投稿日:2018年10月11日 21:50 文字数:3,227
【ハルカグ】ウチのダブルエースは今日も元気です
ステキ数は非公開です
毎度大遅刻でも参加したい、初心に戻ってなんかこう大型犬榛名って良いよね!
っていう勢いだけの、秋丸視点の榛名の話。加具山さんはちょっとだけしか出ないけどハルカグです。
ハルカグなんです(笑)
ハルカグ企画さん毎回ありがとございます!
http://hk60min.tumblr.com
ダブルピッチャーに幸あれ!
っていう勢いだけの、秋丸視点の榛名の話。加具山さんはちょっとだけしか出ないけどハルカグです。
ハルカグなんです(笑)
ハルカグ企画さん毎回ありがとございます!
http://hk60min.tumblr.com
ダブルピッチャーに幸あれ!
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榛名は変わったヤツだと思ったのは、もう相当昔の、オレの背丈がいまの腰くらいまでしかなかった頃だったと思う。
いや、変わっていると言うか。
一つのことに集中すると他が見えなくなると言うか。
いや、あれは見えてるけど無視してるというべきか。
とにもかくにも、榛名は変わったヤツだと思った印象は高校生になっても変わらないのだけれども。
「秋丸って悩みなんか無さそうで良いよなあ」
そう、変わってるというか、こういう無神経なところ!こういうところもどうかとオレは思うんだ!
「オレにだって悩みの一つや二つーー」
「あったとしても、オレよりも軽い悩みだろ?」
「決めつけんな!」
いやほんと榛名の俺様榛名様のこういうところを何年も付き合ってるんだから、オレ偉いと思う。これ以上言い返してもしょうがないって分かってるからね、いやほんと。
「はいはい、んで?」
「んで、って」
「珍しく悩んでんなら、一応聞くくらいはしてやっても良いよ」
「なんだよ、もっと親身になれよなー」
スルーしないだけ偉いと思って欲しいと心の中で声を掛け、はいはいとそれだけ口に出す。
榛名はそんなオレの態度に面白くなさそうな顔を見せたが、すぐに表情を変えた。
が、いつもの表情になったと思えばその眉間に皺が寄り。しばらくして腕を組むと、視線がどこか遠くを捉えた。
何を見ているのかとそちらを見てみると、そこにはなんの変哲も無い、薄ぼけた我が学び舎が建っていた。
「オレさぁ、ずっと野球やってきたじゃん」
「そうだな」
ふと脳裏に昔々の正にガキ大将と言うべき姿の榛名が過る。
さっきまではその欠けらが見えるような表情だったのに、今、隣に立ってる榛名はその部分が身を潜めていた。
「それに疑問も無いし、ずっとやってんだろなと自分でも思うわけ」
「榛名はそうだろうと思うよ、ずっと野球やってるだろ」
野球バカ。なんて言ったら張っ倒されるのか、胸を張るのかどっちだと頭の中で自分自身と会議をする。
榛名は野球一色の人生だし、野球と榛名はイコールと言ってもおかしくないだろってくらいにしっくりくる。オレにはそれは無理だけど。
「武蔵野来てさ、オレまともに部活やったの初めてじゃん」
「そうだな」
さっきからブツ切りの会話はなんなんだと思いながら相槌を打つ。
「中学とか何も思わなかったのに。オレ、初めて。ずっと続くと思ってても、終わりがあるんだなって実感してんだ」
静かな物言いに、視線の先は漠然とした校舎全体ではなく。その視線は校舎の上の階をーー三年生の教室あたりをじっと見つめていることに気がついた。
「あと一年もしないで、終わっちまうんだな」
部活の楽しさを、榛名に教えてくれた三年生の先輩たちが浮かぶ。
まだオレたちはあと、一年部活は続けられる。だけど。
榛名にとっては「三年生と」一緒に練習して、試合した、この一年と少しの時間が「部活」の基本になっているのか。
一年前には考えられなかった、そんな榛名の言葉。
「そーだな」
そう答えて、横目で榛名を見上げる。
「でも、終わりってわけでも無いんじゃない」
続けてそう言うと、オレの視線より少し上の猫型の瞳が見下ろして来た。
「終わりだろ?」
「そりゃ高校生活は終わりだけどさ。メールすりゃ良いじゃん。野球しましょうって声掛ければ良いじゃん」
オレからすれば当たり前と言うか捻りも何も無い提案だったのだが。榛名はオレの言葉にぽかんと口を開けて。それから一気に目を見開いた。
「そーか、連絡取れば良いのか!」
「そうだよ」
「そっか、そうだよなー!」
野球バカの榛名はグラウンドに行けば誰とでも会えると思ってるんじゃないかと思う。
それくらい野球は身近なもので、身近すぎて、それが一番になりすぎてるところがある。
だから、提案したのはオレなのだが。「そっか」と納得した榛名に実は驚いているオレが居る。
だって筆不精で、連絡とるのもめんどくせぇとか言う榛名が。自分から連絡して、関係を続けたいと思ってるなんて今日は雷雨霰が一斉に来るかもしんない。
「つか、オマエは三年って括ってるけど。一番そう思ってるのは加具山先輩だろ」
「ーーなんでわかんの?」
側から見てても、あの懐きっぷりは分かるっつのと心の中でツッコミをする。この一年でこのツッコミはアホほどしてる気がするけど。
「なんなら、加具山先輩にはこう言ってみたら良いんじゃん?」
「なんだよ」
興味深そうに近寄って来た榛名に、悪戯心が芽生えて口を開いた。
「結婚前提に、一緒にいてくださいって。野球と違って、人を相手にずっと一緒にとか思うなら、それが一番だろ」
さてゲンコツ飛ぶ前に逃げろと足に力を入れたその時だった。投げる時よりも早い動作で、気がつくとオレは両肩をがっちり掴まれていた。
「って、いてててて! ごめん! ふざけ過ぎーー」
「秋丸!」
ドスの効いた声が近距離から聴こえて、久しぶりに冷や汗が出てきた。ふざけすぎた、悪い、すまんとぐるぐるし始めた頭で慌てて口を開く。
「だから、悪かったーー」
「それだ!」
「ーーはい?」
しかし、ドスの効いた声は一瞬だけで。次に聞こえたのはそりゃもう跳ねたような楽しげな声だった。
「……何が?」
けど、何が「それ」なのか分からず、なんだこの状況って思いつつそれだけ口にして顔を上げ。そこで思わず固まった。
目の前のウチのエースは、子供かよってくらいに目をきらきらと輝かせていたのだ。ーーっていうか、その顔は何、どういうこと⁈
「すっげー、しっくり来た!」
「何が⁈」
「ケッコン!!」
榛名の大声に完全にオレの脳が完全に思考を止める。
ケッコン。結婚って言わなかったか、今、こいつ。
「宮下先輩とか、良いよなあと思う人はいたけどさ、付き合うとかってめんどくせぇって思ってたんだよ今まで。付き合いたいとか、だから思ったことなかったし」
うん、それは知ってる。
「けど、ケッコン! ケッコン良いじゃん! 恋人とかピンとこねえけど、夫婦はピンとくる」
うん、それは知らない。
ーーつかなんだそのトンデモ理由⁈ たまにピッチャーの思考わかんねって思ってたけど最大級に戸惑ってんだけどオレ!
そんなオレの戸惑いなんか気にも掛けてない榛名は今度は突然前傾の姿勢になった。
「よし、善は急げだろ。オレ、カグさんに言ってくる」
「は? え、ちょっと待て」
「あれ、お前たち早いな。もうグラウンド来てたのか」
そこに聞こえてきたのは、今は聞きたくなかった声。
「カグさん!!」
オレの手じゃキャッチできなくなった、超変化球思考に急変した榛名の声が一段階高くなる。
そして今測ったらベストの速度なんじゃと思う超ダッシュで、校舎の方から歩いてきた加具山先輩に駆け寄る背中は、なんかこう、でっかい子供のようで。
「うわっ、なんだよ急に。どうした?」
よく分からないながらも笑ってそれを迎えた加具山先輩。
「カグさん、結婚してください!」
「ーーへ」
笑顔のまま固まったその姿に静かに目を閉じる。
すみませんこの超変化球を放らせたの、ちょっと自分のせいかもしれませんと心の中だけで謝る。
「バッカじゃねえの⁈」
「いってえ! なにすんですかー!」
「バカにバカって言って何が悪い、こんのバカ榛名!」
「本気ですけど!」
「んな本気あってたまるか、練習だ練習!」
ああ、すごい。加具山先輩、なんだかんだで超変化球も捕ってくれたよ。ピッチャーなのに。
なんて若干現実逃避気味に考えつつ、目を開ける。
視線の先では、やいのやいの肩をぶつけ合いながら騒ぐ身長差のあるダブルエースの姿。
ーーうん、お似合いなんじゃないかな、この二人。
離れてその後ろをついて行きながら、現実逃避の頭とは別にそんな言葉がストンと胸に落ちてきたのだった。
(終)
いや、変わっていると言うか。
一つのことに集中すると他が見えなくなると言うか。
いや、あれは見えてるけど無視してるというべきか。
とにもかくにも、榛名は変わったヤツだと思った印象は高校生になっても変わらないのだけれども。
「秋丸って悩みなんか無さそうで良いよなあ」
そう、変わってるというか、こういう無神経なところ!こういうところもどうかとオレは思うんだ!
「オレにだって悩みの一つや二つーー」
「あったとしても、オレよりも軽い悩みだろ?」
「決めつけんな!」
いやほんと榛名の俺様榛名様のこういうところを何年も付き合ってるんだから、オレ偉いと思う。これ以上言い返してもしょうがないって分かってるからね、いやほんと。
「はいはい、んで?」
「んで、って」
「珍しく悩んでんなら、一応聞くくらいはしてやっても良いよ」
「なんだよ、もっと親身になれよなー」
スルーしないだけ偉いと思って欲しいと心の中で声を掛け、はいはいとそれだけ口に出す。
榛名はそんなオレの態度に面白くなさそうな顔を見せたが、すぐに表情を変えた。
が、いつもの表情になったと思えばその眉間に皺が寄り。しばらくして腕を組むと、視線がどこか遠くを捉えた。
何を見ているのかとそちらを見てみると、そこにはなんの変哲も無い、薄ぼけた我が学び舎が建っていた。
「オレさぁ、ずっと野球やってきたじゃん」
「そうだな」
ふと脳裏に昔々の正にガキ大将と言うべき姿の榛名が過る。
さっきまではその欠けらが見えるような表情だったのに、今、隣に立ってる榛名はその部分が身を潜めていた。
「それに疑問も無いし、ずっとやってんだろなと自分でも思うわけ」
「榛名はそうだろうと思うよ、ずっと野球やってるだろ」
野球バカ。なんて言ったら張っ倒されるのか、胸を張るのかどっちだと頭の中で自分自身と会議をする。
榛名は野球一色の人生だし、野球と榛名はイコールと言ってもおかしくないだろってくらいにしっくりくる。オレにはそれは無理だけど。
「武蔵野来てさ、オレまともに部活やったの初めてじゃん」
「そうだな」
さっきからブツ切りの会話はなんなんだと思いながら相槌を打つ。
「中学とか何も思わなかったのに。オレ、初めて。ずっと続くと思ってても、終わりがあるんだなって実感してんだ」
静かな物言いに、視線の先は漠然とした校舎全体ではなく。その視線は校舎の上の階をーー三年生の教室あたりをじっと見つめていることに気がついた。
「あと一年もしないで、終わっちまうんだな」
部活の楽しさを、榛名に教えてくれた三年生の先輩たちが浮かぶ。
まだオレたちはあと、一年部活は続けられる。だけど。
榛名にとっては「三年生と」一緒に練習して、試合した、この一年と少しの時間が「部活」の基本になっているのか。
一年前には考えられなかった、そんな榛名の言葉。
「そーだな」
そう答えて、横目で榛名を見上げる。
「でも、終わりってわけでも無いんじゃない」
続けてそう言うと、オレの視線より少し上の猫型の瞳が見下ろして来た。
「終わりだろ?」
「そりゃ高校生活は終わりだけどさ。メールすりゃ良いじゃん。野球しましょうって声掛ければ良いじゃん」
オレからすれば当たり前と言うか捻りも何も無い提案だったのだが。榛名はオレの言葉にぽかんと口を開けて。それから一気に目を見開いた。
「そーか、連絡取れば良いのか!」
「そうだよ」
「そっか、そうだよなー!」
野球バカの榛名はグラウンドに行けば誰とでも会えると思ってるんじゃないかと思う。
それくらい野球は身近なもので、身近すぎて、それが一番になりすぎてるところがある。
だから、提案したのはオレなのだが。「そっか」と納得した榛名に実は驚いているオレが居る。
だって筆不精で、連絡とるのもめんどくせぇとか言う榛名が。自分から連絡して、関係を続けたいと思ってるなんて今日は雷雨霰が一斉に来るかもしんない。
「つか、オマエは三年って括ってるけど。一番そう思ってるのは加具山先輩だろ」
「ーーなんでわかんの?」
側から見てても、あの懐きっぷりは分かるっつのと心の中でツッコミをする。この一年でこのツッコミはアホほどしてる気がするけど。
「なんなら、加具山先輩にはこう言ってみたら良いんじゃん?」
「なんだよ」
興味深そうに近寄って来た榛名に、悪戯心が芽生えて口を開いた。
「結婚前提に、一緒にいてくださいって。野球と違って、人を相手にずっと一緒にとか思うなら、それが一番だろ」
さてゲンコツ飛ぶ前に逃げろと足に力を入れたその時だった。投げる時よりも早い動作で、気がつくとオレは両肩をがっちり掴まれていた。
「って、いてててて! ごめん! ふざけ過ぎーー」
「秋丸!」
ドスの効いた声が近距離から聴こえて、久しぶりに冷や汗が出てきた。ふざけすぎた、悪い、すまんとぐるぐるし始めた頭で慌てて口を開く。
「だから、悪かったーー」
「それだ!」
「ーーはい?」
しかし、ドスの効いた声は一瞬だけで。次に聞こえたのはそりゃもう跳ねたような楽しげな声だった。
「……何が?」
けど、何が「それ」なのか分からず、なんだこの状況って思いつつそれだけ口にして顔を上げ。そこで思わず固まった。
目の前のウチのエースは、子供かよってくらいに目をきらきらと輝かせていたのだ。ーーっていうか、その顔は何、どういうこと⁈
「すっげー、しっくり来た!」
「何が⁈」
「ケッコン!!」
榛名の大声に完全にオレの脳が完全に思考を止める。
ケッコン。結婚って言わなかったか、今、こいつ。
「宮下先輩とか、良いよなあと思う人はいたけどさ、付き合うとかってめんどくせぇって思ってたんだよ今まで。付き合いたいとか、だから思ったことなかったし」
うん、それは知ってる。
「けど、ケッコン! ケッコン良いじゃん! 恋人とかピンとこねえけど、夫婦はピンとくる」
うん、それは知らない。
ーーつかなんだそのトンデモ理由⁈ たまにピッチャーの思考わかんねって思ってたけど最大級に戸惑ってんだけどオレ!
そんなオレの戸惑いなんか気にも掛けてない榛名は今度は突然前傾の姿勢になった。
「よし、善は急げだろ。オレ、カグさんに言ってくる」
「は? え、ちょっと待て」
「あれ、お前たち早いな。もうグラウンド来てたのか」
そこに聞こえてきたのは、今は聞きたくなかった声。
「カグさん!!」
オレの手じゃキャッチできなくなった、超変化球思考に急変した榛名の声が一段階高くなる。
そして今測ったらベストの速度なんじゃと思う超ダッシュで、校舎の方から歩いてきた加具山先輩に駆け寄る背中は、なんかこう、でっかい子供のようで。
「うわっ、なんだよ急に。どうした?」
よく分からないながらも笑ってそれを迎えた加具山先輩。
「カグさん、結婚してください!」
「ーーへ」
笑顔のまま固まったその姿に静かに目を閉じる。
すみませんこの超変化球を放らせたの、ちょっと自分のせいかもしれませんと心の中だけで謝る。
「バッカじゃねえの⁈」
「いってえ! なにすんですかー!」
「バカにバカって言って何が悪い、こんのバカ榛名!」
「本気ですけど!」
「んな本気あってたまるか、練習だ練習!」
ああ、すごい。加具山先輩、なんだかんだで超変化球も捕ってくれたよ。ピッチャーなのに。
なんて若干現実逃避気味に考えつつ、目を開ける。
視線の先では、やいのやいの肩をぶつけ合いながら騒ぐ身長差のあるダブルエースの姿。
ーーうん、お似合いなんじゃないかな、この二人。
離れてその後ろをついて行きながら、現実逃避の頭とは別にそんな言葉がストンと胸に落ちてきたのだった。
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コメント
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是非、コメントを投稿しましょう
ほとんどの作者の方は、「萌えた」の一言でも、好意的なコメントがあれば次作品への意欲や、モチベーションの向上につながります。
コメントは作品投稿者とあなたにしかコメントの内容が表示されず、文字制限は140文字までとなりますので、あまり長いコメントを考える必要はありません。
是非、コメントを投稿して頂き、皆様と共にBLを愛する場所としてpictBLandを盛り上げていければと思います。
コメントは作品投稿者とあなたにしかコメントの内容が表示されず、文字制限は140文字までとなりますので、あまり長いコメントを考える必要はありません。
是非、コメントを投稿して頂き、皆様と共にBLを愛する場所としてpictBLandを盛り上げていければと思います。

