高原 風音

ふんわりいちゃ甘な創作BL小説をメインで活動しています!
基本的にはハピエン厨というより、ハッピーに始まりハッピーに進んでハッピーに終わる、一言で言うと“始終ハッピー主義”。
主にPixivで作品を発表しており、こちらには順次再掲を行っております。現在執筆中のシリーズは3人組のゆるふわいちゃあまラブ『僕+君→Waltz!』(R-18あり)。完結済みのシリーズには、自由奔放な少年がハッピーエンドを迎えるまでのお話『初恋みたいなキスをして』(R-18)があります。
そのほか、ちまちまと短編BLを書いたりしています。
また、ここでは紹介しませんが、ファンタジー?ふうのシリーズ『碧色の軌跡』(完結済み・恋愛要素なし)やオリジナル短編などもあったりしますので、興味がありましたらぜひ。
二次創作もぼちぼちやっております。

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投稿日:2023年07月24日 22:17    文字数:1,405

8こ目;【番外編】僕らがタルトを好きな訳【健太と蒼生】

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勢いで書いちゃった、健太バースデー短編。
いつかの誕生日のお話です。
ああ、こうなるんだったら蒼生の誕生日にもやっておけば良かった!
そして付番がズレていく、計画性ズタボロの作者なのであった

↑当時のキャプション↑
2021/07/24公開。
そう、2年前の今日です。今日は健太の誕生日なのでした。
おめでとう、健太!
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 こんこん。
 丁寧なノックの音。机に向かって渋々課題を進めていた健太はぱっと顔を上げた。そしてほぼ同時に立ち上がり、大股でドアに向かう。
「蒼生っ」
 ドアを開けながら呼ぶと、一歩後ろに下がった蒼生がきょとんとした顔で健太を見上げていた。手には、綺麗な白い箱を抱えている。
「び……っくりした。僕名乗ってないよね?」
「そりゃあノックの音でわかるよ」
 そんな、と思ったが、よく考えれば蒼生も健太の来訪を足音で察知している。どっちもどっちか。改めて、蒼生は抱えた箱を掲げて見せた。
「お誕生日おめでと。ケーキ買ってきたから食べよ」
「ありがと! わ、めっちゃ嬉しい!!」
「……なーんて、4日前もやったのにね」
「何度やったっていいじゃん」
 嬉しそうに健太は蒼生を部屋に招き入れる。床に置くわけにはいかないし、机の課題を適当に片付けて場所を作った。
「あ、ごめん勉強中だった?」
「いいよ、これはあとで蒼生と一緒にやるから」
「僕もなんだ」
 くすぐったそうに笑う声。さらに嬉しくなって、健太は目の前の蒼生を思わずぎゅっと抱き締めた。腕の中で、蒼生が慌てる。
「健ちゃん、ケーキ崩れる!」
「あ、ヤバいヤバい」

 蒼生の持ってきた白い箱の中身は、小ぶりのタルトだった。白とピンクと黄色の桃がどっさり乗っていて、キラキラと日差しの中で光っている。
「リビングに持ってけばよかったのに」
 呼んでくれればすぐ行ったよ、の意味で言うと、蒼生はちょっと拗ねたような顔をする。
「みんなで食べるケーキはもう食べたでしょ。これは僕と健ちゃんの。ふたりで食べたくて買ってきたんだから」
 そうか……。嬉しさがじわじわと再び胸の奥から湧き上がってくる。蒼生が。オレと。ふたりきりで。
「あんまり甘くないやつだから健ちゃんにも食べやすいと思って」
「でもオレ、昔より甘いの平気になったよ」
「あ、そうなの?」
「蒼生と一緒にいろんなもの食べに行ってるからさ。慣れてきた」
「じゃあこれからもいろんなとこ一緒に行ってくれる?」
 健太は首がもげるかと思うくらい思い切り頷いた。
「もちろん!」
 嬉しい、呟いて、蒼生が足をぱたぱたと揺らした。これは蒼生が健太にだけ見せる、本当に嬉しい時の癖。

「そういえば、真ん中バースデーってあるじゃん」
 突然切り出した健太に、蒼生は首を傾げる。
「あー、それぞれの誕生日の真ん中の日ってこと?」
「オレたち4日違いだから……割ると2だから真ん中ってないのかな」
「ううん、間が21日と22日と23日でしょ。だから22日じゃないの。でも1日おきじゃそれこそ誤差の範囲でしかないよね。……健ちゃん?」
 健太は何事か考え込むように腕を組んでいる。どうしたことかと覗き込むと、健太はひとり納得したように2、3度頷いた。
「なるほど、誤差か。ってことは20日から24日までは毎日が記念日でいいってことじゃね?」
「は?」
「来年からは記念日5デイズってことか~。何しようかな!」
 蒼生は今日2回目のきょとん顔。それにはまったく構わず、嬉しそうに健太はカレンダーを眺める。
 それを見ているうち、蒼生もつられたように嬉しくなってくる。
「……ふふ。なにそれ。健ちゃんらしいね」

 ナイフなんて使わずに、ふたりで端っこからフォークを刺して食べたタルトは、口の中よりも胸の中で最高に甘かった。
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 こんこん。
 丁寧なノックの音。机に向かって渋々課題を進めていた健太はぱっと顔を上げた。そしてほぼ同時に立ち上がり、大股でドアに向かう。
「蒼生っ」
 ドアを開けながら呼ぶと、一歩後ろに下がった蒼生がきょとんとした顔で健太を見上げていた。手には、綺麗な白い箱を抱えている。
「び……っくりした。僕名乗ってないよね?」
「そりゃあノックの音でわかるよ」
 そんな、と思ったが、よく考えれば蒼生も健太の来訪を足音で察知している。どっちもどっちか。改めて、蒼生は抱えた箱を掲げて見せた。
「お誕生日おめでと。ケーキ買ってきたから食べよ」
「ありがと! わ、めっちゃ嬉しい!!」
「……なーんて、4日前もやったのにね」
「何度やったっていいじゃん」
 嬉しそうに健太は蒼生を部屋に招き入れる。床に置くわけにはいかないし、机の課題を適当に片付けて場所を作った。
「あ、ごめん勉強中だった?」
「いいよ、これはあとで蒼生と一緒にやるから」
「僕もなんだ」
 くすぐったそうに笑う声。さらに嬉しくなって、健太は目の前の蒼生を思わずぎゅっと抱き締めた。腕の中で、蒼生が慌てる。
「健ちゃん、ケーキ崩れる!」
「あ、ヤバいヤバい」

 蒼生の持ってきた白い箱の中身は、小ぶりのタルトだった。白とピンクと黄色の桃がどっさり乗っていて、キラキラと日差しの中で光っている。
「リビングに持ってけばよかったのに」
 呼んでくれればすぐ行ったよ、の意味で言うと、蒼生はちょっと拗ねたような顔をする。
「みんなで食べるケーキはもう食べたでしょ。これは僕と健ちゃんの。ふたりで食べたくて買ってきたんだから」
 そうか……。嬉しさがじわじわと再び胸の奥から湧き上がってくる。蒼生が。オレと。ふたりきりで。
「あんまり甘くないやつだから健ちゃんにも食べやすいと思って」
「でもオレ、昔より甘いの平気になったよ」
「あ、そうなの?」
「蒼生と一緒にいろんなもの食べに行ってるからさ。慣れてきた」
「じゃあこれからもいろんなとこ一緒に行ってくれる?」
 健太は首がもげるかと思うくらい思い切り頷いた。
「もちろん!」
 嬉しい、呟いて、蒼生が足をぱたぱたと揺らした。これは蒼生が健太にだけ見せる、本当に嬉しい時の癖。

「そういえば、真ん中バースデーってあるじゃん」
 突然切り出した健太に、蒼生は首を傾げる。
「あー、それぞれの誕生日の真ん中の日ってこと?」
「オレたち4日違いだから……割ると2だから真ん中ってないのかな」
「ううん、間が21日と22日と23日でしょ。だから22日じゃないの。でも1日おきじゃそれこそ誤差の範囲でしかないよね。……健ちゃん?」
 健太は何事か考え込むように腕を組んでいる。どうしたことかと覗き込むと、健太はひとり納得したように2、3度頷いた。
「なるほど、誤差か。ってことは20日から24日までは毎日が記念日でいいってことじゃね?」
「は?」
「来年からは記念日5デイズってことか~。何しようかな!」
 蒼生は今日2回目のきょとん顔。それにはまったく構わず、嬉しそうに健太はカレンダーを眺める。
 それを見ているうち、蒼生もつられたように嬉しくなってくる。
「……ふふ。なにそれ。健ちゃんらしいね」

 ナイフなんて使わずに、ふたりで端っこからフォークを刺して食べたタルトは、口の中よりも胸の中で最高に甘かった。
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