のように見えた。
「その、発情期のオメガを前にしたら、威嚇的になるが、よく、わからんな……」
「僕は御剣とシたいよ。どうやってするか、わかんないけどさ」
「そうか……」
御剣は目を反らして暫く黙っていた。
沈黙が痛くて、そんなに御剣を怒らせたかな、謝ろうと思った時に御剣が口を開いた。
「君がしたいなら、それを叶えたいと思う。どうしたら良いか、二人で考えよう」


御剣は前向きだった。
まず、ベータならどうしているのだろうと僕に聞いてきた。
アルファとオメガは発情期には交わるけれども、日常的に愛情表現をすることは---ないわけではないけれど---恋愛結婚するベータ同士とは違い、少ない。
そういうことを踏まえて聞いてきたのだろうと思った。
「ベータの矢張は、コミュニケーションだって言ってた。セックスって」
「しかし、性欲解消の目的でもあるんだろう?」
「一人では、そうだけど……でも僕は御剣と共有したいんだ。好きだから」
「なるほど、そういうものか」
御剣はふ厶と顎に手をあてた。
「ベータでも男同士で好きになることはないのだろうか」
「……聞いたことないけど」
「私もだ」
御剣は暫く考えた後、結論を出した。
「なら、アルファとベータを真似るしかあるまい」
「えっ」
それは暗にアナルセックスを示唆していた。
僕は戸惑う。
「ぼ、僕はオーラルセックスだけでも……」
「本当かね?君は欲求不満なのではなかったかな」
「そ、そういう訳じゃないけど……でも確かに御剣を抱きたいよ。けどさ」
「ほら、明確な願望があるなら先に言うべきだ。まどろっこしい」
御剣は少し怒っているように言った。
僕は癖で謝る。
「ご、ごめん……」
「謝るな。なら、肛門を使っての性交の方法を調べてみる。数日くれ」
「有難う……」

僕は嬉しさと不安と緊張がない混ぜになっていた。
だって、本当に御剣を抱けるのかと思うと、長年の夢が叶ったようだけれども、でも、御剣に自分も恋人を同じように抱きたいと言われると困るし(そもそも御剣のペニスは僕のよりかなり大きいので恐怖でしかない)と言った塩梅だ。

でも御剣は今まで通りで、そして数日後、いくつか書類の束を僕の前に置いて言った。
「調べたぞ。わかったことにはベータの男女間でも、時によっては肛門性交を行うらしい」
「へぇ……」
それは知らなかった。
「その際の注意点だが、挿入される側が食物繊維を多く取ることだけらしい。腸の洗浄は腸を痛めるし、腹を下しやすくなるらしく、向かないらしい」
「じゃあ、オメガじゃなくっても出来るってことか……」
「そういうことになる。サプリで食物繊維を取って見ているが、今夜、試してみるか?」
えっ、そんな直ぐに?
いや本望だけども!
「で、でも……」
「嫌なのか?」
「嫌じゃないよ!でも……御剣は嫌じゃないのか……?」
ここで拒絶されたらどうしようと思いながらも聞かざるをえなかった。
「私は君の願いを叶えたいと言っただろう。君の好きなようにしたらいい。私もそれをサポートする」
「御剣……」
僕はそんな健気な御剣じーんと来た。


その晩はいつも通り一緒に夕飯を食べた後、一緒にお風呂に入った。
この目の前の男を自分の思うがままにできるなんて……夢じゃないかと何度も思った。

ベッドで押し倒して、御剣の上に伸し掛かると御剣は僕の腰に腕を回してきた。
それが愛らしくて、僕はたまらなくなって、御剣の唇に噛み付くようにキスをした。
好きだよ、御剣。好き。

初めてのディープキスだったけれど、御剣も舌を絡めてきて、凄く燃えた。
お互いの唾液が銀の糸のように連なって、僕らは唇を離した。

「はぁ、はぁ……」
「……こういう時は鼻で息をするのだぞ」
御剣は息が荒い僕を見上げながら、手の甲で唾液を男らしく拭った。
下にいるのは御剣だけど、精神的には御剣が常に手綱を持っている気がする。
そんな俺様というか、亭主関白なところが好きなのだけれど。
「えへへ……そうなんだ、有難う」
そうして僕は御剣の首筋にキスをし、胸元にキスをした。
じっくり見たことなかったけど、御剣の乳首も可愛らしいピンクだった。

「ここ、可愛い」
素直に感想を言って、そこに甘噛みする。
御剣は軽く身を捻った。
「ん……」
「気持ちいい?」
優しく乳首の周りをくるくるとマッサージみてみる。
「……よくわからんが、少し擽ったいな」
「擽ったいところが性感帯なんだって」
僕は僅かなベータ同士のセックスの知識を振り絞っていた。
アルファとオメガのセックスは多くが発情期の時で、その時はどこも気持ちよくなるらしいけど、それは恐らくできないから。
「ふふ……私の胸がそんなに好きか」
「うん、御剣好きだし」
手で御剣の胸を揉んでみると、御剣の筋肉質な胸板が感じられて、こんな格好いいやつを、逞しい奴を抱くんだっていう実感が湧いてくる。
思い立って御剣の胸元に頬ずりしてみると、トクントクンと御剣の心音が聞こえた。心地よい。

御剣もそんな僕の髪をくしゃくしゃっと撫でてくれていて、僕も御剣の体のあちこちを撫でた。
胸、腕、脇、太もも。そして……。
「んっ……!」
御剣の果実に触れると、御剣は体を震わせた。
「……口に、入れていい?」
「好きにしろ」

それは素直じゃない御剣のゴーサインだから、僕はそのまま御剣の柔らかいピンクのペニスを口に入れた。
温かい体温が口一杯に広がる。
「もごっ、もごご」
「……喋るかしゃぶるかどっちかにしたまえ」
御剣のペニスは僕のより大きく、なんとか歯を立てまいとするのに一苦労だった。
でも勃起してもふにゃっとしててなんだかかわいい。
「気持ちいい?」
一回口を離して聞くと御剣は唸ってみせた。
「よくわからん……あえて言うなら少し痛いが」
「ごめん!優しくするね」
そうして唾液でたっぷり包んで暫く吸ったり、キスしたり、裏筋を舐めたりとかしているうちに御剣の呼吸が荒くなっていくのを感じた。
「成歩堂!何かが出そうだ!止めてくれ!」
僕はそれが射精だとわかっていたけれど、御剣は知らないんだろうか。
そんなうぶな御剣が可愛くて、興奮して、僕はちょっと強めに口の中で吸い込んだ。
「あっ……!」
御剣の声と共に口の中ににがしょっぱい感覚が広がる。
御剣は達したのだった。

「な、成歩堂……出したまえ」
御剣は慌ててベッドの隣に置いてあるティッシュを持ってきてくれたけど、僕はそれを無視して飲み込んだ。
「……食べちゃった」
「き、汚いだろう!」
「御剣のものだもん。汚くないし、出してくれて嬉しい」
御剣は複雑そうな顔をしたが、僕は笑ってみせた。
「自慰とかあんましない?」
「……せんな。特に必要に駆られたことがない」
「じゃあ、初めてだったんだね」
御剣のその返答に僕の支配欲がむくむくと刺激される。
御剣の初めての男になれるなんて嬉しい。嬉しすぎる。

「……ところで入れたいんだろう?違うか」
「あ、はい、そうです」
「さっさとしたまえ」
御剣は偉そうに指示出しをしたけど、頬は上気していて、声もどこか色っぽい。
たまんないな。
「ほら、ローションとコンドームだ」
「有難う」
御剣の準備の良さは御剣も期待してくれているって思っていいんだよね?

「失礼します……」
そう言って御剣の足を抱えて秘密の花園を前にする。
御剣の可愛い可愛いペニスの下にある蕾。
そっと触れてみるとひくひくと動いた。
ここに入れるんだ。
僕が。

「ローションつけるね」
手に出してみると案外ひやっと冷たかったので、手のひらで温めてから御剣の肛門に塗る。
そして、コンドームを指に嵌めて、そこに侵入する。
「入るね……痛かったら言って」
「承知した」
御剣のビジネスライクな口ぶりの癖に、足を広げて僕の前で晒しているギャップがたまんない。
最初は固く、指一本でも無理じゃないかって思ったけど、徐々にふっくらしてきて、そして恐らく御剣も勝手がわかってきて、すっと容易く1本が入った。

その後は簡単で。
もう1本。2本、3本。
大丈夫かなってなった時に指を外して聞いた。
「入って大丈夫?」
「……さっさとしろ」
そんな素直じゃない御剣に、僕は自分のペニスにコンドームを着けた。
オメガみたいに腸液は出ないから、ローションを多めに着けて、ゆっくりと先端を押し込む。
「御剣、しんどかったら言ってね……!」
「……んっ、承知した……っ」
御剣の途切れ途切れの吐息の混ざった声に興奮して、一気に突き刺すように入れてしまった。
御剣もそれに合わせてんっ、と声を出す。

大事にしたいのに、いたわりたいのに、理性がこの衝動を制御できない。

「ごめっ、う、動くっ……!」
御剣の中はあったかくて、気持ち良かった。
僕は可能な限り抑えて、御剣の中を控えめに行き来していると、御剣の声が下からした。
「私はっ、君が思うほどっ、やわではない!遠慮するな……!」
その言葉にときめいて、僕はあっという間に御剣の中で果ててしまった。

もう少し長持ちしたかったのに。御剣をもっと気持ちよくさせてあげたかったのに。
「すぐ、終わっちゃって、ごめん……」
僕が謝ると御剣は鼻で笑った。
「はんっ、そんなこと。気にするな」

御剣はドサッとベッドに横たわり、真似した僕を抱きしめてくれた。
「……君は満足したのか?」
「凄く良かった。ずっとどきどきしてた」
「そうか」
御剣は何度か頷いて言った。

「私はオメガではないが、君を満たすことが出来て嬉しい」
そんな健気な御剣の言葉にきゅんとして、御剣にキスをした。

これが僕らの初夜だった。

<つづく>
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【4/21新刊サンプル】アルファ×アルファ【ナルミツ】

キーワードタグ 裁きの庭  裁きの庭34  逆転裁判123  成歩堂龍一×御剣怜侍  ナルミツ  告知  R18 
作品の説明 童貞処女のまどろっこしい恋事情(ベッド事情)のお話。

初夜、痴話喧嘩①、ヒート、痴話喧嘩②、エピローグの5部構成です。
※題名通り二人ともアルファです。

全24ページ、表紙のみオンデマンド印刷のコピー本、A5、200円になります。
スペースは庭02になります。
またR18ですので、年齢のご確認にご協力ください。
【4/21新刊サンプル】アルファ×アルファ【ナルミツ】
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「初夜」
僕は成歩堂龍一。
弁護士だ。

そして、アルファでもある。
僕の隣で寝ているのは御剣怜侍。
彼もアルファで-----僕の恋人だ。


普通はアルファとオメガがつがいになるのが普通だ。
それか、ベータ同士。
でも落ちるのが恋で、僕は御剣怜侍に恋をした。
それは止められなかった。
だから、僕は御剣に告白をした。
すると御剣は、あの御剣が、僕にすぐさま抱きついてきた。
堪えきれないという風に。
「私も……ずっと君のことが好きだった……でも嫌われるかもと……アルファ同士でおかしいだろうとずっと……」
御剣の苦悩を感じて、僕は御剣の背中をさすったと同時に御剣の僕への深い愛に心震えた。
あの御剣が、ルックスも仕事も完璧なあの御剣が僕のことを思ってくれていたなんて。

御剣がすまないと言って、僕から離れた時に目があって、恐る恐る僕から唇を合わせに行った。
御剣の唇は少しかさかさしていたけれども、柔らかく、どきどきと心臓が痛かった。


そこから、僕らは付き合い始めた。
もとから友達同士だったから、急激な生活の変化はない。
でも、お互いの部屋を行き来することが増えた。
お互いの手料理を食べて、一緒に寝る。
そんな中、僕はどうしても持て余す感情を持つようになった。

御剣と寝たい。
普通に今までのように寝るんじゃなくって、セックスがしたい。

でも、アルファ同士のセックスはどうしたらいいかなんてわからない。
アルファとオメガの男同士なら、肛門が性器に変わるので、アナルセックスをするらしいけども。

一緒に初めてお風呂に入った時、そっと御剣のペニスに手を伸ばした。
御剣のものは僕のとは違い、ピンクで太さがある。全体的にずんぐり大きい。
「な、成歩堂……?」
御剣は手を払って、驚いてみせた。
「ご、ごめん……ただ、興味あってさ。お前はないの?性欲っていうか」
「性欲……?」
ぽかんと呟いた御剣は穢れを知らない天使のように見えた。
「その、発情期のオメガを前にしたら、威嚇的になるが、よく、わからんな……」
「僕は御剣とシたいよ。どうやってするか、わかんないけどさ」
「そうか……」
御剣は目を反らして暫く黙っていた。
沈黙が痛くて、そんなに御剣を怒らせたかな、謝ろうと思った時に御剣が口を開いた。
「君がしたいなら、それを叶えたいと思う。どうしたら良いか、二人で考えよう」


御剣は前向きだった。
まず、ベータならどうしているのだろうと僕に聞いてきた。
アルファとオメガは発情期には交わるけれども、日常的に愛情表現をすることは---ないわけではないけれど---恋愛結婚するベータ同士とは違い、少ない。
そういうことを踏まえて聞いてきたのだろうと思った。
「ベータの矢張は、コミュニケーションだって言ってた。セックスって」
「しかし、性欲解消の目的でもあるんだろう?」
「一人では、そうだけど……でも僕は御剣と共有したいんだ。好きだから」
「なるほど、そういうものか」
御剣はふ厶と顎に手をあてた。
「ベータでも男同士で好きになることはないのだろうか」
「……聞いたことないけど」
「私もだ」
御剣は暫く考えた後、結論を出した。
「なら、アルファとベータを真似るしかあるまい」
「えっ」
それは暗にアナルセックスを示唆していた。
僕は戸惑う。
「ぼ、僕はオーラルセックスだけでも……」
「本当かね?君は欲求不満なのではなかったかな」
「そ、そういう訳じゃないけど……でも確かに御剣を抱きたいよ。けどさ」
「ほら、明確な願望があるなら先に言うべきだ。まどろっこしい」
御剣は少し怒っているように言った。
僕は癖で謝る。
「ご、ごめん……」
「謝るな。なら、肛門を使っての性交の方法を調べてみる。数日くれ」
「有難う……」

僕は嬉しさと不安と緊張がない混ぜになっていた。
だって、本当に御剣を抱けるのかと思うと、長年の夢が叶ったようだけれども、でも、御剣に自分も恋人を同じように抱きたいと言われると困るし(そもそも御剣のペニスは僕のよりかなり大きいので恐怖でしかない)と言った塩梅だ。

でも御剣は今まで通りで、そして数日後、いくつか書類の束を僕の前に置いて言った。
「調べたぞ。わかったことにはベータの男女間でも、時によっては肛門性交を行うらしい」
「へぇ……」
それは知らなかった。
「その際の注意点だが、挿入される側が食物繊維を多く取ることだけらしい。腸の洗浄は腸を痛めるし、腹を下しやすくなるらしく、向かないらしい」
「じゃあ、オメガじゃなくっても出来るってことか……」
「そういうことになる。サプリで食物繊維を取って見ているが、今夜、試してみるか?」
えっ、そんな直ぐに?
いや本望だけども!
「で、でも……」
「嫌なのか?」
「嫌じゃないよ!でも……御剣は嫌じゃないのか……?」
ここで拒絶されたらどうしようと思いながらも聞かざるをえなかった。
「私は君の願いを叶えたいと言っただろう。君の好きなようにしたらいい。私もそれをサポートする」
「御剣……」
僕はそんな健気な御剣じーんと来た。


その晩はいつも通り一緒に夕飯を食べた後、一緒にお風呂に入った。
この目の前の男を自分の思うがままにできるなんて……夢じゃないかと何度も思った。

ベッドで押し倒して、御剣の上に伸し掛かると御剣は僕の腰に腕を回してきた。
それが愛らしくて、僕はたまらなくなって、御剣の唇に噛み付くようにキスをした。
好きだよ、御剣。好き。

初めてのディープキスだったけれど、御剣も舌を絡めてきて、凄く燃えた。
お互いの唾液が銀の糸のように連なって、僕らは唇を離した。

「はぁ、はぁ……」
「……こういう時は鼻で息をするのだぞ」
御剣は息が荒い僕を見上げながら、手の甲で唾液を男らしく拭った。
下にいるのは御剣だけど、精神的には御剣が常に手綱を持っている気がする。
そんな俺様というか、亭主関白なところが好きなのだけれど。
「えへへ……そうなんだ、有難う」
そうして僕は御剣の首筋にキスをし、胸元にキスをした。
じっくり見たことなかったけど、御剣の乳首も可愛らしいピンクだった。

「ここ、可愛い」
素直に感想を言って、そこに甘噛みする。
御剣は軽く身を捻った。
「ん……」
「気持ちいい?」
優しく乳首の周りをくるくるとマッサージみてみる。
「……よくわからんが、少し擽ったいな」
「擽ったいところが性感帯なんだって」
僕は僅かなベータ同士のセックスの知識を振り絞っていた。
アルファとオメガのセックスは多くが発情期の時で、その時はどこも気持ちよくなるらしいけど、それは恐らくできないから。
「ふふ……私の胸がそんなに好きか」
「うん、御剣好きだし」
手で御剣の胸を揉んでみると、御剣の筋肉質な胸板が感じられて、こんな格好いいやつを、逞しい奴を抱くんだっていう実感が湧いてくる。
思い立って御剣の胸元に頬ずりしてみると、トクントクンと御剣の心音が聞こえた。心地よい。

御剣もそんな僕の髪をくしゃくしゃっと撫でてくれていて、僕も御剣の体のあちこちを撫でた。
胸、腕、脇、太もも。そして……。
「んっ……!」
御剣の果実に触れると、御剣は体を震わせた。
「……口に、入れていい?」
「好きにしろ」

それは素直じゃない御剣のゴーサインだから、僕はそのまま御剣の柔らかいピンクのペニスを口に入れた。
温かい体温が口一杯に広がる。
「もごっ、もごご」
「……喋るかしゃぶるかどっちかにしたまえ」
御剣のペニスは僕のより大きく、なんとか歯を立てまいとするのに一苦労だった。
でも勃起してもふにゃっとしててなんだかかわいい。
「気持ちいい?」
一回口を離して聞くと御剣は唸ってみせた。
「よくわからん……あえて言うなら少し痛いが」
「ごめん!優しくするね」
そうして唾液でたっぷり包んで暫く吸ったり、キスしたり、裏筋を舐めたりとかしているうちに御剣の呼吸が荒くなっていくのを感じた。
「成歩堂!何かが出そうだ!止めてくれ!」
僕はそれが射精だとわかっていたけれど、御剣は知らないんだろうか。
そんなうぶな御剣が可愛くて、興奮して、僕はちょっと強めに口の中で吸い込んだ。
「あっ……!」
御剣の声と共に口の中ににがしょっぱい感覚が広がる。
御剣は達したのだった。

「な、成歩堂……出したまえ」
御剣は慌ててベッドの隣に置いてあるティッシュを持ってきてくれたけど、僕はそれを無視して飲み込んだ。
「……食べちゃった」
「き、汚いだろう!」
「御剣のものだもん。汚くないし、出してくれて嬉しい」
御剣は複雑そうな顔をしたが、僕は笑ってみせた。
「自慰とかあんましない?」
「……せんな。特に必要に駆られたことがない」
「じゃあ、初めてだったんだね」
御剣のその返答に僕の支配欲がむくむくと刺激される。
御剣の初めての男になれるなんて嬉しい。嬉しすぎる。

「……ところで入れたいんだろう?違うか」
「あ、はい、そうです」
「さっさとしたまえ」
御剣は偉そうに指示出しをしたけど、頬は上気していて、声もどこか色っぽい。
たまんないな。
「ほら、ローションとコンドームだ」
「有難う」
御剣の準備の良さは御剣も期待してくれているって思っていいんだよね?

「失礼します……」
そう言って御剣の足を抱えて秘密の花園を前にする。
御剣の可愛い可愛いペニスの下にある蕾。
そっと触れてみるとひくひくと動いた。
ここに入れるんだ。
僕が。

「ローションつけるね」
手に出してみると案外ひやっと冷たかったので、手のひらで温めてから御剣の肛門に塗る。
そして、コンドームを指に嵌めて、そこに侵入する。
「入るね……痛かったら言って」
「承知した」
御剣のビジネスライクな口ぶりの癖に、足を広げて僕の前で晒しているギャップがたまんない。
最初は固く、指一本でも無理じゃないかって思ったけど、徐々にふっくらしてきて、そして恐らく御剣も勝手がわかってきて、すっと容易く1本が入った。

その後は簡単で。
もう1本。2本、3本。
大丈夫かなってなった時に指を外して聞いた。
「入って大丈夫?」
「……さっさとしろ」
そんな素直じゃない御剣に、僕は自分のペニスにコンドームを着けた。
オメガみたいに腸液は出ないから、ローションを多めに着けて、ゆっくりと先端を押し込む。
「御剣、しんどかったら言ってね……!」
「……んっ、承知した……っ」
御剣の途切れ途切れの吐息の混ざった声に興奮して、一気に突き刺すように入れてしまった。
御剣もそれに合わせてんっ、と声を出す。

大事にしたいのに、いたわりたいのに、理性がこの衝動を制御できない。

「ごめっ、う、動くっ……!」
御剣の中はあったかくて、気持ち良かった。
僕は可能な限り抑えて、御剣の中を控えめに行き来していると、御剣の声が下からした。
「私はっ、君が思うほどっ、やわではない!遠慮するな……!」
その言葉にときめいて、僕はあっという間に御剣の中で果ててしまった。

もう少し長持ちしたかったのに。御剣をもっと気持ちよくさせてあげたかったのに。
「すぐ、終わっちゃって、ごめん……」
僕が謝ると御剣は鼻で笑った。
「はんっ、そんなこと。気にするな」

御剣はドサッとベッドに横たわり、真似した僕を抱きしめてくれた。
「……君は満足したのか?」
「凄く良かった。ずっとどきどきしてた」
「そうか」
御剣は何度か頷いて言った。

「私はオメガではないが、君を満たすことが出来て嬉しい」
そんな健気な御剣の言葉にきゅんとして、御剣にキスをした。

これが僕らの初夜だった。

<つづく>
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