【2024/02/11イベ用】お題あり/短文公開所
時間の許す限り追加していきます。
【作成予定CP】
黒菅・月菅・双子菅・あとは間に合えば
イベントサイト⇒https://picrea.jp/event/38813d9a6e5332787f13dac070d265339c4c711beea8b21f82966684bda30e79
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2024年02月10日 21:59【黒菅】同じ大学に通うふたり/付き合ってない/黒尾→菅原/両想い?
「26. お願いをするときに「何でもするから!」と言うのが口癖の菅原。本当になんでもしてくれるのか、と問い詰めたくなるが怖がられそうなので思いとどまった黒尾。」
お題ガチャ『ズルい君に今日も片想い』https://odaibako.net/gacha/7527
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『何でもするから』
「何でもすっからさぁ~」
物騒なセリフが聞こえてきた。これが菅原の声でさえなければ、何も物騒に思わないのだが、過去に自分が同様のセリフを彼から言われた時にかなり物騒な考えに至ってしまったのもあり、再三菅原には言い含めておく必要があると思っていたのだ。
「はいストップ~」
間に合ってよかった。菅原から何事かを頼まれていた同学部の男は、今まさに菅原に「何でも? ほんとに?」と食い付いていた。何を言おうとしていたのかは後で詳しく訊くとして。
お前はもう用なしだよしっしっと追い払う前に、その男子は俺が登場するとぎょっと慄いてそそくさと逃げていく。
「あっ! 待ってよ、俺のお願いきいてくれんだろ!」
「お願いってなに、スガちゃん」
「黒尾~~~~。邪魔すんなよな」
振り向きざま菅原がジト目で睨み、片足で俺のケツを軽く蹴り上げる。
「何でもするとか、簡単に言うんじゃないよって言ったでしょーが。ほんとに無理なこと言われたらどーすんだよ」
「そんなのわかってるって! ヘンな交渉してくるようなヤツには頼んでないし」
そうは言うが、一見おとなしそうに見えても、とんでもない交渉を持ち掛けてくるヤツだっている。菅原の目が節穴だという訳ではないが、人の内面なんて普段の言動からは判別付けられないんだから。
「そういうところ、スガちゃんは心配なんだよな」
「んなこと言ったって、黒尾はこの学科取ってねーべ。黒尾にお願いできりゃ、俺だって他には頼まねーよ」
教育学部に進んだ菅原の毎日は忙しい。単位を取るのとは別に、先生になるための授業も受けるのだから当然だ。
「俺にできることはないの?」
「黒尾に~?」
「何でもするから」
「何でも?」
「うん」
口にした瞬間は気付かなかった。”何でもする”なんて、安易に言うなって菅原に注意したばかりなのに。
「何でも……」
でも俺は、菅原に頼まれたら本当に何でもするだろう。俺のために死んでくれと言われたって、死ぬのは回避するかもしれないけどその解決法は真剣に考える。
考え込む菅原を目の前にしても、俺に焦りはない。何を頼まれたって叶えてやりたいと思う。それは相手が菅原だからだ。他の誰に頼まれたって、こんな安請け合いはしない。
「俺の、」
願いを思い付いたのか、菅原は俺の顔を見上げて言葉にしようとしたが、その前に慌ててきょろきょろと周囲を見回す。講義開始時間は様々だから、ちらほらと学生の姿は見受けられても、終了後のこの教室に向かってくる輩はいない。
「ちょっとだけ、頭撫でて」
菅原は俯き、小さい声で言った。
聞き間違えじゃないかと俺は思ったが、相対したまま菅原に顔を俯けられたら、頼まれなくてもそうするだろう。ひょこっとひと房跳ね上がっている菅原の頭頂部の髪を撫で付けるように、自分の右手のひらをそっとそこへ乗せ、頭の形を確かめるように往復させる。すると、緊張からか僅かに強張っていた菅原の肩から力が抜け、俺の手のひらの動きに同調するように空気も柔らかく揺らめき始める。
その揺らめきにのせ、菅原の体が傾いで、俺が引き寄せるまでもなくその頭部が俺の胸の中に納まった。そして遠慮なく菅原の両腕が俺の背中に回される。
「う~~」
辛いことでもあったのか、俺に縋って小さく呻き声をあげた。
「スガちゃん、ぎゅってしてもいい?」
訊けば、こくこくと頷くから、抱き潰さないように俺も彼の背中に両腕を回して力を籠める。片手で彼の後頭部を撫で、俺のカラダの中に取り込みたいという想いでぎゅうっと包み込む。こんなの、好きって伝えてるようなものだ。俺はまだ自分の気持ちを、菅原に伝えていない。
「くろ、お」
菅原が身動ぎし、俺はハッとして慌てて力を緩める。苦しかったのか、腕の中の菅原が顔をあげると、少し涙目になっている。
「ごめん、強くし過ぎた」
焦り顔を見せる俺に、菅原はへへっと笑って首を横に振り、「ちょっと楽になった」と言った。
「忙しくって、もう死にそうって思ってたから」
強く抱き締めたせいで、菅原の目元はほんのり赤く色付いている。
その時俺は、どんな顔を彼に見せていたのか分からない。数秒見詰め合い、ふっと菅原が切なげな、物欲しげな表情を見せ、目線がちらりと俺の唇を捕らえたので、それはそういうことだと思う前に体が反応していた。
空き教室の入口の扉の陰。菅原は俺にキスされても逃げるどころか、自ら顎を上げて応えてくれた。
これも菅原の頼み事だった? 分からないけど、菅原は満足げに微笑んで、俺の左右の手を片方ずつ握って再び俺の胸に頬を寄せた。
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2024年02月10日 21:57【月菅】両片想い/潔子さんの扱いが酷く見えたらすみません。当て馬ではないです、とお断りしておきます。
「この想いを告げることはないと心に決めているが、菅原にお似合いの恋人ができたら絶対に後悔するだろうな、と思う月島。」
お題ガチャ『恋なんてしたくなかった』https://odaibako.net/gacha/9884
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『高嶺の花』
清水潔子さんというマネージャーは、僕が今まで接してきた女子とは違うと勝手に思い込んでいた。
彼女が試合中に菅原さんの手を握った時、その印象も一気に崩れた。菅原さん自身も嫌ではなかった様子だったし、この二人はそのうち付き合うのだろうと思っていた。
僕はそれまで、女子に対して恋愛感情を抱いたことがなかった。もちろん男子に対してもだが、もしかしたら清水さんと菅原さんは、自分にとってどこか特別なのではないかとその時に気付いた。信頼し合っている二人の姿を目の前にして、心がみしりと音を立てたからだ。
どちらか一方が自分にとっての特別、とは、その時には思わなかった。その二人はとてもお似合いで、二人が一緒に並んでいるだけで、その温かい空気を分け与えられている気分になったし、清水さんが他の部員にも同様に気遣いをみせると邪魔したい気持ちにもなった。
なぜだろう。清水さんは他の女子と違って、恋愛などに左右されない凛とした人でいて欲しかったのに。今では菅原さんの傍にいて欲しいと思っているし、菅原さん以外の男子に関わらないで欲しいと思っている。
「月島~!」
菅原さんは、よく僕を構いに来る。最初の頃は、なんだろうこの人はと思っていたが、清水さんとこの人は自分にとってどこか特別なのだと感じるようになってからは、この人の声を耳にしただけで、心がふわりと浮き立つ自分がいた。
でも、いいのだろうか。僕は男だし、菅原さんの恋愛の相手にはならないとしても、清水さんは僕のことを、僕に限らず影山や日向に構い倒している菅原さんの姿を見ても、何とも思わないのだろうか。何とも思わないのだろう。逆に、彼女目当てで声を掛けてくる田中さんや西谷さんへの態度がその答えだ。そういう人だ清水さんは。だから僕は彼女が好きなのだ。
「菅原さん」
「ん?」
「菅原さんは、清水さんのことが好きなんですよね」
「え?」
後先考えず、口にしてしまった。してしまったというより、口から勝手に出てしまったという方が正しい。後輩から急にそんなことを言われたって困るだろう。菅原さんは言葉に詰まっていた。
「そりゃ、好き、、だけど」
なんでそんなことを訊くんだ? と言いたげな少し焦った表情。あれ、おかしいな。僕は二人が二人でいるのを祝福している筈だったのに、菅原さんの口から清水さんが「好き」という言葉を聞かされただけで、胸に大穴を開けられたように強い衝撃と虚無感が襲ってきた。
「もしかして月島、清水のことが好きなの?」
僕は清水さんが――――
「――――」
その問いに対する返事は、肯定の筈だった。でも、どうやら違ったんだ。人に訊かれて、自分で答えようとして、初めてそれに気付くなんて。
「菅原さんは、清水さんのことが好きなんですよね」
月島にそう訊かれて、俺は言葉に詰まった。頭が真っ白になった。
なんでそんなこと訊くんだ? 俺が「うん」って言ったらどうなるんだ? もしかして月島は、
「もしかして月島、清水のことが好きなの?」
いや、訊くな! 訊くなよ俺! と、既に訊いてしまってから後悔した。月島は茫然として、その問いに答えを出そうとしている。
「――――」
しかし月島は、口をただ開けただけでそこから答えが音として発せられることはなかった。
”好き”という言葉を簡単に吐けないくらい、
(好き……なのか?)
そういう感情に疎い、疎いというか自分には不要だと思っているようなヤツだと思っていたから、月島のその反応を目の前にして俺は愕然とした。そして気付いてしまった。
「……」
俺は月島が、そういう意味で好きだったのか。
今更それに気付いても、そもそもすぐに気付いていたって、この気持ちを俺から本人に告げることはなかっただろう。この先も、告白はしない。今この瞬間に、できなくなってしまった。
「そっかそっか。清水か~。おまえは自分を甘やかすやつだと常々思ってたけど、ほんとは自分に厳しいもんな。あえて険しい道を選んでるのか? ライバルは多いぞ? でも、俺は応援してやるからな」
カラ元気で懸命に笑顔を演出しようとした。月島は俺の顔を見ているようで、その後ろに清水の姿を想像しているようでもあったから、きっと俺の作り笑顔には気付いていないだろう。おっと、アハハと笑い終わりに大きく息を吸ったらヤバイ、喉がひくついて嗚咽のような変な声が出そうになった。
「俺は応援してやるからな」
そう言って無理して笑おうとしているその人を見て、すぐに否定しなければと思った。もし僕が清水さんを本気で好きだと思われたら、この人は身を引いてしまうのではないだろうか。
「僕は――――」
この人が身を引くということは、二人は別れるということだ。
ふと、やましい気持ちが頭を過った。
菅原さんと清水さんが、今付き合っていようがいまいが、僕がしゃしゃり出てきたことで菅原さんは冷静さを取り戻すのではないだろうか。この人は恐らく恋愛の優先順位が低い。
「僕は、」
菅原さんが好きだ。清水さんがこの人の傍にいてほっとするのは、他の女子とは違って清水さんがまともな人だからだ。菅原さんから清水さんに告白でもしない限りは、清水さんはそういう関係を希望しないだろうと、勝手に確信しているからだ。他の女子からの”壁”として、清水さんには菅原さんの傍にいて欲しかったのだ。
「僕は、清水さんのことが」
月島が答えを出そうとしている。もしかしたら、俺が「好きなの?」なんて訊かなければ、そういう気持ちにも気付かなかったかもしれない。でも、だって、月島が、俺が清水を好きなんでしょ、なんて訊いてくるから。
(菅原さんが、)
(月島が、)
この先誰かと付き合うことになって、その相手がいくらお似合いの人であっても。
(僕は)
(俺は)
後悔するんだろうな。と、いつかの未来を想像して心が苦しくなる。だけど、
(僕じゃない)
(俺よりも)
この人には相応しい相手がいるだろうと思うから、自分の想いは伝えられない。
恋なんてしたくなかった。
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