投稿日:2019年05月24日 23:13 文字数:2,488
【ハルカグ】残りのお小遣い全ての気持ち
ステキ数は非公開です
毎度お馴染み、ハルカグ企画さんのワンドロです。
ハルカグ企画さん毎回ありがとございます!
http://hk60min.tumblr.com
本当に仕上がってるのだろうか。だいぶ心配になりつつもダブルピッチャー可愛いよねという加具山さん三年生、榛名二年生の気持ちの話です。よくありがちな感じの中学生日記みたいな話です。そういうのが…好きです…!
そしてこちらの企画に全力で参加したいです。ハルカグの作品読めるの今から楽しみですソワァ!
https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=73922243
ハルカグ企画さん毎回ありがとございます!
http://hk60min.tumblr.com
本当に仕上がってるのだろうか。だいぶ心配になりつつもダブルピッチャー可愛いよねという加具山さん三年生、榛名二年生の気持ちの話です。よくありがちな感じの中学生日記みたいな話です。そういうのが…好きです…!
そしてこちらの企画に全力で参加したいです。ハルカグの作品読めるの今から楽しみですソワァ!
https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=73922243
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高校生はいかんせんお金が無い。特に部活に時間を捧げているような高校生は特に。
だから、お小遣いは無駄に出来ない。部活の帰りに食べるものが帰宅するまでの力になる。
そう、分かってはいる。のだが。
「……うーん」
唸り声を出したイガグリ頭は財布を見つめ、眉間に皺を寄せる。
財布の中身は百円玉が4枚あるだけだった。
「うーん……」
イガグリ頭こと、加具山はもう一度唸り声を上げる。
『いや、そもそも聞かなかったことにすれば良いのでは』
その胸中で、心の中のもう一人の自分が囁きかける。
『でも聞いちまったし。しかも、今日だし』
すかさず、もう一人の自分が囁きかける。
「ーーああもう! オレ、小難しく悩むのなんて嫌いなんだよ! 」
やがて唸り声は大きな声に変わり。そして財布を持ち直した加具山は廊下を駆け出していた。
* * *
「おう、カグヤン。遅かったじゃん。昼終わっちまうぞ」
「ちょっとな。お疲れー」
校庭の端にある芝の生えた土手。加具山が近づくと先に来ていた大河が手を上げた。その周りには町田や涼音、部活の同級生たちが各々座っている。
「お、それ次の試合の高校の情報?」
「そうそう」
彼らの膝上には弁当や、購買のパンなどが置かれていてそれだけ見れば普通の昼ごはんの風景なのだが。
普通と違うのは彼らの中央にはスコアブックや打順や守備が書かれたノートがあり、それを昼ご飯の会話の中心になっていた。
二年前なんてこんな熱心に他校研究なんてしてなかったよなあ。
改めて今は普通になったその光景に少し感慨深くなる。意識が変われば、日常もこんな風に変わるものなんだと実感する。
しかしそんなしみじみとした気分は後ろから聞こえてきた大地を蹴る足音に一瞬で掻き消された。
「カグさーん! お疲れ様っス!」
やはりというか、なんというか。その体躯に相応しい音を立てて走り寄ってきた後輩を振り向いて加具山は手を上げる。
「なんだ、お前も遅かったな」
「日直だったんスよー」
面倒くさいという表情を隠さずにそう言ってきた榛名だったが、大河の前に急に視線を向けていた。
「あ、それこの前の試合のスコアブック。オレにも見せてください」
そう言うと榛名は早速座り込む。しかしすぐに顔を上げると、己の隣を小気味好く叩いた。
「ほらカグさん、ここ、ここ」
「なんでお前の隣なんだよ」
「スコアブック見やすいでしょー」
ニッと歯を見せながら屈託無く言う様子に思わず吹き出し、仕方ねえなあと言いながら隣に座る。
仕方ねえなあなんて思っていないのは加具山自身もわかっているし、その周りの部員たちにも分かってはいるし、いつものやりとりと流される。
野球が出来るだけで十分だったのに、気がつけばどんどん欲が深くなっている。
加具山はそう思いながら周りを見渡す。
昼ご飯と他愛も無い会話に混じりながら会話される野球の話題。それも真面目な次回の試合に向けての話。
それもこれも、どれもこれも、どう考えても榛名の影響が大きいんだよなあ。
加具山は会話をしながら、もう一人の自分が頭の中でそう囁く声を聞き。そして何かを決心するように一回、会話の内容と関係ないところで小さく、頷いた。
*
「お、昼の時間もうすぐ終わっちまうな。それじゃ、また放課後。片付けろ片付けろ!」
昼の時間の終わりは大河の一声が毎度のタイミング。
はーい、などと返事をして各自素早く片付けてそれぞれのクラスへと足を向け始める。
「あれ、カグヤン行かねえの」
その時に聞こえた大河の声に、加具山は一度肩を跳ねさせ。それから大きく手を振った。
「あ、いや。ちょっと。ーー先行ってて良いから!」
加具山は歯切れ悪くそれだけ言うと、足を向ける。その先に居たのは榛名だった。
「榛名!」
「え? カグさんどうしたんすか」
榛名が振り向いたのを見て、加具山は勢いよく半透明の袋を榛名に押し付けた。
「へ?」
「これ、やる」
「やる、って何スかこれ」
意味がわからないと言うような顔になった榛名は、押し付けられた袋を覗き込む。
その中には購買で売られているパンが入っていた。
「お前、すぐ腹空かすだろ。腹減った時にでも食べろよ」
「え、なんで急に」
大きな体でちんまりと購買の袋を持って佇む榛名。その目は大きく開かれていて、その目でじっと加具山を見つめる。
見つめられた方といえば、その眼力の強さとか体の大きさとか、なんだか色々なものがゴチャゴチャして目が回りそうになってきていた。
その時、二人の耳に届いたのは鈍いチャイムの音。それは完全に昼の終わりを告げる音。
「ヤバ、取り敢えずカグさん早く戻らねえとーー」
何か言いかけつつ走り出そうとした榛名。その服の裾を加具山は思わず掴んでいた。
「誕生日、だから!」
「へ」
「お前が朝練で話してるの聞いて! だから! 取り敢えずそれはオレからの誕生日だから!」
「え」
「ーーじゃあな!!」
叫ぶようにそれだけ言うと加具山は踵を返して校舎へと一目散に駆け出していた。
まだ走ってもいないのに顔が熱い。心臓が早打ちする。まるでダッシュ練習の後のような性急さで熱くなる体に訳が分からなくなる。
それでも言いたいことは言えたし、これで良い。これで良いはず、だと思う。
ああ、なんで祝うだけでこんなに恥ずかしいのか。これは恥ずかしがってるからなのか。
ーーああもう考えるのはやめ! なんでも良いや!
早打つ心臓を更に早打ちさせて走る加具山は取り敢えず祝えたこと以外を考えないようにして、校舎へとダッシュで消えていった。
「ーーハッ。カグさん! ちょ、カグさん!!って、あーー!」
取り残された榛名と言えば。一瞬間を置いてそれだけ言うと改めて袋の中を覗き込む。
「……なんだこれ。見慣れた購買のパンだっつーのに、なんでこんなに嬉しいんだよ」
そう小さく呟いた榛名の視線の先。
種類もバラバラな、四つのパンが袋の中に収まっていたのだった。
<終>
だから、お小遣いは無駄に出来ない。部活の帰りに食べるものが帰宅するまでの力になる。
そう、分かってはいる。のだが。
「……うーん」
唸り声を出したイガグリ頭は財布を見つめ、眉間に皺を寄せる。
財布の中身は百円玉が4枚あるだけだった。
「うーん……」
イガグリ頭こと、加具山はもう一度唸り声を上げる。
『いや、そもそも聞かなかったことにすれば良いのでは』
その胸中で、心の中のもう一人の自分が囁きかける。
『でも聞いちまったし。しかも、今日だし』
すかさず、もう一人の自分が囁きかける。
「ーーああもう! オレ、小難しく悩むのなんて嫌いなんだよ! 」
やがて唸り声は大きな声に変わり。そして財布を持ち直した加具山は廊下を駆け出していた。
* * *
「おう、カグヤン。遅かったじゃん。昼終わっちまうぞ」
「ちょっとな。お疲れー」
校庭の端にある芝の生えた土手。加具山が近づくと先に来ていた大河が手を上げた。その周りには町田や涼音、部活の同級生たちが各々座っている。
「お、それ次の試合の高校の情報?」
「そうそう」
彼らの膝上には弁当や、購買のパンなどが置かれていてそれだけ見れば普通の昼ごはんの風景なのだが。
普通と違うのは彼らの中央にはスコアブックや打順や守備が書かれたノートがあり、それを昼ご飯の会話の中心になっていた。
二年前なんてこんな熱心に他校研究なんてしてなかったよなあ。
改めて今は普通になったその光景に少し感慨深くなる。意識が変われば、日常もこんな風に変わるものなんだと実感する。
しかしそんなしみじみとした気分は後ろから聞こえてきた大地を蹴る足音に一瞬で掻き消された。
「カグさーん! お疲れ様っス!」
やはりというか、なんというか。その体躯に相応しい音を立てて走り寄ってきた後輩を振り向いて加具山は手を上げる。
「なんだ、お前も遅かったな」
「日直だったんスよー」
面倒くさいという表情を隠さずにそう言ってきた榛名だったが、大河の前に急に視線を向けていた。
「あ、それこの前の試合のスコアブック。オレにも見せてください」
そう言うと榛名は早速座り込む。しかしすぐに顔を上げると、己の隣を小気味好く叩いた。
「ほらカグさん、ここ、ここ」
「なんでお前の隣なんだよ」
「スコアブック見やすいでしょー」
ニッと歯を見せながら屈託無く言う様子に思わず吹き出し、仕方ねえなあと言いながら隣に座る。
仕方ねえなあなんて思っていないのは加具山自身もわかっているし、その周りの部員たちにも分かってはいるし、いつものやりとりと流される。
野球が出来るだけで十分だったのに、気がつけばどんどん欲が深くなっている。
加具山はそう思いながら周りを見渡す。
昼ご飯と他愛も無い会話に混じりながら会話される野球の話題。それも真面目な次回の試合に向けての話。
それもこれも、どれもこれも、どう考えても榛名の影響が大きいんだよなあ。
加具山は会話をしながら、もう一人の自分が頭の中でそう囁く声を聞き。そして何かを決心するように一回、会話の内容と関係ないところで小さく、頷いた。
*
「お、昼の時間もうすぐ終わっちまうな。それじゃ、また放課後。片付けろ片付けろ!」
昼の時間の終わりは大河の一声が毎度のタイミング。
はーい、などと返事をして各自素早く片付けてそれぞれのクラスへと足を向け始める。
「あれ、カグヤン行かねえの」
その時に聞こえた大河の声に、加具山は一度肩を跳ねさせ。それから大きく手を振った。
「あ、いや。ちょっと。ーー先行ってて良いから!」
加具山は歯切れ悪くそれだけ言うと、足を向ける。その先に居たのは榛名だった。
「榛名!」
「え? カグさんどうしたんすか」
榛名が振り向いたのを見て、加具山は勢いよく半透明の袋を榛名に押し付けた。
「へ?」
「これ、やる」
「やる、って何スかこれ」
意味がわからないと言うような顔になった榛名は、押し付けられた袋を覗き込む。
その中には購買で売られているパンが入っていた。
「お前、すぐ腹空かすだろ。腹減った時にでも食べろよ」
「え、なんで急に」
大きな体でちんまりと購買の袋を持って佇む榛名。その目は大きく開かれていて、その目でじっと加具山を見つめる。
見つめられた方といえば、その眼力の強さとか体の大きさとか、なんだか色々なものがゴチャゴチャして目が回りそうになってきていた。
その時、二人の耳に届いたのは鈍いチャイムの音。それは完全に昼の終わりを告げる音。
「ヤバ、取り敢えずカグさん早く戻らねえとーー」
何か言いかけつつ走り出そうとした榛名。その服の裾を加具山は思わず掴んでいた。
「誕生日、だから!」
「へ」
「お前が朝練で話してるの聞いて! だから! 取り敢えずそれはオレからの誕生日だから!」
「え」
「ーーじゃあな!!」
叫ぶようにそれだけ言うと加具山は踵を返して校舎へと一目散に駆け出していた。
まだ走ってもいないのに顔が熱い。心臓が早打ちする。まるでダッシュ練習の後のような性急さで熱くなる体に訳が分からなくなる。
それでも言いたいことは言えたし、これで良い。これで良いはず、だと思う。
ああ、なんで祝うだけでこんなに恥ずかしいのか。これは恥ずかしがってるからなのか。
ーーああもう考えるのはやめ! なんでも良いや!
早打つ心臓を更に早打ちさせて走る加具山は取り敢えず祝えたこと以外を考えないようにして、校舎へとダッシュで消えていった。
「ーーハッ。カグさん! ちょ、カグさん!!って、あーー!」
取り残された榛名と言えば。一瞬間を置いてそれだけ言うと改めて袋の中を覗き込む。
「……なんだこれ。見慣れた購買のパンだっつーのに、なんでこんなに嬉しいんだよ」
そう小さく呟いた榛名の視線の先。
種類もバラバラな、四つのパンが袋の中に収まっていたのだった。
<終>
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ほとんどの作者の方は、「萌えた」の一言でも、好意的なコメントがあれば次作品への意欲や、モチベーションの向上につながります。
コメントは作品投稿者とあなたにしかコメントの内容が表示されず、文字制限は140文字までとなりますので、あまり長いコメントを考える必要はありません。
是非、コメントを投稿して頂き、皆様と共にBLを愛する場所としてpictBLandを盛り上げていければと思います。
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