聖川高校保健体育副読本
アニメとツイッターネタのみ(紙媒体・2.5の情報はほぼノータッチ)。
CP雑多混在・リバあり。由梨ちゃん大好き。
エロはそんなに書かないけど、不適切なことをやらかしかねないのでRつき。
各人一人称表記は、その時々で変えているので、公式と違うことがままあります(「オレ」「俺」キャラが複数いて判別しがたいので)
サムネはキャラットで作成
本スレ(雑記。萌え語りはこちら) https://pictbland.net/blogs/detail/159
◆◆◆目次◆◆◆
【康太、明かりをつけて。】 祐×康太 俊介
https://pictbland.net/blogs/view_body/706354
【ずるいともだち】1 祐×康太 俊介
https://pictbland.net/blogs/view_body/706357
【ずるいともだち】2 祐×康太
https://pictbland.net/blogs/view_body/706359
【猫は丸いものが好き】 智→俊介 誠一郎
https://pictbland.net/blogs/view_body/711983
【赤ずきん】 祐×菅見 康太
https://pictbland.net/blogs/view_body/713259
【エイプリルフールはめぐる】 諒・康太・祐・俊介・菅見
http://pictbland.net/blogs/view_body/821429
【聖川高校2年保健体育】康太・祐・俊介
https://pictbland.net/blogs/view_body/866688
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2019年02月28日 17:38
康太、明かりをつけて。
猫は丸いものが好き
エイプリルフールはめぐる
聖川高校2年保健体育
4本まとめて文庫サイズP36におさめて、しまうまプリントさんに入稿
エイプリルフールはもう少しボリューム出したいので、推敲するために全体像見たくて本にした
表紙に使ったのは、まんぷくメーカーさんで康太っぽい男の子で、からあげはアニメでは祐のご機嫌アイテムだった
ところで公式ツイッターで生徒会長が「諒」って呼んでるのが、ものすごい謎 -
2019年02月28日 12:57
【聖川高校2年保健体育】
2年生3人がコンドームの話をしているだけ。
5/6はゴムの日だからと、GWの頃に書いていて挫折。
この後、3人のいちゃいちゃが続くのだけど、終わらないのでカット。
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家にそれを取りに行っていた俊介が、祐の部屋に戻ってきた。
勉強道具や菓子を並べたローテーブルに、ポンとそれを投げるようにした。
パステルカラーの小袋に、キティの正面顔が書いてある。こどもが見れば、シールか板ガムでも入っているかのように思うはずだ。
祐は腹を抱えて床に転がり、康太は背もたれにしていたベッドにのけぞった。しばらく声もなく体を震わせていた二人は、示し合わせたように喉を鳴らし、やがて声をたてて笑いはじめた。
「うぜぇよ、祐。笑うな」
「康太も笑ってる」
笑いで喉をつまらせている祐の言葉は、よく聞き取ることができない。
「祐がうざすぎて、康太のは気になんねえ」
「えー、康太ばっか、ひいきしてる」
「ごめん、おれも同罪だね」
康太は姿勢を直して、ペットボトルのお茶を飲む。赤くなった顔に、たちまち汗がにじんだ。
「クーラー入れよっか。窓閉めて」
祐はリモコンを取り、康太はベッドに乗って出窓を閉めた。
出窓には、マイメロディのコレクションが並べられている。年季が入って色あせたものも、しまいこんだりしていない。「メロちゃんに見守られてるって感じ。マイ女神!」と言って、俊介にいやな顔をされていた。
外は、六月とは思えないほどのピーカンで、窓辺に立つだけで目がくらむ。
体温の高い男子高校生とぬいぐるみがひしめきあう室内は、蒸し暑い。アイスを食べながら下校して、祐の家につくなり麦茶をがぶ飲みして、やっとひと息ついたのだ。
今日、祐の家に来たのは、目的があった。来週からはじまる定期試験の勉強のためだ。誠一郎から「ちゃんと勉強するように」と釘を刺されて、二年生三人はよいお返事をしてたのだった。
三人揃えば意欲が高まるわけもなく、だらだらと話して、手元は留守になりがちだった。
俊介の普段使いのキティグッズがシックなものが多い、というのが発端だった。他企業とのコラボレーションが多いから、選択肢も増えるので、俊介も取捨選択が難しいらしい。
おはようからおやすみまで、キティさんが見守ってくれるのかと祐がからかった。ゆりかごから墓場まで、キティさんが守ってくれると、俊介は大真面目だ。
実際、キティのイラストが入った日用品はあふれている。大型家電や自動車もコラボしている。別注品を入れれば、日々ご機嫌に暮らせる。あれこれ検索をして、勉強は完全にそっちのけになった。
――コンドームは? シュシュ、持ってないの?
祐が悪乗りしてたずねた。
俊介は、イラつきながら、持っていると答えた。見せてほしいとしつこくせがむ祐を怒鳴って、俊介が部屋を出て行ったのが十分ほど前だった。
「一個だけ? 使ったの?」
祐が一言言うたびに、俊介は眉をしかめる。
「もらったのがそれだけなんだよ」
「誰がくれたの? 女の子?」
「はぁ? 智さんだよ」
「なんで松尾さんが……?」
中学生のころの俊介は、上級生や他校生に、今以上にキティさんのことでよくからまれた。付き合ってる女子とのペアではないかと、勝手に妄想してやっかまれるということが、往々にしてあった。自分の趣味だといえば、それも、またひやかしの対象になるのだ。
ある日、智が、部活の後に、他の部員の前で「やる」と無造作に手渡した。俊介は、受け取ってすぐにコンドームだと気付いた。何か裏があるなと思いつつ、素知らぬ顔で受け取った。
俊介がどんな反応をするのか見たかった、と、後から智に聞かされた。女には興味がないと、俊介は言っている。クールぶってただのウブであったり、ファンシー好きをこじらえて性知識に疎いなら、可愛らしくうろたえるのではないかと、部員たちは期待していたのだ。
「それが、中二のとき」
「劣化してんじゃね?」
康太は、きょとんと祐を見る。
「ダメになっちゃうの?」
「使用期限はあるんじゃん? 輪ゴムも切れる」
言いながら、祐はスマホで検索をかける。
「大体五年だってよ?」
「やべえな」
「開けようぜ、しゅしゅ」
祐がつまんだコンドームを、俊介はすかさず取り上げる。
「永久保存?」
「しねえよ。乱暴にしたら、キティさんに傷がつくだろうが。はさみ」
「あいよ」
祐はペンケースから、マイメロディのスティック型のはさみを出した。
「……開けてどうするの?」
康太がたずねたときには、俊介は包装の端を切り落としていた。
「そりゃ、使うよな」
祐は俊介に指先で合図する。中身だけもらいながら、祐は言う。
「康太が、コンドーム童貞だって」
「童貞って言わないでよ!」
真っ赤になって、康太はじたばたともんどり打つ。
「一回くらいは、お試しでつけてみるもんじゃねえの?」
「つけたけど、失敗した」
しょんぼりする康太の隣に、祐は移った。
「いいじゃん。俺がつけてやるからさ」
「そうだな、自分でつけなくてもいい」
俊介も、康太にぴたっとはりつく。
「……そろそろ息抜き終わりにしようか」
康太は、二人の間から抜けて、少し前に座り直した。
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