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最終更新日:2021年08月01日 23:03

聖川高校保健体育副読本

非会員にも公開
サンリオ男子SS。
アニメとツイッターネタのみ(紙媒体・2.5の情報はほぼノータッチ)。
CP雑多混在・リバあり。由梨ちゃん大好き。
エロはそんなに書かないけど、不適切なことをやらかしかねないのでRつき。
各人一人称表記は、その時々で変えているので、公式と違うことがままあります(「オレ」「俺」キャラが複数いて判別しがたいので)
サムネはキャラットで作成

本スレ(雑記。萌え語りはこちら) https://pictbland.net/blogs/detail/159

◆◆◆目次◆◆◆

【康太、明かりをつけて。】 祐×康太 俊介  
 https://pictbland.net/blogs/view_body/706354

【ずるいともだち】1 祐×康太 俊介
 https://pictbland.net/blogs/view_body/706357

【ずるいともだち】2 祐×康太 
 https://pictbland.net/blogs/view_body/706359

【猫は丸いものが好き】 智→俊介 誠一郎
 https://pictbland.net/blogs/view_body/711983

【赤ずきん】 祐×菅見 康太
 https://pictbland.net/blogs/view_body/713259

【エイプリルフールはめぐる】 諒・康太・祐・俊介・菅見
 http://pictbland.net/blogs/view_body/821429

【聖川高校2年保健体育】康太・祐・俊介
 https://pictbland.net/blogs/view_body/866688
  慈雨
  • 2019年02月28日 17:38  

    康太、明かりをつけて。
    猫は丸いものが好き
    エイプリルフールはめぐる
    聖川高校2年保健体育
    4本まとめて文庫サイズP36におさめて、しまうまプリントさんに入稿
    エイプリルフールはもう少しボリューム出したいので、推敲するために全体像見たくて本にした
    表紙に使ったのは、まんぷくメーカーさんで康太っぽい男の子で、からあげはアニメでは祐のご機嫌アイテムだった

    ところで公式ツイッターで生徒会長が「諒」って呼んでるのが、ものすごい謎
  • 2019年02月28日 12:57  

    【聖川高校2年保健体育】

    2年生3人がコンドームの話をしているだけ。
    5/6はゴムの日だからと、GWの頃に書いていて挫折。
    この後、3人のいちゃいちゃが続くのだけど、終わらないのでカット。
    この記事は省略されています。続きを読むにはここをクリックしてください。





     家にそれを取りに行っていた俊介が、祐の部屋に戻ってきた。
     勉強道具や菓子を並べたローテーブルに、ポンとそれを投げるようにした。
     パステルカラーの小袋に、キティの正面顔が書いてある。こどもが見れば、シールか板ガムでも入っているかのように思うはずだ。
     祐は腹を抱えて床に転がり、康太は背もたれにしていたベッドにのけぞった。しばらく声もなく体を震わせていた二人は、示し合わせたように喉を鳴らし、やがて声をたてて笑いはじめた。
    「うぜぇよ、祐。笑うな」
    「康太も笑ってる」
     笑いで喉をつまらせている祐の言葉は、よく聞き取ることができない。
    「祐がうざすぎて、康太のは気になんねえ」
    「えー、康太ばっか、ひいきしてる」
    「ごめん、おれも同罪だね」
     康太は姿勢を直して、ペットボトルのお茶を飲む。赤くなった顔に、たちまち汗がにじんだ。
    「クーラー入れよっか。窓閉めて」
     祐はリモコンを取り、康太はベッドに乗って出窓を閉めた。
     出窓には、マイメロディのコレクションが並べられている。年季が入って色あせたものも、しまいこんだりしていない。「メロちゃんに見守られてるって感じ。マイ女神!」と言って、俊介にいやな顔をされていた。
     外は、六月とは思えないほどのピーカンで、窓辺に立つだけで目がくらむ。
     体温の高い男子高校生とぬいぐるみがひしめきあう室内は、蒸し暑い。アイスを食べながら下校して、祐の家につくなり麦茶をがぶ飲みして、やっとひと息ついたのだ。
     今日、祐の家に来たのは、目的があった。来週からはじまる定期試験の勉強のためだ。誠一郎から「ちゃんと勉強するように」と釘を刺されて、二年生三人はよいお返事をしてたのだった。
     三人揃えば意欲が高まるわけもなく、だらだらと話して、手元は留守になりがちだった。
     俊介の普段使いのキティグッズがシックなものが多い、というのが発端だった。他企業とのコラボレーションが多いから、選択肢も増えるので、俊介も取捨選択が難しいらしい。
     おはようからおやすみまで、キティさんが見守ってくれるのかと祐がからかった。ゆりかごから墓場まで、キティさんが守ってくれると、俊介は大真面目だ。
     実際、キティのイラストが入った日用品はあふれている。大型家電や自動車もコラボしている。別注品を入れれば、日々ご機嫌に暮らせる。あれこれ検索をして、勉強は完全にそっちのけになった。
    ――コンドームは? シュシュ、持ってないの? 
     祐が悪乗りしてたずねた。
     俊介は、イラつきながら、持っていると答えた。見せてほしいとしつこくせがむ祐を怒鳴って、俊介が部屋を出て行ったのが十分ほど前だった。
    「一個だけ? 使ったの?」
     祐が一言言うたびに、俊介は眉をしかめる。
    「もらったのがそれだけなんだよ」
    「誰がくれたの? 女の子?」
    「はぁ? 智さんだよ」
    「なんで松尾さんが……?」
     中学生のころの俊介は、上級生や他校生に、今以上にキティさんのことでよくからまれた。付き合ってる女子とのペアではないかと、勝手に妄想してやっかまれるということが、往々にしてあった。自分の趣味だといえば、それも、またひやかしの対象になるのだ。
     ある日、智が、部活の後に、他の部員の前で「やる」と無造作に手渡した。俊介は、受け取ってすぐにコンドームだと気付いた。何か裏があるなと思いつつ、素知らぬ顔で受け取った。
     俊介がどんな反応をするのか見たかった、と、後から智に聞かされた。女には興味がないと、俊介は言っている。クールぶってただのウブであったり、ファンシー好きをこじらえて性知識に疎いなら、可愛らしくうろたえるのではないかと、部員たちは期待していたのだ。
    「それが、中二のとき」
    「劣化してんじゃね?」
     康太は、きょとんと祐を見る。
    「ダメになっちゃうの?」
    「使用期限はあるんじゃん? 輪ゴムも切れる」
     言いながら、祐はスマホで検索をかける。
    「大体五年だってよ?」
    「やべえな」
    「開けようぜ、しゅしゅ」
     祐がつまんだコンドームを、俊介はすかさず取り上げる。
    「永久保存?」
    「しねえよ。乱暴にしたら、キティさんに傷がつくだろうが。はさみ」
    「あいよ」
     祐はペンケースから、マイメロディのスティック型のはさみを出した。
    「……開けてどうするの?」
     康太がたずねたときには、俊介は包装の端を切り落としていた。
    「そりゃ、使うよな」
     祐は俊介に指先で合図する。中身だけもらいながら、祐は言う。
    「康太が、コンドーム童貞だって」
    「童貞って言わないでよ!」
     真っ赤になって、康太はじたばたともんどり打つ。
    「一回くらいは、お試しでつけてみるもんじゃねえの?」
    「つけたけど、失敗した」
     しょんぼりする康太の隣に、祐は移った。
    「いいじゃん。俺がつけてやるからさ」
    「そうだな、自分でつけなくてもいい」
     俊介も、康太にぴたっとはりつく。
    「……そろそろ息抜き終わりにしようか」
     康太は、二人の間から抜けて、少し前に座り直した。



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