78こ目;In The Middle Night
いつもの夜とはほんの少し違うことに気付いてしまって…。
ただいちゃいちゃする回です。
熟語としては「In the middle of the night」が正しいらしいんですが、タイトルなのでOKです。
こちら、昨年(※)11月のイベントに出た際の無料配布データでした。
ちょびっとだけ加筆修正させていただいております。
↑初公開時キャプション↑
2023/02/24初公開
(※初公開の前年なので2022年のことです)
なお、35こ目「In The Early Morning」( https://pictbland.net/items/detail/2186050 )と対になっています。
https://pictbland.net/users/series/kazanet-tk/%E5%83%95%EF%BC%8B%E5%90%9B%E2%86%92Waltz%EF%BC%81
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ん……。あれ。なんだか急に、ぽかりと目が覚めた。
目に入るのは、常夜灯の穏やかなオレンジ色。外からの光はどこからも入って来てないし、まだ夜みたいだな。両耳からは静かな寝息が聞こえる。僕はそれにとても安心して、ふうっと息を吐いた。少し体を動かそうとして、……おや。
僕の右側には健ちゃんが、左には冬矢が寝てる。せっかくの広いベッドなのに、しょっちゅうふたりが近寄ってくるせいで、僕はベッドの広さを実感したことがほとんどない。特に健ちゃんは僕の上に腕を乗っけてくることがよくあるから、重くて目が覚めるのは珍しいことじゃないんだよね。僕だって、健ちゃんの重さを感じるのは嬉しいから、それは別にいいんだ。
けど、今日はさらに体が動かない……?
そう気が付いたところで、ようやくぼんやりした頭の中がちょっとだけ冴えてきた。あ、そっか、布団の中で見えないけど、ふたりの足が僕の足の上に乗ってるのか。ふたり分だからいつもより重くて、それで動けないんだな。
右を見る。健ちゃんの横顔が近い。無邪気な寝顔にほっとする。こっちに向かって投げ出された足が、僕の上に乗っかっちゃっているんだろう。
左を見る。冬矢の顔がぶつかるほど近い。寝てても綺麗な顔にドキッとする。ほとんど僕にくっつくように眠っていて、抱き枕を抱くみたいに足が絡んできてた。
……はー。ふたりともよく眠ってる。まるきり無防備なのは、寝てるから当然だよね。それはわかってるんだけど、僕といて安心してくれてるのかなあと思うと、……とても嬉しい。一緒に暮らし始めてけっこう経つのに、こうして寝顔を見るたびに、何度でもそう思ってしまう。こんなかっこいい人たちがどちらも僕の恋人だなんて、本当に贅沢だよなあ。
満足して、僕は再び眠りに……つこうと思ったんだけど。押さえられた膝の角度がちょっと気になって、少し寝にくい。でも、あんまりむやみに動いてふたりを起こしちゃったらいけないよね。なんとか、この、足を開かされた格好から少しでも楽に、……。
ん?
あれ。
これ……。
片足ずつ、それぞれの足でホールドされてる体勢……。
なんか、まるで、無理矢理足を開かされてるみたいな……。
…………。
わぁ……。
ま、マズい。勃っ……ちゃ……。
ど、どうしよう。これ、ほっといて眠れるかな。だって、絶対、自然に鎮まるはずがない。大好きな人の寝顔が間近にあって、押さえつけられてるみたいな格好で、そんなの落ち着けるはずないもん。どんどん想像が膨らんで、大変なことになっちゃう気がする。
なんとか抜けられないかな。ああ、普段はこんなに寝相の悪くない冬矢が、今日に限ってどうして半分乗っかってるくらいに近いんだろう。健ちゃんも、起きてんじゃないのってくらい力が強い。どうしよう。えっと。ちょこっとずつ、そーっとずらせば、逃れられるんじゃ。
「蒼生?」
「っあ」
耳元で聞こえた声に、腰がぞくぞくっとして、思わず声が出た。と、冬矢。寝起きで掠れた声が色っぽくて、よっ、よけいに……っ。
「ごめ、んね。起こしちゃったよね」
「どうかした?」
だいぶ、どうかはしてるんだけど、これ、バレたら恥ずかしい。だって、ふたりは何もしてないのに、僕が勝手に想像してドキドキしちゃってるだけだから。
「ううん、なんでもない。ちょっとトイレに」
冬矢が気が付いてくれて逆に良かったかも。これでバレずに済む。
と。思ったんだけど。
「ふうん?」
あ。ちょっと意地悪な顔。覗き込んでくる目が、僕の動きを封じ込める。
冬矢は、絡めた足をさらに深く、足の間に割り込むようにねじ込んできた。その太腿が、ぐり、っと擦るみたいに。
「ひゃ……っ」
「これ。どうにかしたいから?」
あ、あ。
だめ、そんな、すりすりしちゃ……っ。
「な、なんでバレたの……?」
意地悪な顔に、ほんの少し優しさを戻して、冬矢は笑う。
「だって、蒼生の声が、気持ちよくなりかけている時みたいに甘かったから」
「ええー……」
そんなの、自分でだってわかんないのに。どうしてわかっちゃうんだろう。
「……んー」
健ちゃんがごろりと寝返りを打って、うわ、両足が乗ってくる。勝手に体が跳ねるから、さすがに健ちゃんも気が付いちゃったみたい。
「ぁおいぃ……?」
「んっ」
息が、耳に、かかって。
ぱちっと健ちゃんの目が開く。
「えっ、蒼生? えっちな声出して、どしたの?」
健ちゃんまでそんなことを。
「ほら。健太にもバレただろう? 正直に話してごらん。なんでえっちな気分になってるの?」
うー。恥ずかしくて、僕は両手で自分の顔を覆う。
「…………」
「あーおい」
僕をとろけさせようとする意思がはっきりわかる、冬矢の声。僕は、これに、弱い。
「……足」
「? オレの? 蒼生の?」
「ぜ、全員の。健ちゃんと、冬矢の足が、僕の足に乗っかってて、……閉じられないって、思ったら、ドキドキというか、その……」
しん、と静かになる。ふたりの目がきっと僕を見てる。それがわかるから、このまま布団にずるずると沈んで顔を隠したい。だけど、身動きがとれないんだってば……。
両方の手首を掴まれて、あっけなく顔を隠せなくなった。僕の手をそれぞれ掴んだふたりは、ベッドの上に体を起こす。
「そうだよなあ。蒼生は、動けなくされんの好きだもんな」
「俺たちに体を開かされていると思って、欲情しちゃったんだね」
もう、その通りすぎて、頷く以外にどうしろっていうんだろう。
「……そう。ほ、欲しくなっちゃった、の」
僕の上で、ふたりが目を合わせたのが見えた。健ちゃんと冬矢って、普段は意見が合わないとかなんとかって小競り合いしてるのに、僕のことに関してだけはやたらと通じ合うんだから不思議だよね……。
手首を掴む手が、するりと優しく肌を撫でる。ぞくっとする。ますます動けない。うー。
健ちゃんが顔を近付けて、頬にキスをくれる。
「可愛い蒼生。頑張って準備できる?」
僕がふたりに最初の準備をさせないことを知ってるから、そう言ってくれるんだ。抵抗があるって言った僕の言葉を、ずっと大事にしてくれてるんだ。そして、「今から準備する」って言ったら、ふたりはちゃんと待っててくれる。優しい優しい、僕の恋人。
でも。
「…………。できてる……」
「えっ?」
ふたりの声が揃う。だ、だよね! 何言ってんだってなるよね!
「どういうこと?」
「……明日お休みだから……。もしかしたら、シてもらえるかなって思って、……洗うのだけしておいたの」
恥ずかしい。もう一度顔を隠したいけど、今度は手も動かせない。なら顔をそむければいいのかもしれないけど、僕の場合、なんとどちらを見ても恋人がいるわけで……。
ぎゅうっと健ちゃんが手に力を込める。
「なんで言ってくれなかったんだよ」
「ふたりともバイトが忙しかったって言ってたから、これは無理させちゃいけないなと思って」
「オレだって、蒼生が疲れてそうだと思ったから、今日はダメだなって我慢してたんだぜ?」
「蒼生、いつもよりちょっとソファに座る角度が深かったからね」
あれ?
えっと……。
つまり、全員が相手を慮って我慢してたってこと?
ふふっと冬矢が笑う。
「今からでも遅くないんじゃないかな。ね。蒼生。どうしたい?」
冬矢の手が優しく僕の髪を撫でる。
「オレは蒼生を抱きたい」
「……僕は、ふたりに抱かれたい」
「じゃあ、そうしよう? 俺も蒼生を抱きたいよ」
うん……嬉しい。
ふたりは、僕の布団に潜り込んできて、それからゆっくり体中を撫でてくれた。あっちこっちを撫でながら、丁寧にお尻を解してくれる。
でも、上はボタンを外しただけ、下も太腿の辺りまで下ろしただけ。なんで?
「んっ……。どうして全部脱がなくていいの?」
聞くと、健ちゃんが僕の目の前で楽しそうに笑う。
「だって、今日は蒼生、布団の中でいたずらえっちがしたいんだろ?」
「えっ、えええ? そういうやつなの? ぼ、僕、そんなつもりじゃ……。え、布団被ったままなのもそういうこと?」
別に僕は、コンセプトなんて提案した覚えはないんだけどっ。
すると、冬矢もくすくす笑いながら背中越しに僕の耳を噛む。
「ひゃ……っ」
「眠ってるときに俺たちに身動き取れなくされた気がして興奮しちゃったんだもんな」
う、うう。
このひとたち、ノリノリだぁ……。
まあね、それが嬉しくなっちゃう僕も僕なんだけどさ。だってそういう、「普段とはちょっと違う」って、楽しいし面白いって思っちゃうから。
「ああ、ぁっ」
ナカを健ちゃんの指がかき混ぜる。
むずむずする。
わざと、優しい手つき。
「じゃ、……このまま、するの……ぉ?」
「そうだよ」
そ、そうなんだ。
本当にこっそりと、隠れるみたいにするなんて、……興奮する。
「蒼生、ナカ、すごい。きゅうきゅうしてる。オレの指を離してくれないみたい」
「だって、健ちゃんの指、気持ちいもん……。だけど、それだけじゃ足りない……。奥、さみしい」
「ん。そうだな」
健ちゃんはするりと指を抜いて、っあ、僕の腰を抱いて、キスをくれた。
何度も、離してはくっつけて、の、愛しいキス。小さなこどもにするみたいな。僕と健ちゃんは本当に小さい頃から一緒だったけど、こういうことはしなかったから。だから、ちょっと気恥ずかしいけど、すごくほっとする。
その間に冬矢がいったん布団から抜け出したのがわかる。健ちゃんに抱き締められてるから冬矢が何をしてるかは見えないけど、冬矢が挿入れてくれるんだな、とわかった。外に出たのは、見えない状態でゴムをつけて失敗しちゃいけないだからだ。ちゃんと僕を守ってくれる気持ちから来る行動なんだと思うと、どうしようもなく愛おしく感じる。本当に、冬矢は……ふたりとも、真面目で、優しい。
冬矢が布団の中に戻ってきた。でも健ちゃんは僕を離してくれない。冬矢に背を向けたままでどうするのかな、と思ってたら、冬矢は寝転がった僕の背中にぴたりと体をくっつけて、その体勢のまま、熱い塊を擦り付けてくる。
「……あ」
横、向いたまま、ってことなんだ。
「蒼生。ちょっと足、持ち上げるよ」
「う、ん」
冬矢は僕の左足に手をかける。
「大丈夫。力抜いててね」
そう言うと、ゆっくりゆっくり、後ろから、僕の……なか、に……っ。
「ん、ぁ、あぁ、あー……」
身体の中を、内側からぎゅーっと押されてる。
冬矢が僕の中にいる。
嬉しい。
「あっ、とぉ、やっ……」
いま、こつんって、ぶつかった。
気持ちいいとこを、優しく、ノックするみたいに。
あ、う、びりびり、する。
腰の真ん中が、ざわざわして、どんどん、深いところに集まってく。
ばさっと音を立てて、健ちゃんが布団に潜った。
「……え?」
急に健ちゃんの顔が見えなくなるから、胸のあたりがぞわっとする。
不安? さみしい? そんな感じの、心の揺れ方だ。
でも、すぐに、そのざわっとしたあたりに、濡れた感触がした。
「ふぁっ」
「はー。……蒼生の胸がどきどきしてんの、すごくわかる」
布団の中で、こもった声。
それから、キスの感触。
見えなくたって、そこにいることはわかるのに、不安になっちゃったのが恥ずかしい。
それと、……くすぐったくて、気持ちいい。
冬矢が優しくナカを撫でてくれて。
健ちゃんが唇と舌で胸元を撫でてくれて。
あー……。
きもちい。
すき。
うれしい。
「蒼生……気持ちいいね」
吐息と一緒に僕の耳に飛び込んでくる、冬矢の声。
「うん、うん……っ、き、もち、いぃ……っ」
この体勢、すごく、くっついてる感じがして、気持ちいい。
ああ、でも、脱ぎたい。
肌に直接触れたい。
触れて欲しい。
ただそのもどかしさが気持ちいい気もして。
「ちょっと動かすよ」
ぐい、と冬矢の腕が僕の腰を引く。
冬矢の腰の上に、半分くらい乗っかるような感じ……っあ。
た、体重がかかって、自分の重さで冬矢のを飲み込んでるみたいな……っ。
「ふふ。腰、自分で動かしてるの?」
「あ、んぅ……ち、が、ァ……勝手に、動く、の、ぉ」
だって、僕には、そんなことをしてる自覚はない。……んだけど、たしかに、動いてて。自分から、冬矢に擦り寄るみたいに。
ちょっと恥ずかしいと思ったけど、冬矢の声が嬉しそうだったから、いい。
「ひぁ……っ」
わ、健ちゃんの舌……が、ずるりとおなかのほうまで降りてくる。
あ、腰のざわざわが、また、うるさく……っ。
たぶん、健ちゃんがしようとしてることは、わかってる。
荒い息が、くすぐるみたいな感覚で、ちんちんの裏側にかかってるから。
けど、僕からは健ちゃんが見えない。
いつ触れられるかわからない。
冬矢もわざとなんじゃないかって思うくらいに緩やかにナカを撫でてくる。
体の表面が、ぞくぞくする。
早く。
「……っ、ね、ぇ、もぅ……っ」
最初に音を上げたのは、僕だ。
「ふっ、ふふっ」
健ちゃんの笑い声がして、すぐに、先っぽを吸われる感覚……っ。
「ひゃぁうっ……う」
あ、あ、待ってた刺激が、そこからびりびりって全身を駆け巡る。
厚い舌が、遠慮ない力で、だけど丁寧に辿ってくる。
あー……。
「今度は、こっち」
「あぁっ!」
冬矢が僕の腰を押さえつけて、気持ちいいとこを縦に抉る。
ずっと、気持ちよかったのが、強烈な力で内側から突き抜けてく。
苦しいくらいに、前からも、後ろからも、気持ちいいのが、いっぱい。
「あ、はぁっ、は、あっ、……あぁ、っ、ん、あー……っ」
冬矢の体温とか、ナカにくれる熱さとか、健ちゃんのあったかくて柔らかい口の中とか、もう、わけがわからない。
どこが気持ちいいとかじゃない。
全部が。
なのに。
「と、ぉや」
僕はぐちゃぐちゃの頭で、精一杯に後ろを向く。
冬矢はすぐわかってくれて、キスをしてくれた。
そう。
気持ちい。
だけどさみしい。
僕の目には、壁とドアしか見えなかったから。
やっぱりふたりの顔が見たい。
冬矢が優しい目で僕を見て、キスをくれて、それで嬉しくて、もっと気持ちよくなる。
嬉しい。
嬉しいのがいちばん嬉しい。
好き。
大好き。
「蒼生、……ん、蒼生……」
あ、健ちゃんの声が、僕の中に直接響く。
大きな手が僕を包み込んで、たくさん、口の中で、可愛がってくれて。
ぞ、ぞくぞくが、よりいっそう、集まって、
わ。
来る。
後ろから押されて、前から引っ張り出され……っ、
「け、んちゃ……っ、あぁ、はっ、……で、ちゃ……ぁ」
「ん。ちょーらい」
くるっ……あ、あふれるっ。
吸い取られちゃ……っ。
「……イッ……あぁー……っは、あ」
あー……。
「っひ、ぁあっ!」
脱力感に浸る暇もない。
冬矢が、また、ナカからぐりぐり、って。
「と、冬矢ぁっ……はや、」
「待たないよ」
「う、うぅーっ……」
だめ、いま、イッたばっかで、そんな、擦ったら。
がばっと健ちゃんが布団から飛び出してくる。
わ、すごい。
布団の中にずっと潜ってたから、汗だくじゃん。
そう口にする暇もなく、
キス。
……美味しくない。
けど、そのまま、舌、絡めてきて。
「ん、う、……は、ぁあっ、んーっ……」
「蒼生、可愛い」
「……うぇ、あ、ぁあっ、は、ふぁ……っうー」
うーん、明らかに美味しくないって顔、してるつもりなんだけど。それでも可愛いって言うの?
健ちゃんの目ってどうなってるんだろう。一度ふたりの目から見た僕を見てみたい。
だって、美味しくないよ、これ、自分のだもん。健ちゃんのじゃないもん。
「俺にもちょうだい」
「むぐ、ぅ」
後ろから身を乗り出した冬矢が、僕の口の中に舌を差し入れる。
「ぇんぶ、もってってぇ……」
「ふふ。ありがたくいただこう」
口の中のぬるぬるは、全部冬矢に引き取ってもらう。
あー……。
全部、舐め取ってくれる舌がきもちぃ。
やば、イッたばっかなのに、またイキそう……。
「くっ。負けるかっ」
「んぅ」
こ、今度は健ちゃんが、僕の顔をぐいっと近付けて深いキス。
忙しい。
けど、嬉しい。
えへへ。
「……はっ……そろそろ限界。ごめんね、蒼生、イッてもいい……?」
耳元で冬矢が囁く。
そっか、僕をたくさん甘やかしてたくさん優しくしててくれたから。そのぶん、冬矢の気持ちいいを我慢させてたんだ。
「ごめ、ね……イッて……。僕のナカで、もっと、きもちくなって……」
「じゃあちょっと動くね……」
「っあ!」
冬矢が腰を打ち付けてくる。でも、ちゃんと、気持ちいいとこ、狙ってくる。どこまで優しいの……。どうしたって胸がきゅうっとする。
「あ、そ、そこぉ、ぁあっ、……っ、きもち……ぃっあ」
動きについてけなくなって、僕は健ちゃんに縋り付く。
すると僕はそれ以上動けなくなるから、冬矢はもっと腰を動かしてくる。
健ちゃんに抱き締められて、冬矢に足を抱えられて、あー。
とけそう。
ううん、もうとけてるのかもしれない。
「蒼生……あおぃ、大好きだよ……っ」
こういう時にしか聞けない、冬矢の荒い吐息混じりの声。
ああ、好き。
冬矢が僕の中でびくんと大きく震えるのを、僕はうっとりと感じていた。
……はあ……。
全部気持ちいい。
ゆっくりと、冬矢が体を引く。
ずるずると体の一部が引き抜かれていくようなぞわっとした感じも、気持ちいい。
冬矢が、僕の体の下に腕を差し入れてきた。
抱き締めてくれるんだな、と思って、僕のほうから体を向ける。
笑った冬矢が、正面から抱き締めてくれて……ふふふ。
すると、突然布団を剥がされた。
さむっ。
目をやると、全部脱いだ健ちゃんが、僕を跨ぐように膝立ちでこっちを見下ろしてた。
わあ、準備万端だ。
「健ちゃん、寒くない?」
「だいじょぶ。すぐ、熱くなるから」
「そっかあ」
でも健ちゃん、風邪引きやすいからなあ。
思ってると、冬矢と抱き合ってる上半身はそのままに、健ちゃんが僕の脚の間に入ってきた。
それから僕の腰を抱え上げて、きっちり身支度を終えたちんちんを僕のお尻の間に擦り付ける。
…………?
タイミングを計ってくれてるのかな。連続だとしんどいと思ってくれてるのかな。そんなこと気にしなくていいのに。早く来てほしいのに。
手を伸ばすと、首を傾げた健ちゃんが顔を近付けてくる。
短い髪に触れると、しっとりとした手触り。
「ほら、すごい汗」
「やっぱ布団の中は暑かった……」
「風邪引いちゃうよ。だから、はやく来て。あったかくなろ」
「! うんっ」
健ちゃんが、僕の中に飛び込んでくる。
「っあ!」
いっぱい気持ちよくなってきゅんきゅんしてたナカは、すんなりと健ちゃんを受け止める。
あー……。
「はぁ、ぁ……っん。すご……あつぃ」
「蒼生のナカ、も、熱い……気持ちいー……」
すごい、満たされてる感覚。
ぞくぞくする。
繋がったとこから、じんわりと、また、気持ちいいのが溢れてくる。
僕は思わず冬矢の手を握る。
冬矢はぎゅっとそれを握り返してくれて、反対側の手で僕の肩を抱いた。
健ちゃんが、ナカを力強く擦る。
「……っあ、ひっ、あぁ、う……っん、ぁ」
とんとんしてくれるの、ふたりとも、違うとこだから。
たぶん、ふたりが気持ちいいと思うとこが、違うんだと思う。
僕は、
どっちも気持ちいい。
どっちも好き。
「うー、き、もち、ぃ……」
ぐちゃぐちゃになる。
ああ、もう。
ふっと笑った冬矢が、柔らかいキスをくれる。
そしたら、今度は健ちゃんが食い尽くすみたいなキスをくれるんだ。
ふ、ふふ。
嬉しい。
顔をこっちに向けたら冬矢が笑ってて。
見上げれば、欲情の色がいっぱいの健ちゃんが見えて。
やっぱり、顔が見えるほうが好き。
ふたりの顔が好きだとか、そういうことじゃない。
あ、もちろん、顔だって、すきだよ。かっこいいもん。世界中探しても、ふたりよりかっこいい人はいないんだから。
だけどそれよりも、僕を、見ててくれてることが、……そしてなにより、それを実感することが嬉しいんだ。
「……け、んちゃ」
「はっぁ……何?」
「だーい、好きぃ……」
「! くっ。だ、い、好きだよ……っ」
「とぉやぁ……大好きぃ……」
「俺も。大好きだよ、蒼生……」
ああ。
すごい。
うれしい。
きもちい。
だいすき。
もっと。
……ねむい。
冬矢が背もたれ代わりになってくれてるのをいいことに、僕はその裸の胸に耳を寄せて、ぼんやりと心臓の音を聞いていた。
だって、もう、腕を動かすのもしんどい気がする。
僕を甘やかすのが大好きな冬矢は、僕を優しく抱き締めながら、赤ちゃんにするみたいにゆっくり揺らしてくる。
うう、これで眠くならないほうが難しいと思う。
そこに、勢いよく健ちゃんが駆け込んできた。
「はい、あったかい濡れタオル持って来たよ~」
「あ……りがと」
うわ、声、かっすかすに掠れてる。最後のほう、言葉じゃない声を発してた自覚あるんだよね。かわるがわる、何度も、その、い、いっぱいしてもらっちゃったから……。
おんなじくらいいっぱい出してたはずの健ちゃんは、僕が受け取ろうとしたタオルをにこにこしながら取り上げた。なんでそんなに元気なの。
「あれ、タオル……」
「こっちは冬矢の分。蒼生はされるがままになっててくださーい」
「でも」
健ちゃんは僕の抗議を聞く気がないみたい。冬矢にタオルを渡すと、僕の顔を拭いてくれる。受け取った冬矢も胸元に優しくタオルを当てた。あったかい。
むむ。
「そのくらい自分で出来るのに。ちっちゃい子扱いしてる?」
ここで負けるわけにはいかないぞ、と抗議を続ける。でも、健ちゃんはしれっと。
「ちっちゃい子にあんなえっちなことするわけないじゃん」
そ、それはそうなんだけど。
「いいんだよ。だって、蒼生は俺たちふたり分を満足させなきゃいけないんだから。疲れて当然だよ」
冬矢はなんでもないことのようにそう言って笑う。
「そ。だから、このくらいのことはさせて。むしろ、ぐったりしてる蒼生の体拭いてる時って、気持ちよかったんだなーって感じがして、すごく満足する!」
さっきから、ずーっと健ちゃん、楽しそう。
「えっと……。ありがとう。ここはお言葉に甘えて……ってことでいいのかな」
ふたりはにこにこ嬉しそうに頷いた。
うーん。
満足……かぁ。
「……ちゃんと僕、ふたりのこと満足させられてる?」
「もちろんだよ!」
「当たり前じゃないか」
わ。
ふたりとも、ものすごい食い気味で答えてきたな。
でも、そっか……。ふたりとも、満足してくれてるんだ。
健ちゃんは僕の手を取って、指の間まで1本1本丁寧に綺麗にしてくれる。
「蒼生は? オレは勝手に気持ちよさそうって思ってたけど、満足してくれた?」
「う? んー……」
「えっ」
手がぴたりと止まる。あっ、違う違う、そうじゃなくて。
「すっごく、気持ちよかった。やっぱりふたりの顔見て、いっぱいキスしていっぱい抱き合うの、大好き。でも……」
「でも?」
「……きっとすぐにまた欲しくなっちゃうと思う……から」
すごくたくさんのものをもらってる、その自覚はちゃんとある。
だけど、もっと、もっと欲しくなっちゃう。
「あー。僕ってこんな欲しがりだったかなぁ……」
ふんわりと笑った冬矢が、僕の髪を撫でると、そのまま頭を抱き寄せてくれる。
「いいじゃないか。蒼生がいっぱい欲しがった分は、俺たちがそのまま蒼生に全部あげれば、何の問題もないだろう?」
「冬矢」
「だよな。オレたちの愛は無尽蔵に生まれてくるんだから。蒼生が欲しがる以上にたくさん浴びせられると思うよ」
「健ちゃん」
……なるほど。
そうか。
「じゃあ、いっぱい欲しがっても、ふたりはそれでいいんだ」
「うん。もちろん」
「かえってそのほうが嬉しいよ」
これは……一言で言えば、僕は幸せ者だ、っていうことなんだろうな。
ふたりの愛に包まれて。
「だからね。蒼生は、もっともっと俺たちを求めていいんだよ」
「……うん」
なんか泣きそうになる。でも、そしたらまたふたりとも慌てちゃうよね。僕は健ちゃんの手を捕まえて、それごとタオルで顔を拭いた。暖かったタオルは、もうだいぶひんやりしてきた。体のほうもすっかり綺麗にしてもらったし。
「とりあえず、このまま寝ちゃうか」
健ちゃんが僕を抱き締め、ばたんとベッドに倒れ込む。
「えっ、着替えないでいいのかな」
その、えっと、ちょっと諸事情で汚れてるんだけど。
冬矢が布団を引き上げながら、僕の横に寝転んで、僕を健ちゃんから引き剥がす。たぶん倒れる時に僕を持ってかれたからその仕返しだろう。……恥ずかしいし照れるけど、そういうことなんだと思う。
「布団も、たぶん洗わなきゃいけないだろうからね。どちらかを新しくして汚れを気にするより、一度にやったほうがいいよ」
「そっか。そうだね。じゃ、朝になったら洗濯大会だ」
「天気いいみたいだもんな」
大物をたくさん洗わなくちゃいけないから、大変かもしれない。
でも、青い空の下に干した布団は気持ちいいだろうな。
「もういっかい、おやすみ、蒼生」
「蒼生、おやすみ」
両側から優しい声。
……安心して、また眠たくなってきた。
「おやすみ、健ちゃん。おやすみ、冬矢」
体温。
あったかい。
明日の青空が楽しみだ。
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09月09日 17:00 〜 02月24日 23:50
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78こ目;In The Middle Night
僕+君→Waltz! 創作BL 創作BL小説 幼馴染 三角関係 溺愛 3P R18とある深夜、ふと目を覚ました蒼生。
いつもの夜とはほんの少し違うことに気付いてしまって…。
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なお、35こ目「In The Early Morning」( https://pictbland.net/items/detail/2186050 )と対になっています。
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ん……。あれ。なんだか急に、ぽかりと目が覚めた。
目に入るのは、常夜灯の穏やかなオレンジ色。外からの光はどこからも入って来てないし、まだ夜みたいだな。両耳からは静かな寝息が聞こえる。僕はそれにとても安心して、ふうっと息を吐いた。少し体を動かそうとして、……おや。
僕の右側には健ちゃんが、左には冬矢が寝てる。せっかくの広いベッドなのに、しょっちゅうふたりが近寄ってくるせいで、僕はベッドの広さを実感したことがほとんどない。特に健ちゃんは僕の上に腕を乗っけてくることがよくあるから、重くて目が覚めるのは珍しいことじゃないんだよね。僕だって、健ちゃんの重さを感じるのは嬉しいから、それは別にいいんだ。
けど、今日はさらに体が動かない……?
そう気が付いたところで、ようやくぼんやりした頭の中がちょっとだけ冴えてきた。あ、そっか、布団の中で見えないけど、ふたりの足が僕の足の上に乗ってるのか。ふたり分だからいつもより重くて、それで動けないんだな。
右を見る。健ちゃんの横顔が近い。無邪気な寝顔にほっとする。こっちに向かって投げ出された足が、僕の上に乗っかっちゃっているんだろう。
左を見る。冬矢の顔がぶつかるほど近い。寝てても綺麗な顔にドキッとする。ほとんど僕にくっつくように眠っていて、抱き枕を抱くみたいに足が絡んできてた。
……はー。ふたりともよく眠ってる。まるきり無防備なのは、寝てるから当然だよね。それはわかってるんだけど、僕といて安心してくれてるのかなあと思うと、……とても嬉しい。一緒に暮らし始めてけっこう経つのに、こうして寝顔を見るたびに、何度でもそう思ってしまう。こんなかっこいい人たちがどちらも僕の恋人だなんて、本当に贅沢だよなあ。
満足して、僕は再び眠りに……つこうと思ったんだけど。押さえられた膝の角度がちょっと気になって、少し寝にくい。でも、あんまりむやみに動いてふたりを起こしちゃったらいけないよね。なんとか、この、足を開かされた格好から少しでも楽に、……。
ん?
あれ。
これ……。
片足ずつ、それぞれの足でホールドされてる体勢……。
なんか、まるで、無理矢理足を開かされてるみたいな……。
…………。
わぁ……。
ま、マズい。勃っ……ちゃ……。
ど、どうしよう。これ、ほっといて眠れるかな。だって、絶対、自然に鎮まるはずがない。大好きな人の寝顔が間近にあって、押さえつけられてるみたいな格好で、そんなの落ち着けるはずないもん。どんどん想像が膨らんで、大変なことになっちゃう気がする。
なんとか抜けられないかな。ああ、普段はこんなに寝相の悪くない冬矢が、今日に限ってどうして半分乗っかってるくらいに近いんだろう。健ちゃんも、起きてんじゃないのってくらい力が強い。どうしよう。えっと。ちょこっとずつ、そーっとずらせば、逃れられるんじゃ。
「蒼生?」
「っあ」
耳元で聞こえた声に、腰がぞくぞくっとして、思わず声が出た。と、冬矢。寝起きで掠れた声が色っぽくて、よっ、よけいに……っ。
「ごめ、んね。起こしちゃったよね」
「どうかした?」
だいぶ、どうかはしてるんだけど、これ、バレたら恥ずかしい。だって、ふたりは何もしてないのに、僕が勝手に想像してドキドキしちゃってるだけだから。
「ううん、なんでもない。ちょっとトイレに」
冬矢が気が付いてくれて逆に良かったかも。これでバレずに済む。
と。思ったんだけど。
「ふうん?」
あ。ちょっと意地悪な顔。覗き込んでくる目が、僕の動きを封じ込める。
冬矢は、絡めた足をさらに深く、足の間に割り込むようにねじ込んできた。その太腿が、ぐり、っと擦るみたいに。
「ひゃ……っ」
「これ。どうにかしたいから?」
あ、あ。
だめ、そんな、すりすりしちゃ……っ。
「な、なんでバレたの……?」
意地悪な顔に、ほんの少し優しさを戻して、冬矢は笑う。
「だって、蒼生の声が、気持ちよくなりかけている時みたいに甘かったから」
「ええー……」
そんなの、自分でだってわかんないのに。どうしてわかっちゃうんだろう。
「……んー」
健ちゃんがごろりと寝返りを打って、うわ、両足が乗ってくる。勝手に体が跳ねるから、さすがに健ちゃんも気が付いちゃったみたい。
「ぁおいぃ……?」
「んっ」
息が、耳に、かかって。
ぱちっと健ちゃんの目が開く。
「えっ、蒼生? えっちな声出して、どしたの?」
健ちゃんまでそんなことを。
「ほら。健太にもバレただろう? 正直に話してごらん。なんでえっちな気分になってるの?」
うー。恥ずかしくて、僕は両手で自分の顔を覆う。
「…………」
「あーおい」
僕をとろけさせようとする意思がはっきりわかる、冬矢の声。僕は、これに、弱い。
「……足」
「? オレの? 蒼生の?」
「ぜ、全員の。健ちゃんと、冬矢の足が、僕の足に乗っかってて、……閉じられないって、思ったら、ドキドキというか、その……」
しん、と静かになる。ふたりの目がきっと僕を見てる。それがわかるから、このまま布団にずるずると沈んで顔を隠したい。だけど、身動きがとれないんだってば……。
両方の手首を掴まれて、あっけなく顔を隠せなくなった。僕の手をそれぞれ掴んだふたりは、ベッドの上に体を起こす。
「そうだよなあ。蒼生は、動けなくされんの好きだもんな」
「俺たちに体を開かされていると思って、欲情しちゃったんだね」
もう、その通りすぎて、頷く以外にどうしろっていうんだろう。
「……そう。ほ、欲しくなっちゃった、の」
僕の上で、ふたりが目を合わせたのが見えた。健ちゃんと冬矢って、普段は意見が合わないとかなんとかって小競り合いしてるのに、僕のことに関してだけはやたらと通じ合うんだから不思議だよね……。
手首を掴む手が、するりと優しく肌を撫でる。ぞくっとする。ますます動けない。うー。
健ちゃんが顔を近付けて、頬にキスをくれる。
「可愛い蒼生。頑張って準備できる?」
僕がふたりに最初の準備をさせないことを知ってるから、そう言ってくれるんだ。抵抗があるって言った僕の言葉を、ずっと大事にしてくれてるんだ。そして、「今から準備する」って言ったら、ふたりはちゃんと待っててくれる。優しい優しい、僕の恋人。
でも。
「…………。できてる……」
「えっ?」
ふたりの声が揃う。だ、だよね! 何言ってんだってなるよね!
「どういうこと?」
「……明日お休みだから……。もしかしたら、シてもらえるかなって思って、……洗うのだけしておいたの」
恥ずかしい。もう一度顔を隠したいけど、今度は手も動かせない。なら顔をそむければいいのかもしれないけど、僕の場合、なんとどちらを見ても恋人がいるわけで……。
ぎゅうっと健ちゃんが手に力を込める。
「なんで言ってくれなかったんだよ」
「ふたりともバイトが忙しかったって言ってたから、これは無理させちゃいけないなと思って」
「オレだって、蒼生が疲れてそうだと思ったから、今日はダメだなって我慢してたんだぜ?」
「蒼生、いつもよりちょっとソファに座る角度が深かったからね」
あれ?
えっと……。
つまり、全員が相手を慮って我慢してたってこと?
ふふっと冬矢が笑う。
「今からでも遅くないんじゃないかな。ね。蒼生。どうしたい?」
冬矢の手が優しく僕の髪を撫でる。
「オレは蒼生を抱きたい」
「……僕は、ふたりに抱かれたい」
「じゃあ、そうしよう? 俺も蒼生を抱きたいよ」
うん……嬉しい。
ふたりは、僕の布団に潜り込んできて、それからゆっくり体中を撫でてくれた。あっちこっちを撫でながら、丁寧にお尻を解してくれる。
でも、上はボタンを外しただけ、下も太腿の辺りまで下ろしただけ。なんで?
「んっ……。どうして全部脱がなくていいの?」
聞くと、健ちゃんが僕の目の前で楽しそうに笑う。
「だって、今日は蒼生、布団の中でいたずらえっちがしたいんだろ?」
「えっ、えええ? そういうやつなの? ぼ、僕、そんなつもりじゃ……。え、布団被ったままなのもそういうこと?」
別に僕は、コンセプトなんて提案した覚えはないんだけどっ。
すると、冬矢もくすくす笑いながら背中越しに僕の耳を噛む。
「ひゃ……っ」
「眠ってるときに俺たちに身動き取れなくされた気がして興奮しちゃったんだもんな」
う、うう。
このひとたち、ノリノリだぁ……。
まあね、それが嬉しくなっちゃう僕も僕なんだけどさ。だってそういう、「普段とはちょっと違う」って、楽しいし面白いって思っちゃうから。
「ああ、ぁっ」
ナカを健ちゃんの指がかき混ぜる。
むずむずする。
わざと、優しい手つき。
「じゃ、……このまま、するの……ぉ?」
「そうだよ」
そ、そうなんだ。
本当にこっそりと、隠れるみたいにするなんて、……興奮する。
「蒼生、ナカ、すごい。きゅうきゅうしてる。オレの指を離してくれないみたい」
「だって、健ちゃんの指、気持ちいもん……。だけど、それだけじゃ足りない……。奥、さみしい」
「ん。そうだな」
健ちゃんはするりと指を抜いて、っあ、僕の腰を抱いて、キスをくれた。
何度も、離してはくっつけて、の、愛しいキス。小さなこどもにするみたいな。僕と健ちゃんは本当に小さい頃から一緒だったけど、こういうことはしなかったから。だから、ちょっと気恥ずかしいけど、すごくほっとする。
その間に冬矢がいったん布団から抜け出したのがわかる。健ちゃんに抱き締められてるから冬矢が何をしてるかは見えないけど、冬矢が挿入れてくれるんだな、とわかった。外に出たのは、見えない状態でゴムをつけて失敗しちゃいけないだからだ。ちゃんと僕を守ってくれる気持ちから来る行動なんだと思うと、どうしようもなく愛おしく感じる。本当に、冬矢は……ふたりとも、真面目で、優しい。
冬矢が布団の中に戻ってきた。でも健ちゃんは僕を離してくれない。冬矢に背を向けたままでどうするのかな、と思ってたら、冬矢は寝転がった僕の背中にぴたりと体をくっつけて、その体勢のまま、熱い塊を擦り付けてくる。
「……あ」
横、向いたまま、ってことなんだ。
「蒼生。ちょっと足、持ち上げるよ」
「う、ん」
冬矢は僕の左足に手をかける。
「大丈夫。力抜いててね」
そう言うと、ゆっくりゆっくり、後ろから、僕の……なか、に……っ。
「ん、ぁ、あぁ、あー……」
身体の中を、内側からぎゅーっと押されてる。
冬矢が僕の中にいる。
嬉しい。
「あっ、とぉ、やっ……」
いま、こつんって、ぶつかった。
気持ちいいとこを、優しく、ノックするみたいに。
あ、う、びりびり、する。
腰の真ん中が、ざわざわして、どんどん、深いところに集まってく。
ばさっと音を立てて、健ちゃんが布団に潜った。
「……え?」
急に健ちゃんの顔が見えなくなるから、胸のあたりがぞわっとする。
不安? さみしい? そんな感じの、心の揺れ方だ。
でも、すぐに、そのざわっとしたあたりに、濡れた感触がした。
「ふぁっ」
「はー。……蒼生の胸がどきどきしてんの、すごくわかる」
布団の中で、こもった声。
それから、キスの感触。
見えなくたって、そこにいることはわかるのに、不安になっちゃったのが恥ずかしい。
それと、……くすぐったくて、気持ちいい。
冬矢が優しくナカを撫でてくれて。
健ちゃんが唇と舌で胸元を撫でてくれて。
あー……。
きもちい。
すき。
うれしい。
「蒼生……気持ちいいね」
吐息と一緒に僕の耳に飛び込んでくる、冬矢の声。
「うん、うん……っ、き、もち、いぃ……っ」
この体勢、すごく、くっついてる感じがして、気持ちいい。
ああ、でも、脱ぎたい。
肌に直接触れたい。
触れて欲しい。
ただそのもどかしさが気持ちいい気もして。
「ちょっと動かすよ」
ぐい、と冬矢の腕が僕の腰を引く。
冬矢の腰の上に、半分くらい乗っかるような感じ……っあ。
た、体重がかかって、自分の重さで冬矢のを飲み込んでるみたいな……っ。
「ふふ。腰、自分で動かしてるの?」
「あ、んぅ……ち、が、ァ……勝手に、動く、の、ぉ」
だって、僕には、そんなことをしてる自覚はない。……んだけど、たしかに、動いてて。自分から、冬矢に擦り寄るみたいに。
ちょっと恥ずかしいと思ったけど、冬矢の声が嬉しそうだったから、いい。
「ひぁ……っ」
わ、健ちゃんの舌……が、ずるりとおなかのほうまで降りてくる。
あ、腰のざわざわが、また、うるさく……っ。
たぶん、健ちゃんがしようとしてることは、わかってる。
荒い息が、くすぐるみたいな感覚で、ちんちんの裏側にかかってるから。
けど、僕からは健ちゃんが見えない。
いつ触れられるかわからない。
冬矢もわざとなんじゃないかって思うくらいに緩やかにナカを撫でてくる。
体の表面が、ぞくぞくする。
早く。
「……っ、ね、ぇ、もぅ……っ」
最初に音を上げたのは、僕だ。
「ふっ、ふふっ」
健ちゃんの笑い声がして、すぐに、先っぽを吸われる感覚……っ。
「ひゃぁうっ……う」
あ、あ、待ってた刺激が、そこからびりびりって全身を駆け巡る。
厚い舌が、遠慮ない力で、だけど丁寧に辿ってくる。
あー……。
「今度は、こっち」
「あぁっ!」
冬矢が僕の腰を押さえつけて、気持ちいいとこを縦に抉る。
ずっと、気持ちよかったのが、強烈な力で内側から突き抜けてく。
苦しいくらいに、前からも、後ろからも、気持ちいいのが、いっぱい。
「あ、はぁっ、は、あっ、……あぁ、っ、ん、あー……っ」
冬矢の体温とか、ナカにくれる熱さとか、健ちゃんのあったかくて柔らかい口の中とか、もう、わけがわからない。
どこが気持ちいいとかじゃない。
全部が。
なのに。
「と、ぉや」
僕はぐちゃぐちゃの頭で、精一杯に後ろを向く。
冬矢はすぐわかってくれて、キスをしてくれた。
そう。
気持ちい。
だけどさみしい。
僕の目には、壁とドアしか見えなかったから。
やっぱりふたりの顔が見たい。
冬矢が優しい目で僕を見て、キスをくれて、それで嬉しくて、もっと気持ちよくなる。
嬉しい。
嬉しいのがいちばん嬉しい。
好き。
大好き。
「蒼生、……ん、蒼生……」
あ、健ちゃんの声が、僕の中に直接響く。
大きな手が僕を包み込んで、たくさん、口の中で、可愛がってくれて。
ぞ、ぞくぞくが、よりいっそう、集まって、
わ。
来る。
後ろから押されて、前から引っ張り出され……っ、
「け、んちゃ……っ、あぁ、はっ、……で、ちゃ……ぁ」
「ん。ちょーらい」
くるっ……あ、あふれるっ。
吸い取られちゃ……っ。
「……イッ……あぁー……っは、あ」
あー……。
「っひ、ぁあっ!」
脱力感に浸る暇もない。
冬矢が、また、ナカからぐりぐり、って。
「と、冬矢ぁっ……はや、」
「待たないよ」
「う、うぅーっ……」
だめ、いま、イッたばっかで、そんな、擦ったら。
がばっと健ちゃんが布団から飛び出してくる。
わ、すごい。
布団の中にずっと潜ってたから、汗だくじゃん。
そう口にする暇もなく、
キス。
……美味しくない。
けど、そのまま、舌、絡めてきて。
「ん、う、……は、ぁあっ、んーっ……」
「蒼生、可愛い」
「……うぇ、あ、ぁあっ、は、ふぁ……っうー」
うーん、明らかに美味しくないって顔、してるつもりなんだけど。それでも可愛いって言うの?
健ちゃんの目ってどうなってるんだろう。一度ふたりの目から見た僕を見てみたい。
だって、美味しくないよ、これ、自分のだもん。健ちゃんのじゃないもん。
「俺にもちょうだい」
「むぐ、ぅ」
後ろから身を乗り出した冬矢が、僕の口の中に舌を差し入れる。
「ぇんぶ、もってってぇ……」
「ふふ。ありがたくいただこう」
口の中のぬるぬるは、全部冬矢に引き取ってもらう。
あー……。
全部、舐め取ってくれる舌がきもちぃ。
やば、イッたばっかなのに、またイキそう……。
「くっ。負けるかっ」
「んぅ」
こ、今度は健ちゃんが、僕の顔をぐいっと近付けて深いキス。
忙しい。
けど、嬉しい。
えへへ。
「……はっ……そろそろ限界。ごめんね、蒼生、イッてもいい……?」
耳元で冬矢が囁く。
そっか、僕をたくさん甘やかしてたくさん優しくしててくれたから。そのぶん、冬矢の気持ちいいを我慢させてたんだ。
「ごめ、ね……イッて……。僕のナカで、もっと、きもちくなって……」
「じゃあちょっと動くね……」
「っあ!」
冬矢が腰を打ち付けてくる。でも、ちゃんと、気持ちいいとこ、狙ってくる。どこまで優しいの……。どうしたって胸がきゅうっとする。
「あ、そ、そこぉ、ぁあっ、……っ、きもち……ぃっあ」
動きについてけなくなって、僕は健ちゃんに縋り付く。
すると僕はそれ以上動けなくなるから、冬矢はもっと腰を動かしてくる。
健ちゃんに抱き締められて、冬矢に足を抱えられて、あー。
とけそう。
ううん、もうとけてるのかもしれない。
「蒼生……あおぃ、大好きだよ……っ」
こういう時にしか聞けない、冬矢の荒い吐息混じりの声。
ああ、好き。
冬矢が僕の中でびくんと大きく震えるのを、僕はうっとりと感じていた。
……はあ……。
全部気持ちいい。
ゆっくりと、冬矢が体を引く。
ずるずると体の一部が引き抜かれていくようなぞわっとした感じも、気持ちいい。
冬矢が、僕の体の下に腕を差し入れてきた。
抱き締めてくれるんだな、と思って、僕のほうから体を向ける。
笑った冬矢が、正面から抱き締めてくれて……ふふふ。
すると、突然布団を剥がされた。
さむっ。
目をやると、全部脱いだ健ちゃんが、僕を跨ぐように膝立ちでこっちを見下ろしてた。
わあ、準備万端だ。
「健ちゃん、寒くない?」
「だいじょぶ。すぐ、熱くなるから」
「そっかあ」
でも健ちゃん、風邪引きやすいからなあ。
思ってると、冬矢と抱き合ってる上半身はそのままに、健ちゃんが僕の脚の間に入ってきた。
それから僕の腰を抱え上げて、きっちり身支度を終えたちんちんを僕のお尻の間に擦り付ける。
…………?
タイミングを計ってくれてるのかな。連続だとしんどいと思ってくれてるのかな。そんなこと気にしなくていいのに。早く来てほしいのに。
手を伸ばすと、首を傾げた健ちゃんが顔を近付けてくる。
短い髪に触れると、しっとりとした手触り。
「ほら、すごい汗」
「やっぱ布団の中は暑かった……」
「風邪引いちゃうよ。だから、はやく来て。あったかくなろ」
「! うんっ」
健ちゃんが、僕の中に飛び込んでくる。
「っあ!」
いっぱい気持ちよくなってきゅんきゅんしてたナカは、すんなりと健ちゃんを受け止める。
あー……。
「はぁ、ぁ……っん。すご……あつぃ」
「蒼生のナカ、も、熱い……気持ちいー……」
すごい、満たされてる感覚。
ぞくぞくする。
繋がったとこから、じんわりと、また、気持ちいいのが溢れてくる。
僕は思わず冬矢の手を握る。
冬矢はぎゅっとそれを握り返してくれて、反対側の手で僕の肩を抱いた。
健ちゃんが、ナカを力強く擦る。
「……っあ、ひっ、あぁ、う……っん、ぁ」
とんとんしてくれるの、ふたりとも、違うとこだから。
たぶん、ふたりが気持ちいいと思うとこが、違うんだと思う。
僕は、
どっちも気持ちいい。
どっちも好き。
「うー、き、もち、ぃ……」
ぐちゃぐちゃになる。
ああ、もう。
ふっと笑った冬矢が、柔らかいキスをくれる。
そしたら、今度は健ちゃんが食い尽くすみたいなキスをくれるんだ。
ふ、ふふ。
嬉しい。
顔をこっちに向けたら冬矢が笑ってて。
見上げれば、欲情の色がいっぱいの健ちゃんが見えて。
やっぱり、顔が見えるほうが好き。
ふたりの顔が好きだとか、そういうことじゃない。
あ、もちろん、顔だって、すきだよ。かっこいいもん。世界中探しても、ふたりよりかっこいい人はいないんだから。
だけどそれよりも、僕を、見ててくれてることが、……そしてなにより、それを実感することが嬉しいんだ。
「……け、んちゃ」
「はっぁ……何?」
「だーい、好きぃ……」
「! くっ。だ、い、好きだよ……っ」
「とぉやぁ……大好きぃ……」
「俺も。大好きだよ、蒼生……」
ああ。
すごい。
うれしい。
きもちい。
だいすき。
もっと。
……ねむい。
冬矢が背もたれ代わりになってくれてるのをいいことに、僕はその裸の胸に耳を寄せて、ぼんやりと心臓の音を聞いていた。
だって、もう、腕を動かすのもしんどい気がする。
僕を甘やかすのが大好きな冬矢は、僕を優しく抱き締めながら、赤ちゃんにするみたいにゆっくり揺らしてくる。
うう、これで眠くならないほうが難しいと思う。
そこに、勢いよく健ちゃんが駆け込んできた。
「はい、あったかい濡れタオル持って来たよ~」
「あ……りがと」
うわ、声、かっすかすに掠れてる。最後のほう、言葉じゃない声を発してた自覚あるんだよね。かわるがわる、何度も、その、い、いっぱいしてもらっちゃったから……。
おんなじくらいいっぱい出してたはずの健ちゃんは、僕が受け取ろうとしたタオルをにこにこしながら取り上げた。なんでそんなに元気なの。
「あれ、タオル……」
「こっちは冬矢の分。蒼生はされるがままになっててくださーい」
「でも」
健ちゃんは僕の抗議を聞く気がないみたい。冬矢にタオルを渡すと、僕の顔を拭いてくれる。受け取った冬矢も胸元に優しくタオルを当てた。あったかい。
むむ。
「そのくらい自分で出来るのに。ちっちゃい子扱いしてる?」
ここで負けるわけにはいかないぞ、と抗議を続ける。でも、健ちゃんはしれっと。
「ちっちゃい子にあんなえっちなことするわけないじゃん」
そ、それはそうなんだけど。
「いいんだよ。だって、蒼生は俺たちふたり分を満足させなきゃいけないんだから。疲れて当然だよ」
冬矢はなんでもないことのようにそう言って笑う。
「そ。だから、このくらいのことはさせて。むしろ、ぐったりしてる蒼生の体拭いてる時って、気持ちよかったんだなーって感じがして、すごく満足する!」
さっきから、ずーっと健ちゃん、楽しそう。
「えっと……。ありがとう。ここはお言葉に甘えて……ってことでいいのかな」
ふたりはにこにこ嬉しそうに頷いた。
うーん。
満足……かぁ。
「……ちゃんと僕、ふたりのこと満足させられてる?」
「もちろんだよ!」
「当たり前じゃないか」
わ。
ふたりとも、ものすごい食い気味で答えてきたな。
でも、そっか……。ふたりとも、満足してくれてるんだ。
健ちゃんは僕の手を取って、指の間まで1本1本丁寧に綺麗にしてくれる。
「蒼生は? オレは勝手に気持ちよさそうって思ってたけど、満足してくれた?」
「う? んー……」
「えっ」
手がぴたりと止まる。あっ、違う違う、そうじゃなくて。
「すっごく、気持ちよかった。やっぱりふたりの顔見て、いっぱいキスしていっぱい抱き合うの、大好き。でも……」
「でも?」
「……きっとすぐにまた欲しくなっちゃうと思う……から」
すごくたくさんのものをもらってる、その自覚はちゃんとある。
だけど、もっと、もっと欲しくなっちゃう。
「あー。僕ってこんな欲しがりだったかなぁ……」
ふんわりと笑った冬矢が、僕の髪を撫でると、そのまま頭を抱き寄せてくれる。
「いいじゃないか。蒼生がいっぱい欲しがった分は、俺たちがそのまま蒼生に全部あげれば、何の問題もないだろう?」
「冬矢」
「だよな。オレたちの愛は無尽蔵に生まれてくるんだから。蒼生が欲しがる以上にたくさん浴びせられると思うよ」
「健ちゃん」
……なるほど。
そうか。
「じゃあ、いっぱい欲しがっても、ふたりはそれでいいんだ」
「うん。もちろん」
「かえってそのほうが嬉しいよ」
これは……一言で言えば、僕は幸せ者だ、っていうことなんだろうな。
ふたりの愛に包まれて。
「だからね。蒼生は、もっともっと俺たちを求めていいんだよ」
「……うん」
なんか泣きそうになる。でも、そしたらまたふたりとも慌てちゃうよね。僕は健ちゃんの手を捕まえて、それごとタオルで顔を拭いた。暖かったタオルは、もうだいぶひんやりしてきた。体のほうもすっかり綺麗にしてもらったし。
「とりあえず、このまま寝ちゃうか」
健ちゃんが僕を抱き締め、ばたんとベッドに倒れ込む。
「えっ、着替えないでいいのかな」
その、えっと、ちょっと諸事情で汚れてるんだけど。
冬矢が布団を引き上げながら、僕の横に寝転んで、僕を健ちゃんから引き剥がす。たぶん倒れる時に僕を持ってかれたからその仕返しだろう。……恥ずかしいし照れるけど、そういうことなんだと思う。
「布団も、たぶん洗わなきゃいけないだろうからね。どちらかを新しくして汚れを気にするより、一度にやったほうがいいよ」
「そっか。そうだね。じゃ、朝になったら洗濯大会だ」
「天気いいみたいだもんな」
大物をたくさん洗わなくちゃいけないから、大変かもしれない。
でも、青い空の下に干した布団は気持ちいいだろうな。
「もういっかい、おやすみ、蒼生」
「蒼生、おやすみ」
両側から優しい声。
……安心して、また眠たくなってきた。
「おやすみ、健ちゃん。おやすみ、冬矢」
体温。
あったかい。
明日の青空が楽しみだ。
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