仮住馬鹿騒ぎ
おせりか以外のカリスマカップリングの話、クソどうでもいい自分語り、お気持ち表明など何でもします 気をつけろ 踏ん張れ
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2023年07月14日 12:49一生終わんなそうだからここまで投げとく
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「……私が悪漢共に拐われた時、皆さんが身を顧みず助けに来てくれたことがありましたね」
大瀬の肩がびくりと跳ねた。
身を顧みず。本当に、他の皆さんはそうだ。自分は何もできなかった。大瀬はそう思っている。
今でもたまに夢に見る。敵意と怒号で満ちていた砂埃の舞う廃ビル。角材か鉄パイプか、硬い何かが生きた人間に当たる低い鈍い音が連続して響く。そんな広いフロアの中央で、目に痛いほど眩しいピンクの毛並みが踊るように暴力を振るっていた。一方では、美しさを武器にする二人が敵を惹きつけては次々に倒していく。いつも気怠げなあの人が、後ろに撫で付けた黒髪を乱して素早く拳を叩き込む。細っこい身体の彼は不安定な鉄筋の足場の上から瓦礫を投げつけて応戦していた。
そんな彼らに背を向け、大瀬はすくむ脚で薄暗い階段を登る。囚われた理解を探すという名目を心の中で何度も唱えて。どうせ自分には何もできないのだからと誰に聞かれてもいない言い訳をして。
ただただ、怖かった。大瀬は痛みを知っていたけれど、それに反抗する術を知らなかった。ここでほとんどはじめてこれまでの自分の怠惰を呪った。それと同時にやはり、誰にも見つかりませんようにと心から思っていた。大瀬は恥知らずの臆病者で、こんな時にだって相変わらず死にたかった。
果たして、いかれた蝶番の扉の奥に理解は転がされていた。大瀬が彼の名前を叫んで走り寄ると、理解は緩慢な動きで痛々しく青く腫れた瞼を薄らと開ける。暗がりの中、やっと大瀬の姿をみとめて安心したように目を細めた。
そんなことはやめて欲しかった。それは自分に向けられるべきものではないからだ。
理解を助けるために自分が戦うなんて選択肢を大瀬は考えもしなかった。
『理解を取られたんだよ。だから取り返しに行くんだ』
猿川の理論は単純明快で、きっと誰もが選べたのに彼にしか辿り着けなかった。その生き様の強かさは険しい岩山に独り生きる肉食の獣を大瀬に思わせた。鋭い眼光に見据えられた時、大瀬は酷く己を恥じた。
それに続いた四人も結局は彼と同じだ。違うのは自分だけ。拳の一つも振るえず彼らに背を向けた自分だけを、大瀬は絶対に許せない。
理解はきっとそれに気づいたのだろうと大瀬は思った。あの時の大瀬があたかも助けに来たという顔をして、その実戦闘から逃げるために理解の元へ向かったということ。危険を承知で貴方を助けに行くなんて心から言えなかったこと。理解の身を案じながら頭の中は自己保身でいっぱいだったこと。それらを今、糾弾されるのだ。
大瀬は俯いて懐に忍ばせた自殺用のナイフへそっと指をかけた。
「その少し後に、君は猿に絵を描いて渡したでしょう」
「……え?」
罵詈雑言を浴びせられるのを身構えていた大瀬は一瞬混乱した。
「あの、狼の」
理解が補足して、やっと大瀬は思い当たる。
岩山の頂上で吠える一匹の獣の絵。大瀬が猿川に渡した、あの絵のことだ。
描きたいと思ったのが先だったのか、手が動いたのが先だったのか、大瀬はもう覚えていない。ただ、描かなければと思っていた。大瀬自身にもそれが何故なのかはうまく説明できない。ただ、描いて、そして届けなければならなかった。それ以外は何も考えていなかった。
「ご、ごめんなさい」
「何故謝る」
「え、猿川さんが迷惑がっていたのを伝えにきてくださったってことですよね」
「違います」
「……間違えましたごめんなさい死にます」
「やめて大瀬くん喉を掻き切らないで大瀬くん!!!」
しばしの攻防。
のち、無事に理解が大瀬のナイフを取り上げる。理解が息を整える間、大瀬はぼんやりと、ではなぜその話を今したのだろうと思った。
「はぁ、ええと……まずですね、大瀬くん。猿はあの絵を気に入っていますよ。依央利さんが猿の部屋に掃除に入ったとき、皺を伸ばして大切に仕舞ってあるのを見たそうです」
大瀬は反射的にそれは嘘で本当は捨てられているのではと思ったが、理解が偽りを言わないことを思い出した。理解の口調は優しかった。
猿川が、大瀬の描いた絵を大事に持っている。理解が言うならその事実を受け取っても良いのだと思えた。心が暖かくなるような、それでいて泣きたくなるようなへんな気分になって、大瀬は床に視線を落とした。理解は続ける。
「大瀬くんが行ってしまった後、皆さんと一緒に見せてもらいました。
素晴らしかったです。険しい山肌と満月が夜の冷えた空気を感じさせて、頂上の狼の遠吠えがどこからか響いてくる気がして……。
大瀬くんは本当に、芸術的なセンスに優れていますね」
褒められている、みたいだった。慣れない言葉を上手く飲み込めなくて、大瀬は袖を握りしめる。つまるところ理解は何を言いたいのか、分からなかった。
「私の考えを言ってもいいですか。
君は、あの時の猿を──私を助けにきてくれたあの夜を思って、その絵を描いたのではないですか?」
大瀬は恐る恐る、理解を見上げた。
理解はずっと変わらず大瀬を見据えている。
「あの時、囚われた部屋で猿が私の名前を叫ぶ声が聞こえたんです。
月に向かって吠える狼を見て、そのことを思い出しました」
理解の言うことは常に正しい。だから、それもきっと合っていると大瀬は思った。
言葉にできない何かを乗せている。大瀬はものを作る時、ほとんどいつもそうだった。意識的にそうすることもあれば、無意識に何か自分の意図しないことまで浮き出ていることもある。
猿川に贈った
大瀬は自分が発する言葉の全ては間違っていて正解を選べる日は一生来ないのだと、自分はそういう人間だと信じている。だからこそ死にたくて、だからこそ線を、色を、形を作るのかもしれなかった。
そして、それを本当は────
「だから……私もそうしたら、分かってもらえるかもしれない、と、」
「……?」
理解は少し口籠って、ずっと大瀬を見つめていた目を逸らした。しばらく何かを考えるように黙り込む。大瀬は理解の次の言葉を待った。
「大瀬くんは、ご自分がとても……嫌いですよね」
「はい」
間髪入れずに答えた大瀬に理解は苦笑する。笑われたことで今の返事が普通ではないらしいことに大瀬は遅れて気づき、また死にたくなった。いつもいつも普通の会話はできない癖に、その質問にだけは自分の中に確固とした答えがあって、頭で考えるよりも先に声に出てしまう。
「私はそれを、君の欠点だと思っています」
「けってん」
「はい。だって君は、」
理解は大瀬の肩に手をやった。
「君は、こんなに素敵な人なのに」
何を言ってるんだろう、理解さんは
大瀬はほとんど反射的にそう思った。
すてき。素敵って、なんだっけ? 詳しい意味はよく分からなかったが、理解やここの他の住人達のように優しくて賢くて素晴らしい人たちにつけられる形容詞であって、自分なんかが貰ってよい言葉でないことを大瀬は知っていた。
理解の手のひらの熱が大瀬の肩に伝わって、大瀬は何故かいやに梅雨の蒸し暑さを感じた。理解はいつに増して真剣な顔で、口元は真一文字にきゅっと結ばれ、目尻が跳ねた切長の瞳は美しさと迫力がある。ただ大瀬は何となく、いつもの理解とは何か違う雰囲気を感じた。呆けたようにぼうっと彼の顔を眺めて、それは眉尻が下がっているためだと気がついた。何かを不安に思っているような、心配しているような、言ってしまえば少し、頼りない表情に見えた。
「今の言葉を聞いて、どう思いましたか?」
「え」
「自分は素敵な人間なんだって、言われたらそうかもしれないって……少しでも、思えましたか?」
大瀬の答えは決まっていた。そして、それを理解も分かっていた。
「あなたはあなたを肯定する言葉を人から貰ってもそれをそのまま受け取れない。疑って、疑って、やっと喜んでみても心の底ではどうしても納得がいっていない。裏切られることをいつも……怖がっていると。君はそう言いましたね。
君をそうしたのは何なのか、私には考えても分からないし、聞いたりしません。ただ、教えてあげたい。あなたに知ってほしいだけなんです。私から見たあなたは素晴らしい人間だということ。冗談なんかじゃない、私は確かにあなたに救われたんだって信じてほしいんです。だから、」
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2023年07月11日 21:19メッッッッッチャセックスするタイプのおせりか
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ゴムつけ忘れたまま生で挿入してしまい気づいて慌てた理解さんに咄嗟に「大瀬くんだめ、赤ちゃんできちゃうからぁ……!!」って言ってほしすぎ
言われた湊大瀬は(え!!!???理解さんって赤ちゃんできるの?!???!!!!綺麗すぎるから!?!?!?(?????)すご!!??!?)って信じて大混乱してほしい(カスの妄言)
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